晩秋の花3 | geezenstacの森

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晩秋の花3

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 11月も最終日ということで慌てて晩秋の花ということで取り上げます。随分ととりだめしたのですが、すっかりアップするのを忘れていました。最初の花は「山茶花(さざんか)」です。秋の終わりから、冬にかけての寒い時期に、花を咲かせる代表的な花ですね。こちらは名古屋城に咲いていたもので、桜の季節よりもピンクが鮮やかなのでお城が映えます。ただ、個人的には山茶花とツバキの見分けは中々つきません。調べてみても、山茶花もツバキ科ツバキ属の花で、漢字表記の山茶花も中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれています。

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 次はその本来のつばきです。こちらは花の名前がちゃんと表記してありました。大輪の「おとめつばき」だそうで、こちらも名古屋城で咲いていたものです。本来の開花時期は本によると12月から3月ということですが、これは早咲きなんでしょうか。桃色の八重咲きの花を多数つけるのが本種の特徴なんだそうです。品種的にはヤブツバキの園芸品種ということですが、ピンクの八重は気品があって清楚な感じがします。葉も肉厚があり花に負けず光沢があって凛としています。しかし、よく見ると葉先は細かい鋸歯をもち先が短くとがっているのが分かります。

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 名古屋城ついでにもうひとつ、「つわぶき」です。葉の形がふきのそれに似ていてまた光沢があることから「つやぶき」、それが変化して「つわぶき」となったといいます。この花の花言葉は「困難に傷つけられない」ということで、昨日のブログ記事でも取り上げたストーリーを意味しているのだと納得しました。薬効もあるようで、葉を火であぶったものは腫れ物や湿疹に効くそうです。開花時期は、10月中旬から11月末ということでまさに晩秋の花ですね。

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 つる性の見上げるような花は「パンドレア」のようです。ノウゼンカズラ科の花で、時期的にはもう最後の季節ですが、今年は温かい日が続いたのか11月になっても咲いています。葉がナンテンに似るので、ナンテンソケイとも呼ばれています。花は漏斗状鐘型、白~淡桃色で喉部(中心部)は濃桃色、夏から秋に大きな花を次々と咲かせます。写真では赤いパンドレアが映っていますが、これは珍しいのでしょうかね。

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 街角で見かけた「シコンノボタン」です。ブラジルが原産の熱帯性の花木です。雄しべと葯(やく・雄しべの先端部分)がクモの足のようなのでブラジリアン・スパイダー・フラワーの別名がついています。南国原産にしては耐寒性がある花で、一日花ですが、花つきがよく、毎日多くの花を次々と咲かせます。

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 この季節は赤い実を付けた樹木をたくさん目にします。一般には「ナンテン」がポビュラーなのでしょうが、違うものもたくさんあります。上は葉っぱの形から「ナンテン」だと分かります。葉っぱは濃緑色でややかため、表面には光沢があります。葉には防腐作用があることが知られており、おせち料理や赤飯、魚料理などに添えられます。真っ赤な果実が美しく、さほど横に広がらないので場所を取らず、性質が丈夫と言うこともあり、縁起木として玄関先や庭によく植えられる定番の実もの庭木のひとつです。

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 同じ赤い実でもこちらは「センリョウ」です。葉っぱの形が全然違うので区別がつきます。センリョウ科の常緑小低木で冬に赤い果実をつけ美しいので栽培されています。東アジア~インドに広く分布しています。日本では南関東・東海地方~九州・沖縄までの比較的暖かい常緑樹林下に自生しているようです。特に名前がめでたいのでマンリョウ(万両)などとともに正月の縁起物とされる。

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 もう一つ、赤い実を。日本の山野でごく普通に見かける落葉性の樹木です。身近な「雑木」扱いをされているのか、同じガマズミ(ビバーナム)属のオオデマリ(花が大きくて立派)やチョウジカマズミ(花がかわいらしくて香りがよい)などと比較すると庭木として利用されているものを見ることはあまりありません。夏場の白い花と、秋の赤い実はいいコントラストです。

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 晩秋ですがしつこく咲いているのが我が家の「ランタナ」です。夏場前から約半年の間ずっと咲き続けています。燃えるような黄色一色のランタナは「姫ひまわり」を圧倒して存在感がありました。地下茎でどんどん成長し、夏場に一度刈り込みをしましたが、しぶとく生存範囲を広げています。でも、もうそろそろ見納めでしょうかね。

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 今日の最後は「やつで」です。この花が開花するのはもう少し後になってからなんでしょうか。白い可憐な花が咲くようです。本来はもう開花していても良さそうな時期なのですが、写真を撮った11月中旬までは暖かな日が続いたのでまだ開花していませんでした。グローブ状の葉っぱに特色があることから別名 「天狗の羽団扇」(てんぐのはうちわ)ともいわれます。でかい葉っぱに、魔物を追い払う力があると考えられてこの別名がついたようですね。たしかにそんな気がします。