名古屋市に住んでいても、繁華街は名古屋駅と栄、しいてあげても金山止まりですからなかなか天白区とか緑区とかは足を伸ばす機会がありません。今回の駅ちかウォークは、レギュラープログラムではなく、この3月27日に新たに開通した名古屋市営地下鉄桜通線野並―徳重間を歩こうという特別なものでした。この日まで桜通線といえば、環状線になっている名城線との接続駅の新瑞橋までしか利用した事が無く、その先は未知の世界でした。そんなことで、今回のルートは楽しみにしていたものです。ただ、仕事の関係で行けるかどうか最後まで決まらなかったのですが、なんとか夜勤明けの休みになったので睡眠を削っての参加となりました。コースは下記のルートでした。
【スタート受付】野並駅 野並駅~古鳴海八幡社~新海池公園~滝の水公園~螺貝公園~戸笠公園~鳴海配水場(特別公開)~ユメリア徳重~徳重駅(約7.8km 約140分)

そんなことで、先日「ゴールデンウィーク特割りドニチエコきっぷ」の話しを取り上げていましたが、結局この切符は買わずじまいでした。それでも、我が家からこの徳重に行こうとすれば市バスと地下鉄を乗り継いで片道520円ですから、乗り放題600円の土日エコ切符のお買い得感が分かろうというものです。回を追うごとに盛況の駅ちかウォーク、累計利用者が10万名を達成という横断幕が掛かっていました。この日も凄い人出で、丁度開始の9時半に野並駅に到着しましたが、地下鉄利用者のほとんどがこの駅で下車するというぐらいの人気ぶりでした。野並駅を地上に出ると歩道は狭く、参加者が鈴なりになって行進します。


最初の訪問地は桂林寺というお寺です。東海49薬師霊場第33番札所で、薬師如来像を本尊としていて、かつては薬師堂といっていました。創建は不明です。1945(S20)年の空襲で全焼してしまい、現在の本堂は1967(S42)年に再建されたものです。本堂のまわりには「南無薬師瑠璃光如来」と書いた白い幟を多く立てています。そして、ルート沿いに少し登ると古鳴海八幡社が右手に見えて来ます。古鳴海八幡社も創建は不明ですが、明治時代以前はここに神明社がありました。明治の神社合祀令によって1909(M42)年、ここから200メートルほど北西、現在の県営古鳴海住宅地にあった八幡社と神明社が合祀され、以来ここは古鳴海八幡社となったため、天照大御神と応神天皇ふたつの神さまを祀っています。



先を進むと、ゴールデンウィークとあって途中のハウジングセンターでは子供用のイベントで小動物を集めたミニ動物園が開催されていて、うさぎやカルガモ、驢馬などが子供らと戯れていました。新海池公園はその名の通り池があります。池の幅は200メートルほどある大きなもので、水鳥の姿もあります。新海池は緑区内で最も大きな池です。昔からあったわけではなく、江戸時代前期に新海五平治が藩の許可をとり農業用水のため池として造った池で、現在は雨水の調整池になっています。野球場や公園は池の一部を埋め立てて作られた物です。写真の奥に照明灯が見えますがその左手が野球場になっています。今回のコースでは表示されていませんが、この池の周りには大塚古墳と赤塚古墳跡があります。もともとこの地は古墳が密集していたようですが宅地開発でほとんどが姿を消しています。これらの古墳も住宅地の間にひっそりと残っている程度です。


今回のコースはかなりアップダウンがあって距離も長いのですがそれ以上にヘビーです。そんな中でのスポットが滝の水公園です。住宅街の中にありながら、名古屋市内を広く一望できるため初日の出スポット・夜景スポットとしても有名な公園です。ただ、この見晴らしを得るためには住宅街の高い位置にある公園なので、芝生広場に到達するまでに何段もの階段を上らねばならず、なかなか体力が要ります。しかし、この公園の誕生には悲しい物語があるようです。今でも公園にははゴミのガス抜き管が出ています。写真でご確認ください。


この公園まで来ると、ルートはまた北上して相生山駅へ戻るコースになります。途中には螺貝公園があります。ここもため池の公園です。この螺貝という地名、ほら貝とも書きます。しかし地元では住宅供給会社が名付けた「みどり丘住宅」という名の方が通っています。ここは既に「ほら貝」で区画整理も終わっているために改称されることは無いでしょう。しかし、信号機やバス停にも地名ではないはずの「みどりヶ丘」という名が付けられています。ちなみに東海通の北側はまだ地名が古く「緑区鳴海町字螺貝」、南側は「緑区ほら貝」となっています。小生の友人がこのほら貝に住んでいますから昔からよく知っていました。読みにくいことから平仮名にしたのでしょうけど、漢字の方がまだカッコイイ気がします。で、この公園では藤が見事に咲いていました。公園の池の周りは一周540mの健康散策路が整備されています。さて、相生山の駅まで来るとミスタードーナツの鳴子店に立ち寄りました。この日はセール期間中でドーナツが1個100円なんですが、なんと、このウォーキングのコースマップを持参するとドーナツ・ドリンク類が20%引きになる特典がついていたのです。そんなことで、ここで小休止です。妻と二人でドーナツとドリンクをたのみました。もちろんドーナツは1個80円なんですね。何か得した気分です。



ちょいと腹ごしらえした後は、この日特別開放されていた「鳴海配水塔」の見学です。これは緑区と天白区に安定給水をするために1983(S58)年3月に完成したものです。夜はライトアップされ目立ちます。展望台も設置されていて、今回はここに登ります。実は毎年年2回(春分の日とまるはちの日)一般開放しているのですが、3月11日の東北地方太平洋沖地震のために春分の日の公開はちゅうしになっていましたので、今回はこのイベントのために特別に開放された事になります。ただし、事前にアナウンスされていた名古屋の水のボトル缶の配布は中止されていました。まあ、その代わりといっては何ですが、見学後は花の種をプレゼントしていただきました。丁度ここを見学中、小雨がぱらついて来たので心配になりましたが、すぐに収まったのでほっとしました。






そろそろ終着の徳重駅です。駅の周辺は最近開発が進み新しく、商業施設も出来たので見違える様な状況です。ユメリア徳重は市の行政機関の出先も揃っていて、緑区役所徳重支所の他、徳重地区会館、緑保健所徳重分室、徳重図書館が併設されています。直ぐ南にはヒルズウォーク徳重ガーデンズというユニー系のスーパーのピアゴを中心とした商業施設もあり、ショッピングセンターになっています。ただし、道を挟んだ反対側にはここにも要池というため池があり、公園が整備されているので近代化一辺倒ではなく潤いのある街作りがされています。

さて、新しく完成した地下鉄徳重駅を初め4駅には、新幹線ではおなじみの可動式ホーム柵を設置されてより安全面での配慮がなされています。また、地下のコンコースに至る通路の壁面には名古屋市の地下鉄の歴史をパネル展示していました。