「トレンドに乗ることが勝利の秘訣」とはよく言われることであり、誰も異論をはさむ余地はなく、常識である。人間、常識や権威に対しては思考を停止する習性がある。常識は一度疑ってみる必要があるということは、多くの賢人が言われ続けていることでもある。その常識を否定するつもりはさらさらないが、ここでその常識を噛み砕いて理解を深めたいと思う。
トレード初心者はその常識を疑う余地などないので、動いた方向についていこうとする。いわゆる飛び乗りエントリーで一向に勝てないことになる。それではと逆張りを仕掛けるが今度は順行していく。どうなっているのかわからずに思考が崩壊していく。結局レートなどはランダムウォークであると結論付けトレードから去っていく。かく言う私もその一人であるがロットを抑えていたため退場には至っていない。
ラインは短期足で引けるラインであってもブレイクするより反発する確率の方が高い。もちろん適当なラインではいけないし、長期足で引けるラインの方が確率は高くなる。詳細なデータをとったわけではなく経験上言えることであるが、おそらくデータをとっても同じことが結論づけられると思う。レンジ7割トレンド3割と言われる所以もここにある。
それでは、トレンドとは一体何者か?高値と安値がともに切り上がっていれば上昇トレンド、切り下がっていれば下降トレンドというのがこれまた常識。では、トレンド中のチャネルラインを見た場合、もちろん高値安値が更新しているのでトレンドであるが、2つのラインに挟まれていることを考えれば、一種のレンジと捉えることもできる(上昇レンジ、下降レンジ)のではないか。とすれば、トレードをする上でのトレンドというものを定義する(ここが重要。理屈ではなく実践で使う定義)場合、「トレンドとはラインをブレイクした瞬間だけのごく短い時間に起こる値動き」に限ることになる。であればトレンドは1割にも満たない。さらに悪いことにラインをブレイクしたかと思わせて戻ってしまうことも多々ある。よって、トレンド、トレンドというが、トレンドは一瞬のブレイクであり、ほとんどはレンジ(平行レンジ、上昇レンジ、下降レンジ)であるととらえておいた方がよい。つまり、大きな方向への逆張り、行き過ぎた場合または直近高値であれば大きな方向と逆方向への逆張りが損切りを最小に抑え、利を伸ばせる方法だと思うのだ。
「トレンドに乗ることが勝利への近道」みたいなことを言われるが、このことを認識していなければ上がれば買い、下がれば売りを永遠に繰り返し資金をすり減らしていくことになるのではないだろうか?