閲覧注意! ~ グロスアウトの世界 ~ | トイ&コミックのガリンペイロ

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80年代!

今思うと玩具界隈的には何かとカオスな流行があったものだ。

グロスアウトという言葉をご存じだろうか?

多少の齟齬はあるが、要は生理的な嫌悪感を催しながらも惹きつけられる芸術的手法のことだ。

エログロやおなら、げっぷといったモノを含む…言ってしまえばお下品/お下劣なユーモアのことでもある。

そして、得てして幼少の自分らはそういうものが大好きだったのである。

ホラー映画や、妖怪/モンスターといったオカルトブームの後押しもあったのだろう。

80年代当時は玩具にもそういう傾向があったのだ。

 

恐らく当時の日本で最も一世を風靡したのは

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「悪魔の子 ゾンビーズ」という玩具だろう。

ご存じない方のために簡単に説明すると、

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本体は上記画像のように若干デフォルメされたモンスターたちである。 

手のひらサイズでゴム製のモンスターたちには中にスライムを注ぎ込むことが出来て、

その状態で握り潰すと眼鼻や口からスライムと一緒に目玉や内臓を吹き散らす、というなんとも悪趣味な玩具である。

このゾンビーズは正式には「マッド博士 恐怖の実験室」というシリーズの一角で、

「マッド博士 恐怖の実験室」シリーズには他にも「悪魔のいけにえ」と呼ばれる玩具があり、

こちらは水槽に満たされた溶液にモンスターを沈めるとブクブクと泡を吹きながら溶解していき、

最後にはプラ製の骨が浮かんでくる、というモノ。

また「悪魔のはらわた」という玩具はモンスターの死体を切り裂いて内臓を摘出する、といった直球にグロテスクなモノであった。

 

こんなもので嬉々として遊んでいたらそりゃ母親はいい顔をしないに決まっている。

 

こんな玩具を一体どこのメーカーが販売していたのかというと

マーバコーポレーションという、今では聞き慣れない会社である…

が、実はこちらの会社は MATTEL と BANDAI の合弁会社だったのだ。

MATTELの MA とBANDAIの BAMA-BA という実に 安直な 明朗なネーミングによるものだ。

「マッド博士 恐怖の実験室」はマテルとバンダイの共同開発によって世に送り出された玩具で、

アメリカでも「MAD SCIENTIST PLAY SET」という名前で売り出されたという…

 

さて、何故マーバはこんな悪趣味な玩具を展開したのだろうか?

先にも述べたように当時はホラー映画のブームもあった。

当時のホラー映画は今よりもグッチョグチュでベットベトな、なんというか粘度高く汁気も多い作品が主流だった(ように思う。私見です)。

まさにグロスアウトの世界である。

 

しかし玩具界隈的には、そうではないヒットの前例があったのだ。

「マッド博士~」シリーズよりも少し前に、グロスアウトなコンセプトで世界的なヒットを飛ばした玩具に

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アメリカン グリーティングスからリリースされた「マッドボール」というシリーズがあったのだ。

見ての通り、グロとユーモアの中間でデフォルメされたモンスターの頭部である。

ゴム/ウレタンフォームのこの頭部はいわばゴムボールで、投げたり叩きつけたりして遊ぶだけのものだが、

このボールから実際に汁が出たら面白いんじゃね?

という発想があったかどうかは定かではないが、マッドボールからインスパイアされたのが「マッド博士~」シリーズであることは疑う余地もないだろう。

 

このマッドボールは今現在でもコレクターが存在し、今尚新作がリリースされる人気商品だ。

2017年からはYOUTUBEの公式チャンネルでアニメ(?)が配信されており、累計で300万超再生されていることからもその人気のほどが窺えるだろう。

▲公式に配信されているMADBALLS Cartoons

 

この玩具の開発に携わったのがジェイムズ・グローマン氏。

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▲ジェイムズ・グローマン氏によるマッドボールコンセプトアート。

 

後に

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アニメ化もされた玩具「マイペットモンスター」なども手掛けることとなる玩具デザイナーだが、

 

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▲アメコミファンのかたにはDC Direct(Collctibles)のアーティストアレイシリーズで

これらをデザインした人と言えばわかりやすいだろうか?

 

ジェイムズ・グローマン氏はその後、フリーランスのデザインスタジオを設立し、

スターウォーズ、G.I.ジョー、ゴジラ、ハリー・ポッター、その他諸々の作品にデザイン、スカルプトを提供。

スターウォーズ ジェダイフォースの玩具シリーズではデザインリーダーを務めたという。

 

昨年にはマッドボールからインスパイアされた玩具として

MONDOIDSシリーズがMONDOからリリースされた。

こちらの商品は見ての通り、アニメ、映画、ゲーム、コミックなどなど、

様々なジャンルの人気キャラクターにグロスアウトなアレンジを加えてデザインされたものだ。

▲キャラクターのイメージは崩さぬように、

▲細部までリスペクトが込められている。

 

▲胴体部分は台座となっており、頭部は本家マッドボール同様に取り外せる仕様だ。

 

MONDO社はテキサスに本社を置く、コレクターズアイテムを中心に展開する会社で、

こちらのMONDOIDSにジェイムズ・グローマン氏が直接かかわっているかどうかは不明だが、

 

ジェイムズ・グローマン氏は昨年のComi-Con@HOMEにてMONDO社から発売される予定の

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ソフビ版マンシングのデザインを行っている旨を発表。

 

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先日は自身のインスタグラムにて、完成形となる原型を公開したところだ。

 

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マンシングというキャラクターと氏のデザインセンスが見事にマッチした逸品である。

今最も完成形が楽しみな商品のひとつである。

 

マンシング ソフビフィギュアは今夏発売予定!

お値段は結構しそう…

 

 

余談ですが、今もこういう玩具ってあるのかなー、とか思って調べてみたところ

スピンマスターから 「Doctor Dreadful」 シリーズという食品玩具が発売されていたことを知り

 

 

「なんだよ…ちょっと面白そうじゃねぇかよ…」

と思ってしまったあたり、僕は30年くらい前から進歩していないのであった。

 

 


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この他、当店ではアメトイ・アメコミ関連商品をたくさんご用意しています。

ご興味ある方は是非ご来店ください!

 

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