権威と権力、民事と刑事裁判の区別をしてから喋れ! | 中学受験を見直したい(隊)+α

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このブログは、中学受験を考えているけれど、『少しおかしいぞ』とか『問題ありでは?』とお感じの方には役に立つブログです。偏差値をあげたい、〇〇中に合格するにはどの塾がよいか?…そのような方のお役は立てそうにありません。

最近の巷のニュースを見聞きするに

問題の根源を整理せぬままに

感情に任せて流布する傾向があるように思う。

 

それが残念なことにマスメディアやそれに付随する

発信力を持つ機関・人に見られる。

明らかに勉強不足かあるいは

一般大衆を愚民と見下す所業である。

 

去年の年末にお笑い芸人のスキャンダルが

週刊誌ですっぱ抜かれた。

『ビップが来る飲み会』と称し

芸人の卵と呼ばれるような女性を

下っぱ芸人が集め、高級ホテルのスイートルームで飲み会をし、

その際“ビップ”とやらが女性に性交を迫るという

なんとも卑劣な手口だという。

 

これに関して“裁判”という言葉が飛び交っている。

が、その言葉を発しているコメンテーター達は

この“裁判”の何たるかが整理できていない。

 

まず、刑事なのか、民事なのかである。

この“事件”は法改正の前に起こったものと

以後に起こったものが混在しているようにも思える。

以前なら親告罪、以後は非親告罪であるので

扱いが違ってくる。

 

以前のもので刑事罰を問うなら被害者による提訴が必要であるが

それはなされていない。

 

またその行為を行った大物芸人とやらは

裁判に集中するということで休業宣言をした。

この裁判は民事で名誉棄損を問うのであろう。

これは行為そのものの真偽を争うものではない。

棄損された己が名誉を回復するための裁判である。

 

仮に勝ったとしてもこの芸人が失った金額の1/10の金額すら手にできない。

最大でも500万を超えることはまずないらしい。

 

一方、この芸人及びその周辺の後輩芸人達が徒党を組んでの

悪行で刑事罰を問うならもうとっくの昔に

捜査が動いているはずで

その動きがない以上、これは想定の外にある。

 

一般の日本人にとって裁判は非常に遠い所にあるものだ。

裁判とか警察とか検察と言われたら

その言葉の物々しさに驚き、畏れ入る。

そして思考が停止する。

 

自民党裏金問題と

この吉本芸人のスキャンダルは

実は質が似ている。

 

組織が巨大化し

権威を手に入れた集団の構成員が

己の個人的な力で物事が動くと誤解をする。

元々権限はその支配をうける人達に公平でなければならないのに

権力者の都合で決まってしまうのである。

こうなると不正が常態化する。

 

帳簿に収入を書かなければ

一般人ならば脱税に問われる。

が、政治資金だと言えば元々無税なのである。

であるのにそれを帳簿に書かないということは

何を意味するかちょっと考えたらわかることである。

 

頭の良さを狡いことに使わせてはいけない。

すべてが権力を手にした者の思い通りになった時

それは独裁である。

 

メディアはそれを監視・指摘すべき立ち位置にいるはずが

逆に権力者に阿る。

これでは真に能力のある者が指導的立場に立つことができない。

 

端的に言えば

ズルが得する世の中になっているのである。

日本社会はあちらこちらで

相当に悪が蔓延り、淀んでる。