『じのない えほん』
ディック・ブルーナ 文・絵 石井桃子 訳
福音館書店 1968年11月15日発行
ディック・ブルーナの0才絵本は赤ちゃんにとってもオススメ!
なぜならとってもシンプルだから。
シリーズの中でも「じのないえほん」はタイトル通り文字すらない。
削ぎ落としの達人だ。
5月に読んだおすすめ絵本でも紹介した
シンプルの極みのような絵本から
無限の想像力を引き出してみよう!
※2021年度 くもんの推薦図書5A選定!
あらすじ
子どもが眠っている絵のページをめくると
描かれているのはただのニワトリ
隣のページには、さっき眠っていた子どもの目が開いた顔が
たったそれだけで朝が来たことがわかる。
この子は起きたらまず何をした?
お着替えの後はどうしたかな?
そんなありふれた日常を最低限の絵だけで教えてくれる絵本
おすすめなところ
ブルーナの絵って本当にすごい。
太陽が黄色の丸だけなんだもの。
でも不思議と月とは思わない。
この絵を見ただけで、
帽子をかぶっているし、
お花がしっかり見えてるから明るいんだな。
と想像出来るのだ。
こんな風に
想像する余白を残してくれるのがブルーナ作品の一番の魅力
じのないえほんの読み方
オススメしてるものの、初めてこの本を読み聞かせた時は読み方が分からなかった
ましろの反応も薄くて楽しくない。
手を洗う絵をみて、
最初はどうしても『それで?』という気持ちがあったのだと思う。
でも赤ちゃんは『この世界のこと』をまだ何にも知らなくて、毎日知ろうとしてる状態
ただでさえ意味不明なこの世界で、あれこれ長く説明したって
わかりゃあしない
手を洗う絵って伝われば十分なんだ
そう思えてから私の読み方もましろの反応も変わったと思う。
なるべく「ごしごし」とか「もぐもぐ」などのオノマトペを使ったり、身振り手振りで真似をしやすいように読んでみた。
するとましろは、
太陽を見たら両手をキラキラと振り、
パンを見たら自分ももぐもぐし、
歯ブラシを見たら右手でシャカシャカする。
手を洗う真似をする時は、その前にハンドーソープまで付けるところからするようになった。
この絵本には、赤ちゃんが遠くない未来に経験する『知りたいこと』が、『一番シンプルに』書かれていると思います。
赤ちゃんの『知りたい気持ち』を大切にしたいと思えた大切な本でした
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