60スーパーヒット | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

60スーパーヒット
an audiotape recording
  
イメージ 1

 

 以前にビートルズの「ビートルズαω」というアルバムのことを書いたことがありますが、このレコードもその会社が発売していたものです。要は海賊盤です。レコード4枚がボックスに入っています。この箱にはvolume1と書いてありますが、ついぞvolume2は見たことがありません。ちなみに、当時このメーカーに他のアルバムもあったら教えてくれとメールを出しましたが無しのつぶてでした。

 

 アメリカでこういうオムニバスものが発売されるとは驚異でした。何しろ顔ぶれを見れば、ほとんどのレーベルをカバーしている内容ですからね。まともには発売出来る代物ではありません。海賊盤たる所以は、解説などいっさいありません。曲目リストはこのボックスの表紙に印刷してあるこれだけです。ボックス裏は一面黒、味も素っ気もありません。それでも、これだけのアーティストのヒット曲を一同に聴けるアルバムは国内盤はもちろん、外国のメジャーレーベルにもありませんから飛びついたものです。

 

 曲目リストのトップはポール・モーリアの「恋は水色」、最後はBS&Tの「スピニング・ホイール」まで実にバラエティに富んでいます。ジャンルも偏っていません。フォークから、カントリー、ソウル、ロック、イージー・リスニングまで幅広く収録されています。ポール・モーリアの「恋は水色」がトップなんて信じられませんが、この曲がアメリカでもヒットしたことが伺えます。

 

イメージ 2

写真は4枚目のA面

 

 その「Oh Girl」は1972年のヒット曲です。アメリカでも5月27日漬けのビルボード誌で1週だけトップになりました。そんなことからその前後に選曲されたアルバムだろうということが推察されます。それでは敬意を払ってその冒頭を飾る曲を聴いてみましょう。しっとりとしたバラード風のダンスナンバーです。

 

 

 多数のアーティストの作品が収録されていますが、複数曲取り上げられているアーティストもいます。といっても、2曲が限度のようでそれ以上はチョイスされていません。選曲した人のセンスが伺われます。2曲取り上げられているアーティストは、
ビートルズ---ヘイ・ジュード、レディ・マドンナ
サイモンとガーファンクル---セシリア、明日に架ける橋
ソニー&シェール---“All I Ever Need is You” 、“A Cowboy’s Work is Never Done”
ドン・マクリーン---アメリカン・パイ、ヴィンセント
キャット・スティーブンス---ピース・トレイン、雨に濡れた朝
カーペンターズ---クロース・トゥ・ユー、愛のプレリュード
スタイリスティックス---“You Are Everything”、 “Betcha By Golly Wow”
ブラット・スェット&ティアーズ---“Spinning Wheel”、 “When I Die”
アソシエイションズ--- “Cherish”、 “Windy”
ポール・アンカ---“Puppy Love”、 “Diana”

 

 と10組を数えます。当時のヒット曲の傾向が伺えます。まあ、いずれ劣らぬ名曲ですね。この中からキャット・スティーブンスの「雨に濡れた朝」を聴いてみましょうか。彼の弾くギターとピアノだけのシンプルなアレンジで、途中からコーラスが入り、2フレからはオルガンも加わりますが至ってこの素朴な響きが心に染み入ります。

 

 

 個人的には、このレコードでスティームの「 Nana Hey Hey Kiss Him Goodbye」とようやく出会うことが出来ました。この曲は一発屋の所産ですから知る人はあまり多く無いかもしれません。カラオケに行ってもこの曲は多分含まれていないでしょう。そんなマイナーな曲ですが、ビルボート年間ヒッチャート1969年の22位にランクインしています。2001に公開された「タイタンズを忘れない」という映画の中で挿入歌として使われていましたが、映画自体もれほどヒットしなかったので知られてないでしょうなぁ。こんな曲です。

 

 

 丁度この頃、マイケル・ジャクソンはジャクソン5から独立して活躍を始めました。そんなことで、ここにはジャクソン5とマイケルの曲が1曲ずつ収録されています。といっても、実際にはRockin robinはジャクソン5の中でマイケルは歌っているんですけどね。

 


 この中にはロバータ・フラックという懐かしい名前もあります。収録されているのは「愛は面影の中に」なんですけれと、ここはやはり最大のヒット曲の「優しく歌って」を入れてほしかったところです。こちらは1973年のヒット曲でしたから、多分このボックスセット作成時にはまだ登場していなかったことが分かろうというものです。ママス&パパスの「マンデイ・マンデイ」が収録されているのに「夢のカルフォルニア」が無いのは前者は1位を獲得したのに後者は4位までしか上がらなかったのが原因なのかもしれません。ここら辺が日本のヒットチャートとアメリカのヒットチャートの違うところでしょう。

 

 

 

 最後は、ボックスセットの最後を飾るブラッド・スウェット6ティアーズの「スピニング・ホイール」です。この「スーという名の少年」です。元々がライブ・バージョンとしてリリースされていましたから、ここではライブ映像バージョンで聴いてみましょう。

 

 

 こういうコンピュレーションはCDでも中々手に入りませんから、海賊盤といえども今でも手放せません。海賊盤というと音がモノラルだったり、ひどいものが多いのですが、これはちゃんとしたステレオ収録で、音もオリジナルと遜色ないレベルです。このメーカーがこういうアルバムを続々出したので、ビートルズが慌てて、赤盤、青盤のコンピュレーションアルバムを発売したという経緯があります。