---以下、朝日新聞より



 

LGBT巡る問題、政治の場に上げるには 北丸氏に聞く
http://www.asahi.com/articles/ASG214DQRG21UTFK002.html
2014年2月2日05時25分

 

LGBTを巡る問題を政治の場に引き上げるにはどうすればいいのか。米国の歴史も踏まえ、元東京新聞ニューヨーク支局長でゲイのジャーナリスト、北丸雄二氏=米・ニューヨーク在住=に聞いた。


LGBT・レインボーフラッグ

 ――米国でのLGBTを巡る運動は、どんなふうに始まったのですか。

 「1950~60年代は同性愛者を受け入れてもらおうとする運動でした。あえて過激な言動を控え、きちんとした格好をして、プラカードを手に整然と街を歩く。そうすることで、自分たちは無害だ、セックスの化け物ではない、と理解してもらおうとする運動だったのです」


 ――それが変わったのは、69年のストーンウオールの暴動からですね。

 「そうです。警察がニューヨークのゲイバー『ストーンウオール・イン』を摘発したのをきっかけに、ゲイやレズビアンたちが蜂起した事件です。その後、全米各地で若い人たちが中心になって同性愛者の人権団体をつくった。そして同性愛者の解放運動が、性的少数者全体の解放運動へと広がっていきました」


 ――オバマ大統領は2期目の就任演説で同性愛者の人権に触れました。

 「最初はクリントン大統領でした。クリントン氏は当時、同性婚には反対しましたが、93年に同性愛者であることを公にしない限り軍に入ることを認める政策に転換しました」


 ――「ドント・アスク・ドント・テル(聞かない、言わない)」と呼ばれた政策ですね。

 「そうです。クリントン氏になって初めて、同性愛者の存在が公的に軍でも黙認されました。ただ、当時の米軍では『いてもいいよ』とまでは言えなかった。しかし、その後同性愛者が『いる』ということが分かっている世代が増え、そちらの方が多数派になり、オバマ時代には『いてもいいじゃないか』と変わったのです」


 ――米国でLGBTが政治に強い影響力を持っているのはなぜですか。

 「LGBTの人権運動に対する『アライ』(同調者、同盟者)が増えているのです。昨年の米国の報道機関の調査で、家族や同僚など、親しい人にLGBTがいると答えた人は57%に上りました。衝撃的な数字だった。それが政治的な力になっているのは確かです。政治家がLGBTに差別的な発言をすれば、あっという間にバッシングが起こり、謝罪会見に追い込まれます。大リーグでも罰金を取られる。最近では共和党にも、同性婚に賛成しないまでも反対するのをやめるべきではないか、という議論があるほどです」


 ――日本でも、少しずつですが、LGBTが声を上げるようになり、可視化が進んでいます。

 「90年ごろ、日本でも商業的なゲイブームが起きました。当時は、ある程度風通しが良くなればカミングアウトする人が増えるだろう、と思いました。その後、確かに色々な立場で活躍する当事者は増えてきましたが、まだ十分とは言えません。ただ、最近では日本の若手の論客にも『LGBTアライ』が増えています。彼らは折に触れて、性的少数者の人権について発言している。じわじわとですが、変わってきているなと思います。それが日本的な変わり方なのかも知れません」


 ――米国に比べて、日本で当事者からの声が上がりにくいのはなぜでしょう。

 「『言挙げしない』ことが日本社会の特徴だからではないでしょうか。日本ではあらゆる少数者に共通の課題だと思います。問題は、一部の性同一性障害者を除く同性愛者などの場合、見ただけではそうと分からないので、言挙げしない限り、性的少数者は存在しないことにされてしまうことです。そこが、一見してそうだと分かる黒人や女性などの問題と違うところです」


 ――日本でLGBTの人権に対する意識をもっと高めるには、どうすればいいのでしょう。

 「性的少数者を相手にしているだけではダメです。少数者の解放運動は、多数者の解放運動につながるということを示さなければなりません。そうでなければ多数者は動かないからです」


 ――米国では、どうやってそれを多数者側に分かってもらったのですか。

 「黒人解放運動で身に染みて分かっていたのではないか、と思います。白人であることは、実は息苦しいことなのです。地位も権利もあるけれども、一方で責任を一手に引き受けなければならないからです」


 ――女性の解放によって男性が「男らしさ」から解放されたのと同じですね。

 「そうです。白人であり男であり異性愛者であることは、言ってみれば『選民思想』でした。そんなに堅苦しく考えなくてもいいよと、それらの呪縛を解き放ってきた。そうやって歴史が進んできたのです」


 「民主主義の社会とは、責任を分かち合う社会のことです。責任を分担する代わりに、一人一人が権利を持つ。それによって社会そのものが強くなります。だから、例えば移民を受け入れる。それで軋轢(あつれき)が生じるとしても、なんとかして落としどころを探ろうとする。そうやって繰り返されてきた努力そのものを、民主主義と呼ぶのです。そういう流れの中で性的少数者の問題も捉えるべきです。黒人解放運動では白人が、女性解放運動では男性が解放された。同性愛者の解放によって解放されるのは、異性愛者の方なのです」(聞き手・二階堂友紀)



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