人形劇ファンタジー映画「くるみ割り人形」 | geezenstacの森

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人形劇ファンタジー映画「くるみ割り人形」

曲目/
1.小序曲
2.プロローグ
3.幻想の旅へのお誘い
4.人形の国
5.哀しみ
6.クラカトゥク戦争
7.メルヘンの森
8.お菓子の国
9.エピローグ

ギター/荘村清志
指揮/小泉和裕
演奏/新日本フィルハーモニー交響楽団
歌/ビショップ・グイン、西村晃、シンガーズ・スリー

作曲/羽田健太郎、若月明人

P:富岡厚司、長田暁二

録音/1979 アバコスタジオ

ポリドール MQF 6001

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 78年に「サンリオ」が制作した長編人形劇アニメーション「くるみ割り人形」のサウンドトラックです!チャイコフスキーのスコアと、羽田健太郎と若月明人作・編曲のサウンドトラックで構成されています。歌モノの歌詞は寺山修二が担当していますが、何と海外配給(海外では「Nutcracker Fantasy」のタイトルで公開されています)を意識してか歌手に外人のビショップ・グインを起用しているので何処となくミスマッチです。なにしろお相手が黄門さまでおなじみの西村晃さんなんですから風合いが違いすぎます。でも、「和モノ」ファン的にはコーラスに「シンガーズ・スリー」参加しているところに注目されます。ビックリしたのがプロデューサーのところに長田暁二さんの名前を発見したことです。慌てて経歴を確認したらなるほど、この頃はポリドールの学芸部長をしていました。ということで、このレコードはジャケット買いの一枚です。(^▽^;)

 欧米では、クリスマスにこの「くるみ割り人形」を観るのが伝統なのでこのシーズンはこの曲が頻繁に登場しそうです。日本では大晦日に、ベートーヴェンの「第九」やってますよね。まあ、あれと同じようなものです。ただ、公開の方法がよく無かったのでした。大都市圏は日本ヘラルドが配給していましたが、地方都市は日活が配給したようです。そんなことで、ロマンポルノの上映の翌週からこの作品が上映されるのですから、そりゃあお客さんは戸惑いますわな。声優陣も豪華で、クララの杉田かおるをはじめ、
フランツ 志垣太郎
シュヌルル 山田隆夫
人形の城の皇帝 益田喜頓
森の人形使い 西村晃
オランダ風名士 玉置宏
文学博士 長門裕之
フランス風名士 藤村有弘
ロシア風名士 大橋巨泉
中国風名士 坂上二郎
死刑執行人 愛川欽也
なんて名前があります。大橋巨泉のロシア風名士の登場シーンにはイレブンPMのテーマソングが流れるなんてお遊びもありました。こんなことで話題にはなりましたが、作品としては成功しなかったように思います。YouTube上にはこの映画のトレーラーがアップされています。

   

 また、この映画では唯一実写シーンとしてバレリーナの森下洋子が登場しています。まだ、彼女がそれほど有名になる前の20代の出演でした。こんなシーンです。


で、こちらは清水哲太郎氏とのデュエットシーンです。サントラでは「お菓子の国」のタイトルで収録されている部分です。

   

 このバックの演奏はもちろんこのサントラ音源ですが、チャイコフスキーの原曲はかなりアレンジされています。この曲は若月明人氏の編曲です。でも、
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だけ見ていると子供たちは惹き込まれるでしょうなぁ。今見ても中々の作品です。ただ、音楽だけを取り出すと、ややチープな感じがしないこともありません。最後に主題歌を聴いてみましょう。これだけはシングルカットもされています。作詞、寺山修司、作曲は羽田健太郎です。