
今回は黒木君が登場します。そして、のだめと千秋の橋の上での決闘までが今回のストーリーです。原作コミックでは第12巻から13巻にわたって展開されるエピソードです。で、いきなり黒木君をターニャが「セグロウ」と言い放ちます。つまりは「くらいやつ」という訳なんですね。


そんなフランスへ来てもなかなか自分の居所を見つけられない黒木君なんですが、コンセルヴァトワールの中でのだめを発見します。彼女は年下のリュカくんと一緒にはしゃいでいます。元気なのだめに勇気を出して声をかけ、千秋とも再会します。


原作の中から再会のエキスの部分だけを中心に前半は展開します。それにしても、今回ののだめの部屋はこたつの侵入でまたいつもの散らかった部屋でなにかほっとします。ここで黒木君に初めてピアノを披露します。バッハの平均律クラヴィーア曲集からBWV.883ですね。今回はクリスマスが背景にあるということで使われている曲はすべてバッハの曲です。




カンタータ第219番「さやかに星はきらめき」
カンタータ第106番「荒野の果てに」
カンタータ第106番「荒野の果てに」
教会のシーンとともに流れるこれらの曲はやはり風情があります。日本のクリスマスはクリスマスに名を借りたどんちゃん騒ぎのパーティ化していますからこういうのが本当のクリスマスなんでしょう。ケーキを食べている場合ではないのですよ。


原作ではこのリュカのおじいちゃんがかなり重要な設定になっていてノエルの教会での劇に先立つてのだめにバッハについての講釈をたれ、のだめのバッハの勉強をする本を書いた本人ということになっているのですが、アニメではそういう部分はカットされてしまっています。


いっぽう千秋のエピソードでは屋根裏に住んでいる画家が登場します。千秋の子供の頃から知っているようですが千秋の方は忘れているようです。このエピソード、今回のストーリーに必要な部分だったのでしようかね。それよりも先のバッハのエピソードを取り上げた方が今回のストーリーにはふさわしかった様な気がしますが・・・
ですから、最後に黒木君がのだめがロバの扮装で自己主張をする姿を見て自分もがんばろうといういう下りが生きてくると思うのですが。
ですから、最後に黒木君がのだめがロバの扮装で自己主張をする姿を見て自分もがんばろうといういう下りが生きてくると思うのですが。


そして、ストーリーの後半はのだめと千秋のすれ違いの生活の決着となる橋の上での決闘です。このシーンはドラマも迫力がありましたがアニメはもっと大胆な演出が出来るので迫力満点です。のだめの空中回し蹴り、千秋のマフラーを使っての払い腰、そして、のだめの必殺空中馬乗り。明らかに千秋は劣勢です。

最後は仲直りして、千秋はのだめのピアノに聞き入ります。原作はここでまた一悶着あるのですが、アニメは素直にのだめが千秋の前でバッハを弾きます。ちょっとストレートすぎてコミカルさが抜けてしまっているのが残念です。