2010年名フィルのニューイヤー・コンサート | geezenstacの森

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2010年名フィルのニューイヤー・コンサート

曲目
ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ワルツメドレー〜春の声、ウィーンの森の物語、金と銀、メリーウィドウ、ファウストのワルツ、こうもり序曲、皇帝円舞曲
ロッシーニ:歌劇『セビリアの理髪師』から「空はほほえみ」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調K.488から第1楽章
ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ
ヒゼー:カルメン「前奏曲」
ポエルマン:聖母への祈り
レハール:喜歌劇『ほほえみの国』から「きみはわが心のすべて」ほか
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調op.54
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調op.78から第2楽章第2部
【オルガン】吉田文
【ピアノ】伊藤恵
【テノール】錦織健
【管弦楽】名古屋フィルハーモニー交響楽団
【指揮】松尾葉子
【司会】桂米團治、橋本奈穂子アナウンサー

~2010/01/03 愛知県芸術劇場コンサートホールで録画~

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 ニューイヤーコンサート第2弾は、公演当日の夜に早くもオンエアされた東海地方では新年の風物詩となりつつある「NHKナゴヤ ニューイヤーコンサート」を取り上げます。3日の午後4時から開催されたコンサートをその日の夜10時にオンエアというホットな番組でありました。もちろん編集されていますからライブよりも内容の濃いコンサートであることは間違いないですね。指揮はニュー・イヤー恒例の松尾葉子氏です。このコンサート、今年は是非とも公演を観に行きたかったのですが、既にチケットは売り切れでした。残念。そんなこともあり、今年もテレビで鑑賞ということになってしまいました。ただ、テレビでは時間の関係でコンサート全部は放送してくれないのが残念なところです。それと、地域だけの放送で全国放送されないところが残念なところです。

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 今回の目玉はテノールの錦織健でしょう。歌劇『セビリアの理髪師』から「空はほほえみ」を歌うのですが、この曲、テノールのアルマヴィーヴァ伯爵がギターを抱えて歌うのです。通常は別の楽士がギターを別で演奏するのですが、このコンサートでは何とテノールの錦織健が自身でギターも弾きながら歌うというパフォーマンスを演じてくれました。そして、今回司会を担当した桂米團治がピアノを弾くという余興もありました。弾くのはジョークですからトイピアノです。といっても、ちゃんとモーツァルトのピアノソナタ第11番の第1楽章の一くさりを両手で和音を伴って弾いていたのです。いゃあ、これにはびっくり。桂米團治氏はクラシック通とは聞いていましたがこれはかなりのものです。お見それしました。

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 次に演奏されたのは伊藤恵のピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲第23番から第1楽章です。彼女は名古屋の出身ですから、何か里帰り演奏会の様な気がします。演奏はこじんまりとしたモストリー・モーツァルトといったイメージでしたが、その中にもキラキラ光るものがあり活き活きとした佳演でした。次に放送されたのは錦織健と伊藤恵のジョイントコンサートで、それもアレンジが日本風のメロディで始まるという洒落たものでした。名付けて「オー・ソレ・ミオ-名古屋どえりゃあバージョン」ということでした。素晴らしい錦織のテノールの熱唱に会場は大きな拍手です。さすが、どえりゃあバージョンです。

 続いては、錦織健、司会の桂米團治、橋本奈穂子アナウンサーの今年に寄せるリクエスト曲の演奏です。バラエティに富んだ選曲でオーケストラ曲、オルガン曲、そして最後は声楽曲が演奏されます。レハールの喜歌劇『ほほえみの国』から「きみはわが心のすべて」はオーケストラにオルガンが加わるという豪華バージョンでこういうコンサートでないと聴けない演奏でしょうね。ああ、是非とも生で聴きたかったですねぇ。今年に寄せるリクエスト、伊藤恵のピアノでシューマンのピアノ協奏曲がら第1楽章です。昨年は、ヘンデルだ、ハイドンだ、メンデルスゾーンだと浮かれていて今年のことはすっかり忘れていましたが、なんと、今年はシューマンの生誕200年の年なんですねぇ。そういうことで、シューマンが取り上げられました。伊藤恵はシューマンをライフワークにしているようで、彼女のホームページを覗いたら今年のリサイタルは、やはりシューマンをメインに取り上げていました。情感のこもった演奏でここは第1楽章だけでなく全曲を聴きたいところでした。今年は全国のオーケストラとこの曲を演奏する機会があるようで、その中に名フィルとのものも含まれているので期待が持てます。

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 そして、今年に寄せるリクエスト最後は指揮者の松尾葉子です。彼女は卒業試験とか、凱旋公演などの指揮生活の節目々々にサンサーンスの交響曲第3番を演奏してきたということで、ここで、そのサンサーンスが取り上げられました。オルガニストの吉田文は聖母への祈り」では白のスーツでしたが、ここでは黒のスーツで登場です。正月ですから衣装の変化も見物です。さすが思い入れの曲で音松尾の指揮はインテンポでぐいぐいとオーケストラをドライブしていく演奏です。小生の好みのテンポでオルガンも充分に鳴らしてくれます。ホルンも安定した音で、今の名フィルは管楽器も安心して聴いていられます。映像で見る名フィルはコントラバスは6本の標準型の14型の編成です。それでもこの迫力ですからさすがプロのオーケストラですね。いゃあ実に気持ちのいい演奏で、サンサーンスの音楽を最後に満喫という感じです。かえすがえすも、チケットがとれなくて残念なコンサートでした。

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 このコンサートの模様、1月9日にもNHK総合で午後4時半から再放送されます。見逃した人はぜひご覧下さい。ただ、これも中部7県だけの放送のようです。