21-07-09 「ぼくのトクサツ物語5」 | ヤマダ・マサミ ART&WORK 検:ヤマダマサミ

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主に仕事に関わる、特撮、怪獣がらみのブログです。
ときどき、猫が登場します。

21-07-09 「ぼくのトクサツ物語5」

同人誌の案内です。商業誌でないので徹頭徹尾主観で、自分の体験や想いが主軸の本です。資料もつぎはぎで自分に必要なものばかりです。ですから公式資料になりません。

40年前に高校生だった時に始めた同人誌、同好会の仲間に尻を叩かれて、それでももたもたしていましたが、コロナ禍で生きていくために重い腰を上げました。すると、いまは本当に印刷が綺麗で、思い通りの本になります。私家本ですからモノクロで十分なのです。いつか死んだ時に、ああこういう人が居たのかと思いだしてもらえれば良いのです。

 

さて今回は1クール(13本)の後半の紹介です。放映当時では夏の終わりから秋にかけて。ぼくは5歳でした。

TBSの申し送り書にあったように「ウルトラマン」の始まりは子供に向けシンプルで分かり易くされていて、夜の場面以外は全体にカラッとした感じです。この後半では、特撮よりもドラマの方に力点が置かれ、いったん離れた「ウルトラQ」的な怪奇調の空気が漂います。

同人誌時代、ラテックスの顔のウルトラマンを「ウルトラQ」の顔をしたウルトラマンなどとしたり顔で言い合いました。放映から13年目なので子供の時の印象が強いんです。園児だったぼくは1クールいっぱい怖がって見ていました。そういう人は多かったんです。

 

放映2ヶ月前に「少年マガジン」の表紙で姿を見せたウルトラマン、バルタン星人とネロンガは圧倒的な吸引力です。ぼくはこのときウルトラマンが正義の味方とは思ってなくてなにが始まるんだ!?とドキドキでした。

放映が始まると、子供たちは初っぱなからウルトラマンの魅力に圧倒されました。

そして、1クールの後半へ現れた強烈な新顔がレッドキングです。

タケダ薬品のレッドキングのシールが嬉しくてなりません。フォノシートでは、恐竜とキングコングを合わせたかのような強力怪獣と紹介されました。

ぼくはレッドキングをトウモロコシ怪獣だと思いました。

 

今回、「怪獣無法地帯」にちなんでレッドキングのページを24ページもつくりました。もちろん、チャンドラーやマグラ、ピグモン、スフランを含めて。でも主役はレッドキングなのです。

火山の影響で多々良島に眠っていた怪獣が矢継ぎ早に出現します。科特隊は人命救助のためまるでかつての日本兵の死の行進のように渦中の島を征きます。たった1人の生存者。情感を揺さぶるドラマチックな話でした。

人間に味方したピグモンの純粋な気持ちと、ただただ暴れるしか能がないレッドキング。どちらも同じいのち。

レッドキングは暴力でピグモンを死せることによってウルトラマンによって力で制されました。

どっちも哀れです。ラストの墓標にピグモンへ哀悼を捧げる科特隊を画面で見ているぼくはレッドキングの事で頭がいっぱいになりました。

いまの5歳と違うのはゲームなんかありませんから、怪獣が倒される事に感情移入しちゃうんです。ジラースもドドンゴも可哀相でなりません。そんな事を書きました。

シナリオ、デザイン、造型、メディアに登場した意匠、オモチャ。

夢中になった挿し絵画家たちの競演。その中で異彩を放ったのは当の怪獣デザイナーである成田さんが子供向けに描いた商業表現の絵です。結局、これらを俯瞰する本がありませんから自分で作るんですが。

おととしネットで連載した1966年の各話放映日にちなんだ怪獣たちの話を、加筆訂正しました。

ワルキューレストアで申し込みを受付中です。

 

「ぼくのトクサツ物語5」

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※先着200名限定で特典のポストカードが付きます。

 

私家版 ぼくのトクサツ物語5 

 1966年、ゆく夏 進め!ウルトラマン

55年前のぼく/ソノシートは銀座生まれ/

夏から秋、怪獣ブーム渦中/どくろ怪獣レ

ッドキング/有翼怪獣チャンドラー/地底

怪獣マグラ/怪奇植物スフラン/友好珍獣

ピグモン/ウラン怪獣ガボラ/地底怪獣の

変遷/エリ巻き怪獣ジラース/ゴジラ対ウ

ルトラマン/古谷敏対中島春雄/可愛い怪

獣/脳波怪獣ギャンゴ/ミイラ人間/ミイ

ラ怪獣ドドンゴ/油獣ペスター

資料室 カラーでやってきたウルトラマン

ART & WORKS

 

 

「ぼくのトクサツ物語4」若干部、あります。

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・今回の表紙は現代コミックス「ウルトラマン」のメインライター、あの「遊星少年パピイ」の井上英沖さんの扉絵。安井尚志さんが「宇宙船」の取材をした時にサインをもらいました。その時のものです。ワルキューレストアで予約された方への特典のハガキです(これは非売品)。

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・本文はこんな感じです。成田さんのデザイン、高山さんの造型でレッドキングが姿を見せます。そこから様々な挿し絵画家たちが絵にしました。南村喬之、梶田達二、柳柊二、石原豪人、遠藤昭吾、藤尾毅。けれどもやはり、成田さんの「怪獣カード」の絵は抜きん出た魅力です。地底怪獣の変遷は、東宝のバラゴンからウルトラ怪獣のパゴス、ネロンガ、マグラ、ガボラ、ネロンガを経てまたバラゴンへ戻るまでの経緯を探ります。またジラースとなった赤札堂展示のモスゴジと大戦争ゴジラのてれんこゴジラの経緯を探りました。東宝怪獣にない可愛いヘンテコな怪獣たちのことも。記事の復刻は桜井浩子さんの水着取材。でもプールから顔を出しているものばかり。ビンさんと中島さんの素顔が記事になった「女性自身」も再録します。