オール・チャイコフスキー・プログラムを聴くのは昨年12月2日のゴルトベルク・フィルハーモニカーのコンサートを聴いて以来のことである。



そのときは、スラブ行進曲、ピアノ協奏曲第1番、交響曲第4番というプログラムで、これ以上美味しい曲目はなかなかない素晴らしい演目であった。


僕は交響曲第4番についてまだblogには書いていなかった。この曲は第4楽章が特に楽しくロックしているとの『Amazon評』もあるくらいである。それに較べたら、交響曲第3番は、〈唯一の長調の交響曲〉とはいえ普段聴くことの少ない地味な曲だ。


僕が読んでいる『ハルくんの音楽日記』には、「交響曲第3番・ポーランド名盤」の書き込みはなく、以下のようなコメントがある。


『チャイコフスキーの初期の交響曲では、第1番も第2番もロシアの雰囲気で一杯です。ところが第3番は何故かタイトルが「ポーランド」。いきなり隣国に侵攻?してしまいます。個人的にはこの第3番はそれほど好んでいません。いっそのことタイトルを「シベリア」とか「ヴォルガ川」とかにして、ずっとロシア風に作曲した方が良かったのではないでしょうか。
 
それはともかく、充実度で言えば何と言っても第4番以降の後期三大交響曲が断然優れています。中でも最高傑な作で、僕自身も一番好きなのはやはり第6番「悲愴」です。残る第4番と第5番は、中々の良い勝負ですが、この第4番の土臭さ、激しさ、豪快さは大変に魅力的です。特に第1楽章と第4楽章の緊迫感と迫力は尋常ではありません。第2楽章の典型的なロシア民謡風の哀愁漂うメロディもチャイコフスキー・ファンをしびれさせますね。これはやはり傑作です。
 
この曲は曲想から特にロシア人指揮者がロシアのオケを指揮した本場物の演奏で聴きたいところです。そんな僕の愛聴盤をご紹介させて頂きます。』

以下、エフゲニー・ムラヴィンスキーのグラモフォン盤を始めとする交響曲第4番の名盤〈迷盤・ロシア盤〉が紹介される。

一方で、『ハルくんの音楽日記』へのコメントの中で、交響曲第5番と第3番に言及した以下のようなものも、〈やっとのことで〉見つけた。

『小林研一郎と日本フィルとの第5番をゲットしました。実はチェコフィルとの第5の演奏がなかなかいいと思っていたのですが、この日本フィルとの演奏はとてつもない演奏でした。指揮者とオケが真剣勝負している様がよくわかる。実はこの演奏会はこの演奏の前に第3番ポーランドが演奏されたとありました。私はこれを聴いてみたいのです。小林はなんでもポーランドを得意にしているようで、びっくりしたことに日本フィルの他、チェコフィル、アーネムフィル、ロンドンフィルとの録音があるじゃないですか。私はチェコフィルとの演奏を聴いていますが。アーネムフィルとのものが聴きたくなりました。でも今のところポーランドは私にはヴィットとポーランド国立交響楽団の演奏が一番しっくりくる、本当にいい曲だと思える演奏なんだよなあ。話がポーランドになってしまったが小林とチェコフィルの全集が出たら買おうかなあ?
 
2015/02/14 22:28:42
まつやす』

『まつやすさん、コメントありがとうございます。

コバケンのチャイ5はその昔、確か読響との実演を聴いた記憶が有ります。その時はそれほどとは思いませんでしたが、この人が燃えた時は凄いです。

「ポーランド」はバレエ的に過ぎて余り聴きませんが(むしろバレエ曲の方を聴いてしまう為に)コバケンにはそんなに沢山の録音が有りましたか。
ヴィットとポーランド国立交響楽団!ある意味「本場もの」ですね。面白そうです。
2015/02/15 18:11:02
 ハルくん』

僕も、コバケン〈小林研一郎〉さんとチェコ・フィルとの『交響曲第5番』と『交響曲第3番・ポーランド』を所有しているが、第3番ポーランドはあまり聴かない。今回、宮地楽器ホールに〈例によって〉持って行ったCDも、ワレリー・ゲルギエフとロンドン交響楽団〈LSO〉の第1番『冬の日の幻想』・第2番『小ロシア』・第3番『ポーランド』の組み合わせのものだった。

前の日に『ポーランド』を聴いたのは、実はコンサートの予習であったのである。以上、またしても蛇足。

凡そ、40分の入場時間が終わり〈プログラム・〉パンフレット通り、クラリネット八重奏による『白鳥の湖』が始まった。ひと口に八重奏と言っても、キー〈Key〉は様々なクラリネットがあり、今回はE♭管、B♭管、アルト、バス、コントラバスの5種類のクラリネットが使われた。正門〈まさかど〉研一さんの編曲であったが、『白鳥の湖』の世界が表現されていたかどうかは疑問であった。チャイコフスキーはオーケストレーションの名手で、オリジナルの演奏は哀愁があり、可憐さも絢爛豪華さもある。それを音程の違うクラリネット8台で演奏するのは若干無理があるように聴こえた。

オーケストラのメンバーとコンダクターの揃った2曲目は、
『デンマーク国歌による祝典序曲  op.15』






このロシア皇太子とデンマーク皇女の祝典の席でチャイコフスキーは、
『ロシア帝国歌を短調の旋律で使おうとしてボツになった。』
経歴を持つ。でも、ご褒美の金のカフスボタンは貰ったらしい。

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以上、パンフレットより。

〈ひと休みして・続く〉