本を買うとするとやっぱり文庫が多いです。価格とカバンなどに入れやすいし、一応選ばれて文庫化された(そうでもないのも有りますが)ので、外れがないです。

しかし、こういう選び方ばっかりしていると、新刊に触れる事が無くなりますよね。
新刊でも(高くても)買いたい作家さんと言えば、私の中では「有川ひろ」さんです。

最近、有川浩から有川ひろに改名されています。実は私、有川さん最初は男性だと思っておりました。(失礼)最初に手に取った本があの自衛隊三部作だったし、文体も男前なのもありまして、疑わなかったですね。今回の改名もそういう誤解をする人が多いからだと思います。

お話は「お仕事小説」のジャンルに入るのでしょうか。でも、冒頭から有川さんの「空飛ぶ広報室」を連想させるシーンから始まります。「広報室」はTBSでドラマ化されてまして、ガッキー(新垣結衣)可愛かったですねぇ~。それと、雑草を食する話は「植物図鑑」を連想させます。どちらも微妙に変えてありますが、あぁ~こういう展開でも書けたんだろうなぁ~、そっちも読んでみたいなぁ~と思えます。(ぜひ膨らませて欲しいものです)

 

お話の内容は、映像の専門学校を出た別府の少年が上京して映像関連会社に入社するのですが、着いたらなんと計画倒産していたのです。それから、バイトをしながら生活していたのですが、ひょんなことで願いが叶います。それから、少しづつ夢に向かって前進していく姿。こういうの誰でもお好きでしょう。「そんなにうまく行く訳ないよ」と言うのは簡単ですが、強く思ってなければ実現しないのも事実。

 

まぁ労働環境は厳しい業界の話です。好きが集まっているので、監督などの無理難題が当たりまえのように通ってしまいます。それもすべて丸ごと受け入れるしかないし、これっと言った技術も経験もない主人公には「走れ」の指示。

「走ることしか能がない」新人だからしかたないよね。こういう考え方に反対の人も多いだろうけど、人は汗している人に共感するものです。彼の汗をちゃんと見ていていれる職場で良かったです。(計画倒産した会社との対比っていう設定でもあるのでしょうね)

 

その中で有川さんの「映像化」に関わる考え方も登場します。有川さんの本や映像化作品がお好きな皆さん、「うん、うん」と言われると思いますよ。

 

有川さんの本を一冊でも読んだとか、映像化作品を見たことのある人には絶対お勧め。

読んだことのない人かぁ~やっぱり先に「空飛ぶ広報室」や「植物図鑑」を読まれることを(私は)お勧めしますね。