5月もネットフリックスの韓国ドラマや韓国映画、日本ドラマを観まくりであった。記録しておく。
🟢「Destiny」2024年、石原さとみ、配信中。
🟢「アンチヒーロー」2024年、長谷川博己、配信中。
🔴「離婚弁護士シン・ソンハン」2023年、全12話。チョ・スンウ。
🔴「元カレは天才詐欺師〜38師機動隊」2016年、全16話。マ・ドンソク、ソ・イングク。
🔴「イノセンス 冤罪弁護士」2019年、全10話。坂口健太郎、川口春奈。
🔴「ヒーローではないけれど」2024年、全12話。チャン・ギヨン、チョン・ウヒ。配信中。
🟢「石子と羽男−そんなコトで訴えます?−」2022年、全10話。有村架純、中村倫也。
🟢「トリリオンゲーム」2023年、全10話。今田美桜、目黒蓮。
🔴「正直にお伝えします」2024年、全12話。配信中。
🔴「シグナル」2016年、全16話。イ・ジェフン、キム・ヘス。
🟢「アンメット ある脳外科医の日記」2024年、全12話。杉咲花、若葉竜也。配信中。
🟢「アンナチュラル」2018年、全10話。石原さとみ、井深新、窪田正孝。
🟢「異世界居酒屋のぶ」シーズン1、2020年、全10話。シーズン2、2022年、全10話。大谷亮平、武田玲奈。
🔴「守護教師」2018年、韓国映画。マ・ドンソク、キム・セロン。
🔴「虐待の証明」2018年、全10話。ハン・ジミン、ペク・スジャン。
🔴「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺産整理士です」2021年、全10話。イ・ジェフン、タン・ジュンサン。
🟢「WIND BREAKER ウインドブレーカー」2024年、漫画原作のアニメ。配信中。
🔴「犯罪都市 THE ROUNDUP」2022年、韓国映画。マ・ドンソク、ソン・ソック。
🔴「クィーンメーカー」2023年、全11話。キム・ヒエ、ムン・ソリ。
韓国ドラマ「ヒーローではないけれど」第8話を観た。
ギシュはダヘと一緒にいることで幸せだった過去や未来にタイムトラベルできる。
ギシュは詐欺師家族のイロン(母親がわり、元締)に手を組もう、未来にも行けるので金儲けもできる、取引しようと提案する。
取引の条件はダヘとの幸せな時間を共に過ごせるようにすること。
ダヘはイロンに反対する。ギシュが好きなので本来の詐欺の役目が出来そうにない、失敗する。相手は超能力者でだませるはずがない。
そんなダヘの気持ちと裏腹に、イロンは超能力一家を取り込もうと動く。イナにまで接近する。
イナは学校でグループラインからヘリムとかに脱会され孤立してしまいスマホまで壊される。ダヘに会いたくなる。
ギシュはダヘに冷たくされながらも一緒に過ごせるようにあの手この手を打つ。時給1,000万ウォン払うことにしたり、未来で見てきた宝くじの一等の番号を教えたり。
ダヘはギシュからもらった宝くじ一等23億ウォンをマヌルにあげる。手切れ金だとして。イロンとギシュが取引してしまえば超能力一家の家族に危険が及ぶからと。
ダヘはギシュに屋敷に置いてきた私のスーツケースの中に高校の火事のとき私を救助して亡くなった救助隊員から預かった指輪があると伝える。
指輪はギシュが持っていた指輪と一対のものであった。(これは何を意味するものなのか、謎が謎を呼ぶ)。
マヌルが予知夢でうなされるように何度も見ていたのもこの指輪である。(ドンヒがダヘのスーツケースから見つけだし家から盗んだ証拠だとしてマヌルに渡していた)。
スングは超能力のない普通の人である。マヌルと結婚してずっと女王の影のように召使いのように暮らしてきた。マヌルに自分の意見を言おうとすると必ず途中でさえぎられる。それも一度や二度のことではない(相当ストレスが溜るまるはずだ、よく我慢しているなあと思う)。唯一の趣味である社交ダンスで女性と踊っていて親しくしていたら女性の亭主に不倫を疑われ脅される危機に。(何か一波乱ありそうな予感がする)。
予測のつかないドラマである。
韓国ドラマ「ヒーローではないけれど」第7話を観た。
結婚式でダヘが詐欺師であることを告白してぶち壊してしまい、超能力一家と詐欺師一家(家族というよりグループ)の対立が鮮明になってきた。
ギシュは過去に何度も行き来して何かをさがしている(ダヘとの出会いが詐欺だったのかどうか確かめているのか)。ここらあたりはまったくのファンタジーそのもの。
イナはヘリム(クラスのリーダー的存在、いじめ側)ともめて眼鏡を失う。ぼやけたままの裸眼で外にでて自動車事に轢かれかける。周りの人たちの口で言っていることと本音が違うことがみな読めてしまい耐えられなくなって怖くなる。
ダヘのもとを訪ねる。裸眼で目を合わせてもダヘだけは怖くない。前のダサいのとは違うシャレた眼鏡を買ってもらう。
ギシュとダヘの関係がいったん白紙になったがいろいろあってまたよりが戻るのだろうか。
凪良ゆう「滅びの前のシャングリラ」(2020年、中央公論新社)を読んだ。
4つの短編から成る。一ケ月後に小惑星が地球に衝突する世界を描く。それぞれ違う話が繋がって最後に一つの物語になっていく。
「シャングリラ」
シャングリラとは理想郷。
江那友樹(えなゆうき)、17歳。デブ。上・中・下の階層の下に位置してパシリやいじめにあっている。藤森さんに恋している。藤森さんが広島から東京へLocoのライブへ行くのを守るために後を追う。同じクラスの三人のいじめ組が藤森さんを強姦しようとするのを命をはって助ける。
「パーフェクトワールド」
目力信士(めぢからしんじ)、40歳。
「父親は三百六十五日飲んだくれ、博打に負けたのなんだのと鬱憤晴らしに俺を殴り、そのたび庇ってくれた母親が代わりにどつかれ、近所も歩けない顔にされる。」(p102)
喧嘩はやたらめったら強いチンピラになりヤクザになった。左胸にSIZUKAとタトゥーをいれている。
「エルドラド」
エルドラドはスペイン語で黄金郷。
江那静香(えなしずか)、40歳。友樹の母。
元ヤンキー。中卒で働いて友樹を一人で育てている。
「あたしは親に殴られて育った。信士もそうだ。亀のように手足を引っ込めて丸まり、なぜ殴られるのかわからないまま、ごめんなさいと必死で謝り続けたことを一生忘れないだろう。その痛みを知っているのに、どうして信士は嫌悪する親と同じことをするんだろう。」(p174)
「いまわのきわ」
山田路子(やまだみちこ)、29歳。大阪生まれ。中学、高校とバンドを組んででかい声が特技のボーカル担当。上京し苦労の末、Locoと言う名前の歌姫になった。
東京ドームのライブは中止になったが小惑星が地球に衝突する最後の日に大阪で元のバンドメンバーとライブを開催する。
「イスパハン」スピンオフ作品。
イスパハンは、ペルシャの古都でその地が原産のバラの名前。フランボワーズとライチ、バラを使った、ピエール・エルメパリを代表するフレーバー。
藤森雪絵(ふじもりゆきえ)、17歳。
大病院の院長の長女であるが養女であった。のちに妹が生まれ真実子(真実の子)と名付られる。両親は分け隔てなく育ててくれているが、雪絵はわだかまり、心に葛藤を抱えていた。距離をおくため東京に向かったのだ。
友樹は信士と静香の子である。同棲していて妊娠したときに腹の子を守るために静香は逃げたのだ。愛しあっていたが信士は切れたときにどうしょうもなく暴力を振るうのだった。
読み進めるうちにピースがひとつづつはめられていく。緻密に構成された小説である。
韓国ドラマ「ヒーローではないけれど」第6話を観た。
ギジュの娘イナ(中学1年)は伊達メガネをかけている。人の心を読むには裸眼で目を合せなければならない。いつもはメガネをかけて学校でも透明人間のように目立たない存在である。
ギジュを父親と認めておらず心を閉ざしている。
ダヘとはいろいろ話をして詐欺師のおばさんと呼んでいる。
ジュヌはイナが好き。ヘリムはイナのはじめての友達。ヘリムはジュヌが好き。三人はダンス部に入っている。三人の微妙な関係。
イナにダヘが絡んで先々の展開になると予想される。
ダヘとギジュのあいだにもろもろあって結婚することに。
結婚式に美しいドレスで現れたダヘ。
式の直前に、私は詐欺師でギジュは母(詐欺師の元締)が選んだ3番目のカモだと告白する。というところで第6話が終わる。
凪良ゆう「流浪の月」(2019年、創元文芸文庫)を読んだ。
ネットフリックスで映画「流浪の月」(2022年、2時間30分)を観て原作の心理描写はどう書かれているのか知りたくて図書館から借りてきた。
登場人物の心理描写が丁寧でどんどん引き込まれて一気読みしてしまった。
まず凪良ゆうのプロフィールから、
1973年生まれ、母子家庭で小学6年のとき母親が帰ってこなくなり児童養護施設へ。高校1年で自主退学して働きだす。34歳からボーイズラブの小説を10年書き本格小説へ。本屋大賞を「流浪の月」(2020年)と「汝、星のごとく」(2023年)の2度受賞している。
つぎに印象的なポイントだけ書いておく。
家内更紗(かないさらさ)....父が病気でなくなり母は恋人といなくなり伯母の世話になる。小学4年9歳の時、誘拐に合う。実は伯母のひとり息子孝弘(中学生)から性的虐待を受けていて家に帰りたくなく、声をかけられた大学生に自分から付いて行ったのだった。
佐伯文(さえきふみ)....大学生の時、親元(地方の裕福な家)から離れマンション暮らし。子供のままの未発達な性器のことを誰にも言えずひとりで悩んでいた。公園で少女ばかり遠くから眺めていたのでロリコンと変態扱いされていた。
中瀬亮(なかせりょう)....更紗と同棲。ふだんは大人しいがスイッチが入ると暴力を振るうDV男。暴力を振るったあとはすまないもう絶対しないから許してくれと、それがもう何回も。更紗が少女誘拐に合ったことを知ったうえで恋人になっていた。逃げ場がないから母親のように優しくしてくれるだろうと。別れたあとも更紗と文との仲を盗撮してSNSに投稿したり週刊誌に売ったりする。
安西佳菜子(あんざいかなこ)....更紗が勤めるファミレスの同僚。シングルマザーで梨花(8歳)の娘がいる。不倫相手と旅行するため梨花を更紗に預けるという奔放な女性。
少女誘拐から15年後に更紗と文が再会する。
先入観に満ちた理不尽な世間の目。事実と真実は違うこと。理解されないふたりの思い。インターネット社会の怖さ。ネットで暴かれて何度も転居する様。その当たりの舞台設定と人物の心理描写がじつにみごとである。