ピエール・フルニエ名演集-Masterpieces for Cello |
曲目/
【CD1-3】
・ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲/変奏曲集
(ピアノ)フリードリヒ・グルダ(1959年6月23-28日)
→ Complete Works for Cello & Piano
【CD 4】
・クープラン:演奏会用小品集
・ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲
・ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番
カール・ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団(1952年)
・クープラン:演奏会用小品集
・ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲
・ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番
カール・ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団(1952年)
【CD 5】
・ブラームス:二重協奏曲
(ヴァイオリン)ダヴィド・オイストラフ
アルチェオ・ガリエラ/フィルハーモニア管弦楽団(1956年5月)
・ブラームス:二重協奏曲
(ヴァイオリン)ダヴィド・オイストラフ
アルチェオ・ガリエラ/フィルハーモニア管弦楽団(1956年5月)
【CD6-8】
・シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
(ピアノ)ジャン・ユボー(1939年)
・シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
(ピアノ)ジャン・ユボー(1939年)
・ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ
(ピアノ)ジェラルド・ムーア (1957年9~10月)
(ピアノ)ジェラルド・ムーア (1957年9~10月)
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(1948年10月)
ラファエル・クーベリック/フィルハーモニア管弦楽団
→ ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
ラファエル・クーベリック/フィルハーモニア管弦楽団
→ ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
・ハイドン:チェロ協奏曲第2番(1953年)
カール・ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団
→ 同上
カール・ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団
→ 同上
・リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番/『白鳥』(1947年9月)
ワルター・ジュスキント/フィルハーモニア管弦楽団
(ピアノ)ジェラルド・ムーア (1946年9月)
・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番/『白鳥』(1947年9月)
ワルター・ジュスキント/フィルハーモニア管弦楽団
(ピアノ)ジェラルド・ムーア (1946年9月)
・シューマン:チェロ協奏曲(1956年5月)
・チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲(同上)
サー・マルコム・サージェント/フィルハーモニア管弦楽団
→ シューマン:チェロ協奏曲
・チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲(同上)
サー・マルコム・サージェント/フィルハーモニア管弦楽団
→ シューマン:チェロ協奏曲
【CD 9】
・フォーレ:ピアノ四重奏曲、エレジー、子守歌
(ピアノ)マルグリット・ロン、(ヴァイオリン)ジャック・ティボー
(ヴィオラ)モーリス・ヴュー、(ピアノ)アーネスト・ラッシュ(1940年、1951年)
・フォーレ:ピアノ四重奏曲、エレジー、子守歌
(ピアノ)マルグリット・ロン、(ヴァイオリン)ジャック・ティボー
(ヴィオラ)モーリス・ヴュー、(ピアノ)アーネスト・ラッシュ(1940年、1951年)
【CD 10】
・J.S.バッハ:おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け/わが心の切なる願い/主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ/いざ来ませ、異邦人の救い主よ
・メンデルスゾーン:無言歌より
・ボッケリーニ:ソナタ第6番
・ラヴェル:ハバネラ形式による小品/2つのヘブライの歌より『カディッシュ』
・フォーレ:子守歌/蝶と花/シシリエンヌ
(ピアノ)ジェラルド・ムーア(1957年)
・J.S.バッハ:おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け/わが心の切なる願い/主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ/いざ来ませ、異邦人の救い主よ
・メンデルスゾーン:無言歌より
・ボッケリーニ:ソナタ第6番
・ラヴェル:ハバネラ形式による小品/2つのヘブライの歌より『カディッシュ』
・フォーレ:子守歌/蝶と花/シシリエンヌ
(ピアノ)ジェラルド・ムーア(1957年)
録音/1937-1959
Membran Wallet 600096


往年の名チェリスト、ピエール・フルニエ[1906-1986]のセッション録音を集めた10枚組セットです。今年になってから「断捨離」の第一歩として、まずはCDやレコードは買わないと決めていたのですが、ここ暫く、チェリストを主人公にした「船に乗れ!」を読んでいることもあり、チェロの魅力に取り憑かれ、この物語と同時代の演奏に接したくて、このフルニエのセットを久しぶりに購入してしまいました。(^▽^
意志の弱いことです。
まあ、最近は安いといっても円安の為、輸入CDの価格は2割ほど上昇しているのですが、このセットに限ってはアマゾンの価格は以前と変わらない水準にあります。購入価格は1,398円。送料込みですから一枚あたり140円を切っています。まあ、モノラル時代のいわゆるパブリックドメインの音源を集めて販売しているメンブランならではの価格でしょう。音源はEMI、DG、DECCAの3レーベルからのもので、モノラル期の録音ですが、すべてセッションを組んでのレコーディングなので、最も古い1937年のアルペジョーネ・ソナタでも、若きフルニエの演奏をそれなりに楽しむことができますし、特に1950年代のものは聴きやすい音となっており、グルダとのベートーヴェンなどは実に快適な音質となっています。先ず一番の聴きものはこのグルダと組んだベートーヴェンのチェロソナタの全集でしょう。これだけでもグラモフォンの正規盤は1,800円近くします。このセットの10枚組の内容は上記に記載していますが、魅力あふれる演目が収録されています。ダイジェストはYouTubeにアップもされていました。

まあ、最近は安いといっても円安の為、輸入CDの価格は2割ほど上昇しているのですが、このセットに限ってはアマゾンの価格は以前と変わらない水準にあります。購入価格は1,398円。送料込みですから一枚あたり140円を切っています。まあ、モノラル時代のいわゆるパブリックドメインの音源を集めて販売しているメンブランならではの価格でしょう。音源はEMI、DG、DECCAの3レーベルからのもので、モノラル期の録音ですが、すべてセッションを組んでのレコーディングなので、最も古い1937年のアルペジョーネ・ソナタでも、若きフルニエの演奏をそれなりに楽しむことができますし、特に1950年代のものは聴きやすい音となっており、グルダとのベートーヴェンなどは実に快適な音質となっています。先ず一番の聴きものはこのグルダと組んだベートーヴェンのチェロソナタの全集でしょう。これだけでもグラモフォンの正規盤は1,800円近くします。このセットの10枚組の内容は上記に記載していますが、魅力あふれる演目が収録されています。ダイジェストはYouTubeにアップもされていました。
ベートーヴェンのチェロソナタはLP時代は3枚で、DG盤CDでは2枚で収録されていますが、ここではオリジナルカップリングの3枚組にゆったりと収録されています。その為、レコードを聴いている感覚に浸ることが出来ます。それにしても、この録音1959年6月17-28日にウィーンのムジークフェラインザールで収録されたもので、これのみオリジナルステレオ録音です。いゃあ、聴きごたえあります。ピエール・フルニエ(1906.6.24-1986.1.8)は、20世紀フランスを代表するチェリストで、その高貴で美しい音色、エレガントで格調高い音楽性ゆえに「チェロのプリンス」と称された名手です。1940年代のSP時代から録音にも熱心に取り組み、1940年代のEMI、1950年代のデッカを経て、1959年から1971年にかけてはドイツ・グラモフォン(およびアルヒーフ)の看板チェリストとして、バッハからストラヴィンスキーに至る幅広いレパートリー(CDにして約18枚)を録音しています。ちょうどフルニエが50代半ばから60代前半にかけての時期にあたり、チェリストとして心技ともに最も充実した演奏の数々が刻み込まれています。フルニエは後にケンプと組んでライブで再録音していますが、演奏の緻密さという点では、このセッション録音の方が遥かに完成度が高いでしょう。名演中の名演から第3番を聴いてみましょう。
確かめてみると、確かにこの録音ステレオ初期の名盤として取り上げられていて、同時期の録音になるロストロポーヴィチ/リヒテルの名盤とトップの座を争っていました。しかし、この小説「船に乗れ!」ではロストロポーヴィチはあまり好意的に書かれていません。作者の好みもあるのでしょうがフルニエやカザルスがお気に入りのようです。
ここでは他に大曲としてブラームスとドヴォルザークの協奏曲など数々の名演も収録されています。その中でブラームスの二重協奏曲はこのCDで初めて聴く演奏でしたが、非常のカッチリとした演奏で掘り出し物でした。この1950年代後半のフルニエは非常に充実していたことが伺い知れます。こちらはEMIへの録音でもちろんモノラルですが非常に聴き易い音です。モノラル末期のEMIの録音は今聴くとさすが天下の大レーベルということが伺い知れます。ガリエラはあまり表に出てくる指揮者ではありませんが、フィルハーモニア管弦楽団の初期から携わっていた指揮者で主に伴奏ものばかりやらされていて目だたない指揮者でした。しかし、こうして聴いてみるといい仕事しています。
クーベリックと組んだドヴォルザークはフルニエ42歳の時の録音です。ただし、こちらは録音年代からしていまいちの内容です。力強くはりますが、如何せん録音のせいか線が細く感じられます。クーベリックの音楽も後のウィーンフィルとよりいささか大上段に構えた指揮ぶりが伺えます。まあ、この曲にはステレオ時代になってセルとの名演が残されていますから代表盤はやはりその録音になるでしょう。このボックスセット曲純はランダムですが、やはりこのドヴォルザークが8枚目に収録されているということはそれなりの評価と考えてもいいと思います。下はその第1楽章だけですが、これはSPからの採録でしょうか針生とが目だちます。メンブランの録音はその辺りは手ワ加えてあるのか聴き易い音にはなっています。
それにしても、フルニエ好きにはたまらない内容です。これらの演奏を聴きながら「船に乗れ!」を読むことをお勧めします。ちなみに本3巻よりCDボックスの方がアマゾンなら安いでっせ。