年末に録画が増えるので、レコーダーに録画してある番組を整理・消去している時に、まだ観ていない番組がありました。2012年10月21日放送 NHK特集「ノーベル賞・山中伸弥 iPS細胞“革命”」です。そこで消す前に、子守唄がわりに昨夜観たのですが、感じたことを書き留めておきたいと思います。
ノーベル賞受賞に至った研究成果は、聞いてしまえば「え?!そんなこと?」と思えるものです。彼の研究成果は以下のものです。
今から50年前、ケンブリッジ大学のガードン博士がカエルを使った実験で世界を驚愕させます。彼の実験はオタマジャクシから腸の細胞を取り出し、特殊な処理を施し細胞分裂させます。当時、腸の細胞を分裂させても腸にしかならないと考えられていました。ところが、驚くことに細胞はオタマジャクシになり、カエルにまで成長したのです。
山中教授はこの結果をこう考えます。
『腸の細胞の中には、あらゆる細胞になる遺伝子が存在しているが、腸以外の細胞になる遺伝子が働かないようにカバーされ眠っているだけではないか。』
『腸の細胞がオタマジャクシになったのは、何らかの理由でカバーが外れ、受精卵のような状態に戻ったからではないか』というものでした。これが山中教授が考える細胞の初期化でした。
この発想をもとにヒトの2万種以上もある遺伝子から、細胞を初期化させる遺伝子を見つけ出そうと試みるわけです。
2000年春、山中教授はiPS細胞の研究を始めます。
山中教授は、既に作られていた、どんな細胞にも変わる能力を持っているES細胞の中で活発に働く100種類の遺伝子に注目します。そして、助手の1人が、その100種類の遺伝子の中で特に活発に働き初期化に関係するとみられるものの1つの遺伝子の実験を任されます。実験には2年近くをかけますが、その遺伝子は初期化とは関係がありませんでした。落胆する助手に山中教授はこう声をかけます。「予想通りにならないことも大切な結果だ。次の実験にとりかかろう。」
そして、100種類の遺伝子の中から細胞の初期化に関係すると思われる遺伝子を24に絞込み、いよいよ2005年春にiPS細胞を作る実験に取り掛かります。・・・(2)につづく