小説「井上成美」と奥沢海軍村 | gayasan8560のブログ

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先日亡くなられた、阿川弘之さんの「井上成美」を久しぶりに読み返しています。その中で、終戦時に井上成美の副官を務めた金谷善文大尉が、井上成美の娘婿であった丸田吉人について述懐している箇所が気になってしまいました。

「少年のころ、金谷の家と丸田家とは同じ世田谷奥沢ですぐ近かった。而も彼の父は予備役主計中将の金谷隆一、丸田吉人の父親が予備役軍医少将の丸田幸治、似た境遇の家庭同士よく往き来していたし、今でも両親が折にふれて丸田一家の話をするからである。」(阿川弘之著「井上成美」より引用)

海軍士官の住む「世田谷奥沢」とは、当然のことながら奥沢海軍村を指すものと思われます。早速、昭和11年当時の海軍村住宅配置図を見て確認してみましょう。

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予想通りです。丸田家と金谷家がありました(写真の赤丸)。それぞれで表記されている階級も小説の通りですし、確かに家も近所です。この距離なら頻繁に往き来がありそうです。妙に納得してしまいました。

上の海軍奥沢村の住宅配置図に記載されている海軍軍人さんの名前には、私が知っているような有名な方はいないのですが、本人や子息が有名な提督と深い関係があるとか、有名な戦いで重要な役割を果たしたとか、そういう方が探せばもっといるのかもしれません。