18時になり、オーケストラのメンバーに続きコンサート・ミストレスが舞台下手から登場すると拍手が自然発生した。





指揮者〈コンダクター〉の金山隆夫さんがやはり下手から現れると、盛大な拍手が起こった。最初は『スラヴ行進曲』であるが今日は観客〈オーディエンス〉が少ない。


冒頭は、セルビア民謡〈太陽☀は明るく輝かず〉から、ヘ短調のメロディに載せてオスマン・トルコ帝国に攻め入られるセルビア民族の戦いの模様が描写される。この民謡の主題を使った曲には、リムスキー=コルサコフの〈セルビア幻想曲〉やセザール・キュイの〈オリエンタル〉等があるそうだ。悲しい戦いのテーマが次第に力強くなっていく。かつて中学校の音楽教諭のKT先生が、

『長調で悲しい曲。短調で力強い曲は名曲である。』

と仰っていたが、この曲も例に漏れない。さらにセルビア民謡の〈懐かしいセルビアの戸口〉、ついでセルビア愛国歌〈彼は敵の銃を恐れない〉が現れる。この愛国歌はヨハン・シュトラウスⅡ世の〈セルビア=カドリーユ〉にも用いられた〈そうだ〉。


続いてはロシア帝国国歌〈神よ皇帝を護り給え〉が流れる。お正月の人気番組『芸能人格付けチェック』にも使われるれる親しみ易いメロディである。〜〈中略〉〜「それぞれの主題は収斂され、コーダでは最終的に統合されて終わりを迎える」。






2曲目は、ピアノ🎹協奏曲の女王、第1番変ロ短調。







コメントを頂いたので、youtubeを改めて載せる。このピアノ協奏曲を聴いているだけでも、数十年は過ごせる。


ご高齢だけに心配していたが、ロシアの大指揮者でサンクトペテルブルク・フィルハーモニー常任?のユーリ・テミルカーノフさんが先月84歳で亡くなった。日本人ヴァイオリニストの庄司紗矢香さんを可愛がり、実演を聴いたひとには、

『最高のチャイコフスキーだ。』

と言わしめる。なかなか現れないひとでした。