青の時代 |
曲目
1.ポーレ組曲<Full Size Ver.> 5:14
2.Le Temps Bleu Ⅰ 4:12
3.See Red Ⅰ 2:10
4.ポールシュカ・ポーレ<Mamdolin Ver.> 1:21
5.Green Moment Ⅰ 2:01
6.Le Temps Bleu Ⅱ 2:03
7.White Lips Ⅰ 3:02
8.ポールシュカ・ポーレ<Pan Flute Ver.> 2:24
9.See Red Ⅱ 1:54
10.Green Moment Ⅱ 1:40
11.White Lips Ⅱ 1:41
12.Le Temps Bleu Ⅱ 3:01
13.White Lips Ⅲ 1:37
14.See Red Ⅲ 1:33
15.ポーレ組曲#2,ポールシュカ・ポーレ<Inst.> ・Le Temps Bleu IV・ 2:45
16.青の時代<Inst. Ver.> 2:58
17.Le Temps Bleu Ⅴ 3:28
18.ポーリュシカ・ポーレ<Orchestra Ver.> 3:11
指揮/蓜島公二
演奏/篠崎正嗣ストリングス
歌/ORIGA 1
演奏/篠崎正嗣ストリングス
歌/ORIGA 1
EMIミュージック・ジャパン TOCT-10355

サントラという言葉が目につくと、見境無く買ってしまうのがレコード時代からの習性です。このCDもそういう勢いの中で買ってしまいました。手に入れてから知ったのですが、1998年にTBSで放送されたドラマのサウンド・トラック盤だそうです。ドラマの主人公が誰ということは全く興味がありませんでした。作曲が千住明というのもポイントですし、ポーリュシカ・ポーレという曲も決め手でした。小生の時代では、「ポーリュシカ・ポーレ」は1971年に仲 雅美が歌った歌として記憶があります。こういう歌でした。
でも、このサントラて使われている「ポーリュシカ・ポーレ」はちょいとイメージが違います。この演奏だけはEMIの「イマージュ」の第1集に収録されていましたのでよく聴いていました。この演奏です。
その「ポーレュシカ・ポーレ」はこのドラマの全編を通してのイメージ・ソングとしていろいろなバリエーションで登場します。オープニングはもちろんORIGAのヴォーカルバージョンですが、その他にパンフルート、マンドリン、そして、インストルメンタル・バージョンなどが存在します。その他の曲も、メイン・テーマの変奏曲のような感じで書かれています。中々完成度の高いアルバムです。まあ、ドラマとしてはエンディング・テーマとして使われたKinKi Kidsの歌う「青の時代」がヒットした方が良かったのでしょうが、明らかに「ポーリュしカ・ポーレ」に喰われていました。小生としてはヒットしても、サントラアルバムにはどうせレコードメーカーの絡みで収録されないに決まっているのでどうでも良い曲です。ただ、千住明氏はインストバージョンとして、ちゃんとこのアルバムの中には収録しています。これで充分です。
このアルバムの解説で、千住氏は「いったいどれだけの人が『ホーリュシカ・ポーレ』という曲を知っているのだろうか」という問いかけをしています。実際先の沖雅也が歌ってから25年以上の歳月が流れているのですから。もともと以前は『愛しき草原』、『わが草原』、『小さな草原』なんてタイトルで流布していましたし、小生はスタンリー・ブラックの演奏する「メドゥ・ランド」というタイトルで一番最初に知りました。この演奏は合唱を伴うシンフォニックな演奏でスペクタクルな演奏で嵌まってしまいました。もともとが、レフ・クニッペルの交響曲第4番『コムソモール戦士の詩』が原曲ですからその演奏がオリジナルに近かったのですが、一般には赤軍合唱団の歌で広く知られていました。それを沖雅也が恋の歌としてヒットさせてしまってイメージが少し変わってしまっていたのです。
広き草原よ 緑の草原よ
駆けて行く英雄が 赤き英雄が
駆けて行く英雄が 赤き英雄が
我らは見守る コルホーズで
労働に励む 娘たちを
労働に励む 娘たちを
娘たちよ 見守れその路を
果てしないその路を 草原の路を
果てしないその路を 草原の路を
娘たちよ 我らは明日征く
馬は速く駆ける 全てを託して
馬は速く駆ける 全てを託して
娘たちよ 涙を拭い去れ
強く轟け歌よ 天高く轟け!
強く轟け歌よ 天高く轟け!
広き草原よ 緑の草原よ
駆けて行く英雄が 昔の英雄が・・・
駆けて行く英雄が 昔の英雄が・・・
作曲 クニッペル
作詞 グーセフ
訳 ウラジーミル
作詞 グーセフ
訳 ウラジーミル
こういう内容の歌ですから、軍歌なんですわな。それが、またドラマに使われてイメージが変わったということでしょう。ここでは、青春讃歌的なイメージでこの曲がとらえられています。それは、様々なバリエーションの編曲で、青春の純粋さ、哀しさ、楽しさ、切なさというものを表現しています。全体を一つの組曲としてこのアルバムを聴くと、中々統一感のあるものだということが分かります。ピアノの和音の鍵打音と弦楽のユニゾンだけで表現される「White Lips」なんかはシュールでまさにサントラの音楽というイメージです。
基本的な演奏は蓜島公二指揮の篠崎正嗣ストリングスが音楽の基本を作ってサウンドトラックを作り上げてています。作曲者の千住氏もプログラミングとピアノの演奏でORIGAの演奏にも参加しています。テレビドラマのサントラというとなんか一段低いステージで見られがちですが、安易な既存の音楽を寄せ集めて作っているアルバムよりは遥かにレベルの高い作品に仕上がっています。当然、この手のアルバムは既に廃盤になっていますが、中古点で見つけたら一度聴いてもることをおすすめします。
さて、最後に大もとの赤軍合唱団の力強いポーリュシカ・ポーレを聴いてみましょうか。