マーベルレジェンドの歴史 ~トイビズ編~
マーベルレジェンドを6インチサイズのマーベルキャラクターアクションフィギュアとして括ると
その歴史は2000年まで遡ることが出来ます。
意外と最近ですね。
え? そうでもない?
まあいいや。
当時、マーベルキャラクターの6インチサイズアクションフィギュアと言えばトイビズ社の製品でした。
トイビズ社の歴史を遡っていくとそれはそれでややこしいのですが、
かいつまんで話すと
1988年、カナダはケベック州のチャラントイズがトイビズ社に改名しアメリカの会社になる。
1990年にMARVELのライセンスを獲得し、マーベルの玩具を作り始める。
やがて色々あって破産の危機からMARVEL Enterprises(後のMarvel Entertainment)に買収/吸収合併され、子会社化。
2000年代に入ってからは皆様の記憶にも新しいかと思いますが、Marvel Entertainmentの経営不振、
ディズニーからの買収などがあり、トイビズ社は徐々に事業を縮小。
その過程でMarvelのライセンスがハズブロ社に移行し、2007年にトイビズ社は事実上消滅。
というような感じ。
さて本題。
現在のマーベルレジェンドの祖となったものは、2000年からリリースの始まった「スパイダーマン クラシック」シリーズと言えます。
当初はスパイダーマンクラシックの名の通り、スパイダーマン(派生を含む)とそのヴィラン、スパイダーマンの協力者に絞られた6インチのアクションフィギュアシリーズでした。
スパイダーマンクラシックシリーズのスパイダーマン2099とデアデビル。
※スパイダーマンの協力者がラインナップされている、とは言いましたがスパイダーマンの派生以外はデアデビルくらいしかリリースされませんでした。
アクションフィギュア本体に、ジオラマベース、原作のコミックブック(場合によりポスターやイラスト集など)を同梱したこのシリーズは人気を博しました。
このスパイダーマンクラシックシリーズは成功を収め、
2002年、スパイダーマンクラシックを踏襲する形でMarvelキャラクター全般を扱うMARVEL LEGENDSが誕生したのです。
ちなみに2002年はサム・ライミ監督の実写映画「スパイダーマン」が公開され、大ヒットを記録。
サム・ライミ版スパイダーマンは3作目まで製作、公開されました。
スーツとかアクションとか、ドビー・マグワイア演じるピーター観とか、今見ても見劣りするものではないのがすごい…
そのためかどうかは定かではないが、その後もレジェンドと並行しスパイダーマンクラシックはリリースされ続けました。
アメトイコレクターの間では今尚伝説的に語り継がれるトイビズの6インチアクションフィギュア「スーパーポーザブル・スパイダーマン」もこの年に発売されました。
6インチサイズでは当時究極的だった30箇所可動、それこそ指一本一本までが動くとんでもないシロモノでした。
さて、ようやくマーベルレジェンドだ。
かくして2002年5月、マーベルレジェンドの記念すべきシリーズ1が発売。
シリーズ1にアソートされたキャラクターは4体。
キャプテン・アメリカ、ハルク、アイアンマン…と人気キャラに加えてX-MENからトードがラインナップされました。
…なぜトード?
一応2000年に公開され、後に現在まで続くMARVELの実写映画シリーズ「X-MEN」の第一作目にレイ・パーク(映画「G.I.ジョー」シリーズのスネークアイズ役などで有名)演じるトードが出ているから…とされていますが、知名度の落差がすごく未だに謎です。
さらには他3体と比べて知名度が微妙だったトードは1ケースに1体しか入っていない仕様だったため、
知名度が低いがゆえにレア化するという非常にコレクター泣かせのシロモノでした。
この「名前もあまり知られていないようなマイナーキャラをアソートしがち問題」が、後のハズブロ社版にも引き継がれていくことになると思うと伝統を感じずにはいられませんね。
こうして始まったマーベルレジェンドシリーズですが、こちらも成功し、2004年までの3年で8シリーズがリリースされることとなるのでした。
で、2005年。
マーベルレジェンド界に革命が起こります。
すなわちBuild-a-Figureシリーズの登場です。
各キャラクターのフィギュア本体に分割されたパーツが付属して、それを組み合わせると一体の巨大なフィギュアになるという、アレ。
さらにヴァリアント(コスチュームの色が違ったり、マスクを外した素顔だったり、表情が違ったり…といった特別仕様版)の存在にコレクター心が過熱していきます。
一見同じブルズアイ…ですが、表情が違う。これがヴァリアント。
こちらはわかりやすい。コスチュームが違うサイクロプス。これもヴァリアント。
ファンタスティック・フォーなどで代表的な超大型ヴィラン「宇宙魔人ギャラクタス」からスタートしたBAFシリーズは
その後もアポカリプス、センチネルといった、完成すれば全高50cm以上にもなろうかというBAFを次々とリリースしていきます。
BAFは6~8体を集めないと完成しないだけあって当時の子供たちには大変でしたが、
それ故に完成時の感動は一入でした。
原材料費の高騰で小さくなりつつあったトイビズ後期のBAFオンスロートと現行のユニオンジャックさんと比較。
実に倍以上の大きさがある。
これだけでも驚きのサイズ感だが、センチネルやギャラクタスはオンスロートの更に倍近い大きさがあった。
トイビズ社はこの後、キャラクターのBOXセット、Face-Off(対決)シリーズなども展開していきます。
BOXセット。X-MENのチームアップや、物語上、関係のあるキャラクターを集めたセット。
スパイダーマン vs. シニスターシックスなどもありました。
FACE-OFFシリーズ。ヒーローとライバルヴィランのセット。
キャプテンアメリカとレッドスカル、デアデビルとキングピンなどなど、原作ファンの心を擽るセットであった…
乗り物がセットになったMARVEL LEGENDS LEGENDARY RIDERSセット。
トレーディングカードも同梱されていて、対戦が出来たようですがルールがよくわかりませんでした。
ヴェンジェンスとウルヴァリン以外は「お前、なんでそんなんに乗ってんるんだ…」と思うものも。
また、カードゲームのアッパーデック社と組んで、トレーディングフィギュア+カードゲームの
MARVEL LEGENDS SHOWDOWN シリーズなどを展開したこともありました。
6インチではなく3.75インチでの展開。カードゲーム+ボードゲーム的なノリで遊べました。
更には通常の倍サイズ、12インチのアイコンズシリーズなどもリリース。
大きいだけあって作り込みがすごい。
トイビズ社はマーベルレジェンド以外にも映画やアニメ、コミックのキャラクター商品を多々展開していきます。
その完成度において映画史上に名を残すこととなる実写版「ロード・オブ・ザ・リング」のアクションフィギュアなども展開していました。
「二つの塔」よりヘルムズディープの戦いセット。
オーランド・ブルームの顔がすごい…
こうして様々な評価に耐え得るオモチャを世に送り出してきたトイビズ社でしたが…
先にも述べた通り、2006年にトイビズ社版マーベルレジェンドはMODOKシリーズで最後を迎えるのでした…。
親会社の経営不振やゴタゴタに原材料費の高騰といった不遇が重なっ結果ではありますが、非常に惜しい最後でした。
しかし、トイビズ社の意志とマーベルレジェンドはハズブロ社に引き継がれるのです。
次回は
マーベルレジェンドの歴史(ハズブロ編)
をお送りしたいと思います。
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