ガッゼローニの四季 |
曲目/ヴィヴァルディ (ガッゼローニ編)
協奏曲集 「四季」 Op.8-1~4
春
1.第1楽章 Allegro 3:53
2.第2楽章 Largo E Pianissimo Sempre 2:54
3.第3楽章 Danza Pastorale. Allegro 5:09
夏
4.第1楽章 Allegro Non Molto 6:04
5.第2楽章 Adagio-Presto 2:40
6.第3楽章 Presto 3:03
秋
7.第1楽章 Allegro 5:01
8.第2楽章 Adagio 2:14
9.第3楽章 Allegro 3:38
冬
10.第1楽章 Allegro Non Molto 3:45
11.第2楽章 Largo 2:33
12.第3楽章 Allegro 3:47
フルート/セヴェリーノ・ガッゼローニ
指揮/マキシミアーノ・ヴァルデス
演奏/ヴェネツィア室内合奏団(ORCHESTRA DA CAMERA DI VENEZIA)
指揮/マキシミアーノ・ヴァルデス
演奏/ヴェネツィア室内合奏団(ORCHESTRA DA CAMERA DI VENEZIA)
録音/1978
プラッツ P28G509(原盤リコルディ)

イタリアのフルートの名手「セヴェリーノ・ガッゼローニ」が編曲・演奏した 「四季」です。レコード時代は1979年にCBSソニーから発売されたこと(25AC783)があります。このプラッツから発売されたCDは初CD化盤です。今でこそ、ヴィヴァルディの四季はフルートをはじめ色々な形で演奏されていますが、この演奏はその走りであった様な気がします。
ガッゼローニはローマRAI響(1994年にトリノRAI響、ナポリRAI響と合併してRAI国立響となっています)の首席を30年程務めた他現代音楽にも精通し、ストラヴィンスキーやブーレーズ、ベリオらから作品を献呈されるほどソロでも有名な存在でした。その特色は技術面の弱さを補って余りあるイタリア人らしい美への意識とベル・カント奏法による旋律線の歌い回しにあるといってもいいでしょう。ただし、当時聴いた時はややゆっくりとしたテンポは、フルートの限界かなと感じたものです。まあ、春の第1楽章を聴いてみて下さい。
もともとは合奏協奏曲としてヴァイオリンの為に書かれた曲ですから、まあ無理も無いかなぁと思ったものですが、これが聴き進むと意外にしっとりと来る良い演奏なんですね。
第2楽章では、まるでフルートの為の曲といってもいいような演奏です。
ここでも旋律線を伸びやかに、大らかに、そして滑らかに歌わせるガッゼローニの魅力を存分に感じ取る事が出来ます。
単独でも取り上げられる冬のラールゴです。一見木訥としたフルートの響きに聴こえますが、しんしんと冷え込む冬の風景が目の前に広がってくるような演奏です。特にコーダがしみじみとしたゆっくりとしたテンポ終わる様は、一幅の絵画を見ている味わいがします。でこのCD今となってはこれ1曲だけの収録という事で、既に廃盤になっています。
ガッゼローにの弟子にはジャズのエリック・ドルフィーがいるのも驚きですが、彼はジャズのアプローチも得意だったようですし、ポップなアルバムも結構録音を残しています。その片鱗が下記の映像で確認出来ます。一斉を風靡した「We are The World」です。
まあ、これ以降ランパルだのゴールウェイだの著名なフルーティストはこぞってこの四季のフルート版を録音していますからねぇ。参考までにゴールウェイの演奏も貼付けておきます。