G-Club Tokyoの藤川です。
スモールヘッドに、金文字&黒縁の所謂”トランジッション・ロゴ”、ブラック・カラーのボディーと言えば、ジミー・ヘンドリックスのファンにとっては1967年に行われた『モンタレー・ポップフェスティバル』での伝説のパフォーマンスが脳裏にしっかりと焼き付いている事でしょう。
ハードなカッティングから始まる『Killing Floor』でスタートしたこのライブは、終盤のギターを破壊するあの有名なパフォーマンスを抜きにしても、全てのオーディエンスを惹き込むキレキレの一挙手一投足、全身から放出されるエネルギーの奇跡は、今なお音楽史に残る伝説として語り継がれています。
あのモンタレーから今年で50年、当G-Club Tokyoはギブソン専門店でありながらこの伝説をセレブレイトしたい!と思っていた矢先に入荷したのが、こちら。
1965年製Stratocaster Black
まだテレビが白黒だった時代のせいなのか、はたまたサーフミュージック全盛のトレンドの為か、黒いボディーカラーのストラトが少ない60年代半ば。その中でも極めて稀なオリジナルのゴールドパーツ仕様。この点はジミーのストラトからは離れてしまいますが、コレクターも唸るレアな仕様となります。
打痕など若干の傷はありますが、ボディーの艶味、ネック周りなど全体的にもエクセレント~ニアミントという、ラッカー塗装期のストラトとしては奇跡的コンディションです。
残り8割以上のオリジナルフレット&ナットは完璧、と言った所です。
黒々と光るハカランダもタイトで真っ直ぐな木目、美しすぎます。
デカールが完璧に残っているのみならず、ヘッドやネック周りもまるでカスタムショップの新品のような、綺麗なミント状態です。
ネックデイトは【2 MAY 65 B】(1965年5月 Bネック)。
これだけ綺麗なコンディションの個体ですが、アッセンブリー等も手を加えられた様子がなく、所謂ハンダバージンです。
ポットデイトは【1376519】(CTS社製1965年19週目)
PUは65年から採用される”グレイボビン”。
【NOV 17 64】(1964年11月17日)の日付がスタンプされていますが、その前に”AY”のイニシャルがあります。あのアヴィゲイル・イバラ氏が現役時代に巻いていたPUが3基搭載されています。
ハードケースは珍しいホワイトトーレックス。時代的にはギター本体より若干前になりますが、ミュージアム級の貴重なストラトを保管するのにはもってこいの華やかなケースです。
サウンドは、60年代としてはやや出力があり、特に中域がファットで抜けの良い印象です。高域はあまりギラギラせず、倍音が乗った艷やかなサスティーンが心地良いです。
フェンダー系のアンプでは特有のブルージーなミドルが気持ち良く、いつまでも弾いていたいような気にさせられます。
しかしながらプレキシタイプのマーシャルに繋ぐと、やはり聞き慣れた”あの音”です。深みのあるロー、音圧感充分なトレブル等、幅広いトーンレンジで小気味良く暴れてくれる感覚です。
モンタレー50周年記念として、先日フェンダーMexicoよりあのペイント・ストラトが発売されました。
手が届きやすい価格帯である事と、何よりもあのポップなデザインが目を惹きますが、”モンタレーのジミヘン”と言えば、やはり黒&ローズのストラトのイメージが強いファンも多いと思います。
只今こちらのギターは、G-Club Tokyoの2階にて、多くのカスタムショップ製レスポールに囲まれて展示中です。