
新潟県小出と福島県会津若松を結ぶ只見線に沿って、三人の男が死んだ。鶴ヶ城の濠から発見された死体は、地元署では事故死と見なしたが、警視庁捜査一課の十津川警部は疑問を抱いた。二日間で三人の死、そんな偶然はありえない。同じ犯人による連続殺人事件ではないのか!?三人の共通点は東京の人間という以外に、何かある。十津川は動いた。----データベース−−−
1985年の小説です。最近新装版で復刻しました。ストーリーはよく考えられたもので事件の根底に上流社会のイギリスのそれを真似た社交クラブが存在すると言う設定は納得のいくものです。ただ、とっかかりの殺人事件は本来は、全く関係のない行きずりの事件のようなもので、これは付け足しのようでちょっと納得がいきません。
事件は新潟、福島と東京を結ぶ三カ所で発生します。新潟県警はともかく福島県警が単に事故死として処理するくだりは納得出来ません。中央省庁から照会があってもけんもほろろの態度ということは実際にあるべきことなのでしょうか。ましてや、東京の殺人事件とは関連性がありそうなもので、それでもかたくなに事故死とする態度は理解し難いものです。そして、新潟県警も最初は動くのですが、中盤以降は何の動きも見せません。もっぱら十津川警部と亀井刑事の二人が動き回るだけです。ただ、珍しいのは名前だけですが桜井刑事という人物が登場します。不思議なことに三田村、北条の二人の刑事は登場しません。ま、登場するといってもほとんど活躍しませんからあまり意味はないのですがね。
この事件ではなぜか10円のラムネ菓子が重要なポイントになっています。殺された大の大人が奇しくもこのラムネ菓子を所持していたからなのです。本来ならこういう物的証拠は地元県警の刑事が中心になって調べるべきものなのでしょうが、そういうことはしていません。もっぱら十津川警部と亀さんが現地に赴いて証拠のラムネ菓子についての謎を突き止めていきます。合同捜査はどうなっているのでしょうね。
早々に容疑者の面子が割れています。それにも関わらずこれらの人物についての尾行捜査などはなされません。ましてや、なされてもいい加減な捜査です。十津川警部と亀さん以外はほとんど活動していないことになります。何度も奥只見線に乗車しての捜査ですが、ややくどい感じもします。この時代ですから、携帯でのやり取りはありませんが、それにしても、東京での捜査の状況がほとんど十津川警部に伝わりません。こんなことで東京と会津若松を往ったり来たりです。
犯人の目星はついているのですが、なかなか探し切ることが出来ません。とうとう犯人は自殺してしまいます。5人の人間を殺した事件ですが最後はあっけない幕切れです。と、思いきや最後にどんでん返しが待っています。ストーリーの展開からこの結末はある程度予想されたものですがそれでも、思わずにやりとさせられる結末です。
早々に容疑者の面子が割れています。それにも関わらずこれらの人物についての尾行捜査などはなされません。ましてや、なされてもいい加減な捜査です。十津川警部と亀さん以外はほとんど活動していないことになります。何度も奥只見線に乗車しての捜査ですが、ややくどい感じもします。この時代ですから、携帯でのやり取りはありませんが、それにしても、東京での捜査の状況がほとんど十津川警部に伝わりません。こんなことで東京と会津若松を往ったり来たりです。
犯人の目星はついているのですが、なかなか探し切ることが出来ません。とうとう犯人は自殺してしまいます。5人の人間を殺した事件ですが最後はあっけない幕切れです。と、思いきや最後にどんでん返しが待っています。ストーリーの展開からこの結末はある程度予想されたものですがそれでも、思わずにやりとさせられる結末です。
女子禁制の男だけの高級会員制クラブを舞台にした事件で、ホモとは違う男同士の嫉妬から生まれた事件ということでは異色ではあります。ただ、東京でも殺人事件が起き、事件の根を東京に残しながらそちらの方の捜査がいい加減です。そして、登場する刑事は多いのですがいずれもほとんど活躍しないのでそういう意味では消化不良の部分があります。
あまりにも登場人物が多いせいか、他の刑事の登場が少ないせいなのか珍しくドラマ化はされてないようです。