---以下、AFP=時事より



 

サッカー元ドイツ代表選手、同性愛をカミングアウト
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140109-00000023-jij_afp-socc
AFP=時事 1月9日(木)15時31分配信

 


 

【AFP=時事】サッカー元ドイツ代表のトーマス・ヒツルスペルガー(Thomas Hitzlsperger)氏が、同国代表経験者としては初めて、同性愛者であることを告白した。


 
 

ゲイを告白した元選手、「サッカー界でのカミングアウトは不可能」

 8日に発売された週刊紙ディー・ツァイト(Die Zeit)のインタビューで、31歳のヒツルスペルガー氏は「自分が同性愛者であることを宣言する。世界のプロスポーツ界における同性愛者を可視化させたかったからだ」と語った。


  しかし告白というリスクを伴う決断に至るまでには、「長く難しい経緯」があったという。

  ヒツルスペルガー氏は現役時代にドイツ・ブンデスリーガやイングランド・プレミアリーグ、イタリア・セリエAを渡り歩き、アストン・ビラ(Aston Villa)、エバートン(Everton)、VfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)、ラツィオ(SS Lazio)などでキャリアを重ねた後、2014年にスパイクを脱いだ。


  ドイツ代表として、2004年から2010年にかけて52試合に出場したヒツルスペルガー氏は、「女性よりも男性とともに生きたい、という自分の気持ちに気がついたのは、ここ数年のことだ」と話す。


  同氏は「カミングアウトする」決断に至った理由として、今が自分にとっていいタイミングだということ、そしてプロスポーツ界における同性愛について訴えかけたい思いがあったことを挙げた。


  ヒツルスペルガー氏は「自分のあり方を恥じたことは一度もない」と言うものの、同性愛に対する意見のいくつかには、いつも複雑な気持ちを味わってきたと語った。


 「イングランドにせよ、ドイツやイタリアにせよ、同性愛が真剣に取り上げられることはない。少なくともロッカールームではね」


  これまで同性愛であることを公表した著名なサッカー選手はただ1人、ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)やノリッジ・シティ(Norwich City)でプレーし、1990年にカミングアウトしたジャスティン・ファシャヌ(Justin Fashanu)氏だけだった。同氏はその8年後、37歳で自ら命を絶っている。


  今回の告白を受けて、ヒツルスペルガー氏の元には、サッカー界の各所から支持が寄せられている。


  ドイツ代表のルーカス・ポドルスキ(Lukas Podolski)はツイッター(Twitter)で「正しく、勇気ある決断をしたトーマス・ヒツルスペルガーに敬意を表する。今回の告白は、今という時代の大切な象徴だ」と語った。


  また、元所属クラブのアストン・ビラ、さらには元イングランド代表主将のギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏らからもツイッターで応援のメッセージが贈られている。


  アストン・ビラは「ここビラでのトーマスを知る全員が、素晴らしい選手としてだけではなく、素晴らしい人間として彼を尊敬している」と投稿した。


 「今回の告白は彼の率直な宣言だ。われわれはクラブとしてトーマスを支持するとともに、サッカーに携わるすべての人間からも、同じように支持が広がることを願っている」


  リネカー氏は、「プレミアリーグでプレーした選手で初めて、勇敢にもカミングアウトしたトーマス・ヒツルスペルガーに祝福を」とつぶやいた。


  イングランド・プレミアリーグ、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park Rangers、QPR)の悪童ジョーイ・バートン(Joey Barton)も、いつもの歯に衣着せぬ物言いをツイッターで見せた。


 「トーマス・ヒツルスペルガーは今日、大きな勇気を見せた。引退まで待たなきゃ、人間として真の姿を見せることができなかったなんて、悲しい時代だ。俺たち全員の、社会としての恥だ」

 「だけどそれも分からないわけじゃない。なんせ宗教に洗脳された狂信的なやつらは、2000年以上も前に書かれたフィクションをいまだに信じてるんだからな」

 「俺の考えでは、過激な宗教思想を持ちたいなら、まずは完全なあほうにならなくちゃな。(フランス・リーグ1の)PSG(Paris Saint-Germain、PSG)に所属するアレックス(Alex)が出したコメントが、俺の理論を証明しているよ」


  バートンに引き合いに出されたアレックスはキリスト教徒で、仏テレビ局カナルプリュス(Canal Plus)が放送したサッカーにおける宗教を扱ったドキュメンタリーでは、信仰に基づいて同性愛は認めないと発言して騒ぎを起こした。


  アレックスは自身の立場を堅持し、「神はアダムとイブ(Eve)をお創りになったのであって、アダムとイブ(Yves、男性の名前)を作ったのではない」とコメントしている。


  その一方で、イタリアの同性愛団体「ゲイセンター(Gay Center)」はヒッツスペルガー氏への支持を表明した。


  ゲイセンターは声明を通して「イタリアのサッカー選手に同性愛者はいるだろうか?  われわれはいると信じている。彼らもヒツルスペルガー氏と同じように公表すべきだ」と述べた。


 「われわれが暮らすこの国は、同性婚を容認しないなど、市民の権利を奪っている」


 「一流のスポーツ選手が告白してくれれば、とりわけ若い人々に対して前向きなメッセージを送ることができるし、また同性愛嫌悪の撲滅にもつながるだろう」

 【翻訳編集】 AFPBB News



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