アメリカのカリフォルニア大学のスティーブン・スピンドラー氏が、マウスの肝細胞で
約1万1000個の遺伝子を調べました。
その結果、
約100個のDNAは、若い時(人間で言う18歳くらい)と老年期(人間で言う70歳くらい)
とで、遺伝子が変わってくることが分かりました。
しかも、
その中の46個は、どのような働きをしているか(遺伝子ON/OFF)
も判明しました。
46個中、26個は、若い時にON → 老年期でOFF・・・①
他の20個は、若い時にOFF → 老年期にON・・・②
でした。
①に入るものは
a,DNAを修復するもの
b,異物分解に働くもの(薬物など)
c,アポリポ蛋白E遺伝子(アルツハイマー病予防遺伝子)
一方、②にはいるものは
d,ストレスへの反応を司る遺伝子
e,アポトーシス(細胞が自らを分解させる細胞死=細胞の自殺)
を抑制する遺伝子
個別に申し上げますと
a,の場合、紫外線や活性酸素などで傷害を受けても、若い時にONであれば修復されま
す。老年期にOFFになれば、修復されず老化が進んだりガンになったりする訳です。
b,の場合、若い時はONであるため、多少アルコールなど多くても、分解してくれていた
のに、老年期にOFFになると、分解できず体調を崩すことになるのです。
c,の場合、若い時はONであるため、アルツハイマー病を予防してくれていた
のに、老年期にOFFになると発病率が急増するのです。
一方の
d,の場合、若い時はONであるため、多少ストレスを受けても、ストレスとして作用しないのに、老年期にOFFになると、そのストレスを強く受けてしまうのです。
e,の場合、通常、細胞はDNA傷害から突然変異した場合、この遺伝子の作用でアポトーシス(細胞の自殺)を起こさせます。そのおかげで、若いころにはガン細胞が増えないのです。しかし、老年期にこの遺伝子がONになれば、ガン発症を助長することになるのです。
以上の遺伝子スイッチのON/OFFが分かった上で
スピンドラー氏は、「少食」という条件を考慮し、次のような実験をしました。
超高齢のマウス(人間で言う90歳くらい)に、食事量を2週間で80kcal,
次の2週間を53kcalと大幅に減らしました。
すると、19個の遺伝子が若返りました。つまり、ONからOFFになったのです。
人間とマウスは、同じではないので比較はできませんが、私は期待したいです。
最後までお読み頂き誠に有難うございました。
その後、他の研究チームがサルによって実験をしております。
次回は、その結果を詳しく申し上げます。
とにかく、「寿命は延びる」ことは、言えそうですね。
我慢して苦しみながら少食にするのは、返ってストレスになりますので、
できるだけ少しずつできると良いですね。
いきなり朝食抜きでなく、まずは野菜ジュースや果物ジュースからとかね。
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