20-02-22 猫の日

2020年でにゃんがたくさん。今年はケムールにゃんが未来から来ますね(分からない人にはさっぱり分からない)。

部屋猫4にゃん。通い猫2にゃん。ぼくが通う猫2にゃん。

それに、天国へ行った猫たち。

それに、これから出会うかもしれない猫たち。

猫の日、みんなありがとう。

世界中の猫が幸せになれますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

80回目、モーレツ!無事終了

いやぁ、侵略者来ましたね。新型コロナウイルス。そしてインフルや花粉も順番待ち。そのうち戒厳令なんか出るんじゃないか。日本おわり? しかしここは自然界のバランスが崩れた世界。コロナと言えば、コロナの果てみどりの城ぼくらの故郷~の人たちの集まりです。

実は、一平こと西條さんの2月20日の誕生日祝いをするつもりだったんですよ。

そこで放映にちなんで「クモ男爵」記念をタイトルにしたんですが。

こんな環境で西條さんを電車に乗せるわけにいかなくて、延期になりました。その代わり、電話で、みんなのお祝いメッセージ! 

喜んでもらえました。べそかきそうな西條さんの顔が見えます。

黒澤明の「まあだだよ」で、もういいかい、まあだよ。のやりとりをするじゃないですか。昨年10月にも来てくれた時、2次会で、おれもそろそろかな、みたいな事をいうのですよ。心の中で、まあだだよ。

今日は、「西條さぁん、誕生日おめでとうッ~!」を大声で。

その言葉に、電話の向こうで、ありがとう、元気でたよ。

言葉は違えで、「まあだだよ」のやりとりが出来た気がします。

「クモ男爵」1965年2月の撮影で、しんそこ寒い中、撮影所の沼に頭までつかるんです。掌だけ出して。ところが沸いているはずの風呂の湯をその沼に継ぎ足し継ぎ足しされていて、いざ風呂へと思ったら湯船に湯がない。

そんな定番の話をしてもらうつもりでした。クモは小さいのが来ました。なぜかザンティ星人とノストラ大ナメクジも。次元に迷った未来少年、そんな姿でアレですねぇ。顔ぶれ、すごいですよ(林さんの造型)。

すると、

 

  Q  「(宇宙人の言葉らしき・・・)ーー」

        と、円盤の窓が開き、一条の光線がQに向

        つて放たれる。

        Q、火だるまになり、大声で喚く。

        みるみる燃えつきるQ。

        由利子、目をおう。

        ジツと見る淳。

        Q、黒い固りになつている。

  淳  「彼は任務の遂行に失敗したそれが奴等の掟らし

     いンだ」

  由利子「悪魔のような宇宙人!」

  一 平「糞ツ! あんな奴等に地球をとられてたまるか

      !」

  由利子「あ・・・!?」

        由利子、円盤にカメラを向ける。

        円盤、ゆるやかに上昇する。

        見送る淳たち。

        運転手も警官を介抱する手を止めて見る。

        花沢、電子頭脳を手に立ち止まる。

  花 沢「(安堵の微笑)助かつた!・・・」

        淳と一平、花沢の方に来る。

  淳  「主任! 我々の勝利ですね!」

  一 平「ハツハツハツ・・・ざまあみろ!」

  花 沢「いや、人類の科学が、このチルソナイトの電子

      頭脳を破壊することが出来ない限り、危険はま

      だ続いているンだ」

        円盤、宇宙の彼方へとみるみる小さくなつ

        て行くーー。

                    (F・O)

        エンドマーク。

 

ごっこが始まった。

佐久間さんが一平に扮して、エスパライザーを操ります。なんでもやりますよ、佐久間さん。すると拳銃が宙に浮いた! よく分かんないごっこでした。

鉄人も、来ちゃった。模型グループ、石坂浩二さんのロウガンズのメンバーである栗原さんが、子供受けするのでと、わざわざ着脱式のリモコンにしたもの。ぎこぎこ歩きますよ。一平ピンチ!

 

と言う事で、ピンチはどこまで続くのか。次回こそ悪霊退散!

おっと、今回は久しぶりの3次会がありました。朝5時に解散。

なにを話したかはこわくて言えません(笑)。

 

 

 

<モーレツ!特撮ナイト>81回目!

吉祥寺SORA 

2020年3月27日(金)19~22時 

参加費4.000円 

 

<お約束> 

・予約制です。 

・毎月第2か第3の金曜の19時~22時です。

・前日までに申し込んで下さい。 

・キャンセル受付は前日まで。 

・当日キャンセルは参加費半額負担、連絡なしの当日キャンセルは、料理を用意している店に負担がかかるため、ペナルティとして全額請求させていただく場合があります。ご注意下さい。 

・18名で締め切ります。

●座卓が12席ですので、申し込み順に(席順は自由です)、13人目以降はカウンターにお願いします。

・開始前の来店時間は早くても<5分前>まででお願いします。それより前はお店の準備中です。外で待っていて下さい。早すぎるとお店が困るので厳守です。 

・人数が多くなるとお店の仕込みが大変です。上記、ご協力下さい。

●酒に呑まれないようくれぐれも節度を。ヘベレケになるとみんなの迷惑です。

・2次会は駅前のマック(100円コーヒー!)でやります。

・朝まで話したい場合は3次会になります。3人以上、予め申し出て下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワンフェスと激レアさんとビンさん

先だってのワンフェス。颯爽! 2人のウルトラマンが並びました。

1人は言うまでもなく、ビンさん。もう1人(?)は、なんとビンさんの分身のウルトラマン。え!? 分身とは!?

ぼくはあいにく自分たちのブースを離れる事が出来なくて、その場に行かれませんでした。本当に残念です。またやって下さい。これ、お金払って、真ん中に立たせてもらって、記念写真、あとでサインしてくれる、なんてやったら大盛況ですよ。高額でもいけるはず。やって下さい、円谷さん。

と言う事で、簡単に説明します。ブルーレイ「ウルトラマン」の特典にメイキングがありましたので、ぜひ見て下さい。

円谷プロ50周年の企画を東京国際映画祭でジョイントした事がありました。2013年だから7年前になります。

https://m-78.jp/news/n-2142/

 

その時の目玉が、<古谷敏による47年ぶりのウルトラマン>でした。

新調するウルトラマンスーツは、ビンさんだけが着るオーダーメイド。当時と同じものを再現する事でした。

まず、モンスターズでビンさんの全身の型をとりました。若狭さんがフェイスブックにアップした画像を使わせてもらいます。こんな感じで、ビンさんを裸にして型をとりました。

ビンさん、大胸筋が素晴らしい。裸にしてもそのままウルトラマンですね。感心しました。脱いでもすごい。

特殊メイクに手だれた若狭さんの丁寧な作業で、ビンさんの全身の複製が出来ました。

その全身の複製をマネキンにして、次に品田さんたち、円谷プロ造型部LSSにてこだわりのウエットスーツが制作されます。

マスクは1967年「ウルトラマン」撮影終了後に佐々木明さんからビンさんにプレゼントされたオリジナルモールドのウルトラマンマスクからの複製です。

西村さんの尽力、監修もあって出来るだけ当時のウルトラマン(Cタイプ)に近いものが再現されました。

そして新スーツに腕を通します。

 

2013年10月18日 六本木の国際映画祭

2016年7月9日 杉並公会堂のウルトラマン50周年

 

今まで、この2回、ビンさんのウルトラマンが登場したのは記憶に新しいかと思います。大ニュースでしたね。ビンさんの体型が本当に当時のまま。70歳の時ですよ(この7月で77歳になります)。

またビンさんのスペシウムの形も当時と一緒。

試しに、67年の写真と並べてみます。23歳と70歳。ほぼ、同じ角度。ほぼ、同じ美しさ。みんな愕きの声を挙げました。

1日に300回、鏡の前で形を決めていたビンさんの真骨頂です。

とくに左の掌の反り。指先に気配りをするのは日舞からだと思います。東宝の芸能学校で習ったものが生きているんですよ。

これにぼくたちはやられました(笑)。

ビンさんが、奇跡的に当時とほぼ同じプロポーションである事で叶った企画でした。

若干、身長が縮んだそうですが、すごいなと思います。東宝の生え抜きのスター育成制度で育ったビンさん。ウルトラマンのプロポーションを半世紀、維持してきました。

3回目を見たいです!

そのようなわけで、ワンフェスに登場のウルトラマンはビンさんのマネキンが入った、そのままの分身になります。

ワンフェスの写真は、エドワードさんのモンスターアタックチームから拝借しました。

 

 

「激レアさんを連れてきた。」

バラエティは肩が凝らなくて、若い人が見ますから楽しくて笑いもあって良い内容だったと思います。

詳しい人は、あれがない、これがない、と言いますが仕方ないですよね。愛情たっぷりのみんなですから。

そもそもビンさんの人生を30分では語れません。ポイントとしてはまずまずでした。いつか、映画か朝ドラで「ウルトラマンになった男 古谷敏物語」をやってくれたら? と切に願います。そのときはもっとたくさん描かれるでしょう。

「ウルトラQ」が長かったのは今年が2020年だからですね。「2020年の挑戦」にちなんだ構成なんでしょう。

気持ち的には、その分縮めて、アマギ隊員が出ても良かったかもしれませんし、自伝を書くきっかけが旧友の桜井さんだったり、ひし美さんのイベントで本のお披露目、各地のファンの応援の裏舞台があっても良かったと思います。その先に海外進出があったわけですから。

でも限られた時間で、その事と海外を天秤にかけると、世間受けするのは、たしかに海外で大人気になった事かもしれません。

いや番組としてのオリジナリティとしては最新情報ですよね。

ビンさんだって、本当は、おばあばへの感謝を話したかったと思います。お婆ちゃん子でしたから。

ウルトラマンがやさしいのは、おばあばが見守っていたからです。ビンさん、撮影でつらくなるとマスク越しに掌を見ます。そこにおばあばが居るんだと思って。

イベントで語ってくれた話は、その他まだまだ盛りだくさんです。

でも、日本の番組を知った海外のファンが喜んでくれた。

その気持ちを思えば、不満なんか言っちゃいけない。ビンさんから海外のファンへのプレゼントだったのかもしれませんよ。

 

日本のさまざまなジャンルの俳優さんで、ビンさんのように年に3回も海外のイベントに呼ばれる俳優はそう多くないと思うんです。

国際俳優とされる藤岡さんも渡辺さんも出演の渡米はさんざんあるでしょうが、ファンから来て下さい!と慕われて足を運んだ事はどうでしょう。

世界的スターになったゴジラのイベントでは、主演の宝田さんが苦笑されるほど、もう1人の影の主役、中島さんの人気があったそうです。

これはアメリカが映画の国で、モンスターが1つの象徴である事、また、マスカレードの歴史がある(ハロウィンやパーティの仮装です)、などが要因になりそうです。

スーツアクターという言葉は日本語製英語ですが、いわゆる中の人へ対する敬意は並々ならぬものがあります。映画やテレビで活躍した人が引退したり、余暇があればイベントに招かれます。そこで彼らは輝きます。カナダや南米からもアメリカのイベントに集まる大がかりなイベントが年に数回、ファンとの交流は昔からありました。

その点、日本は半世紀くらい遅れています。40年前に聖咲奇さんからその事を何度も伺いました。アメリカのファンはすごいよと。

いまやっとワンフェスでもスーフェスでもゲストが呼ばれ、ファンとの交流する大きなイベントが定着しました。

そんな時、ぼくらはいつでも会えるみたいな錯覚をもつのは正直なところです。しかし、日本から来るゲストを待つ海外の人にはそんな機会に恵まれるものでもないのでした。

遠い極東のヒーローに憧れる海外のファンにとって、地球を半周して来てくれるウルトラマンの中の人に会える幸運は、生涯にあるかないかです。だから心から喜ぶんです。

海外のファンが日本語で書いた「あなたは世界を変えました」と言う言葉は大げさではなく、彼らの正直な気持ちでしょう。

ま、日本のファンにしたらみんなのビンさんなんですが。

テレビみたいな自由度のある媒体で、結びに海外を持ってきて、それがビンさんの勲章になったとするのはむしろ、上手いと思いました。

 

いつも思うんですが、ビンさんが東宝のスター育成で磨かれたニューフェイス15期(宝田さんが5期)出身と言うのは、かえすがえす僥倖(ぎょうこう)に恵まれたと思うんです。海外へ行ったビンさんの活躍がフェイスブックから伝わって来る。気がつかれた方も居ると思いますが、イベントへ出るとビンさん、その会場で着替えします。3回変えることもありました。ちゃんと正装して出かけます。それがスターのオーラです。

われわれのヒーローが格好良く海外に登場する。それは、われわれにとっても誇らしい事ですよね。

 

 

 

追記。

番組で紹介された新野P。Pはプロデューサーの事ですが、円谷時代は、東宝の出向、制作・俳優担当(配役)です。ビンさんと同期。

ぼくのライター業の先輩の安井さんが仲良くされて、新野さんの書き込み台本を一揃え譲ってもらって、けっこうな資料になりました。「ウルトラセブン」の宇宙人の配役はテロップに出ませんからね。

Pになったのは円谷の後で「傷だらけの天使」「太陽にほえろ」など、東宝のテレビのプロデューサーをされています。局としては、仁義もあってPを付けたのかもしれません。

個人的には、新野さんとビンさんの対談なんかも見てみたいんです。

ちなみに、展示で使われる「Oil S.OS.」(ウルトラQ版)のNG台本なんかも新野さんものでした。配役がやはり貴重でした。

 

 

 

 

 

【図版】

・1967年2月26日放映、メフィラス戦のウルトラマン・Cタイプ。講談社の特写。本当に、寸分の無駄のない、美しいヒーローだと思います。

 

 

・先日のワンフェスの一コマ。見逃して無念の人も多いです。モンスターアタックチームから拝借しました。ビンさんと並ぶウルトラマン、その中の人もビンさん。ビンさんの複製のマネキンが入っています。

 

 

・そのマネキンはこうして作られました。写真は、若狭さんがアップしていたものを使わせてもらいます。特殊メイクに定評のあるモンスターズの丁寧でデリケートな仕事でした。

ビンさん、66年当時はウルトラマンのマスク為、石膏でライフマスクをとられています。石膏は固まるときに熱を出すのでさぞや嫌な思いをしたでしょうね。いまは、よい材料があるからそうでもないと思いますが。

右の写真は東京国際映画祭の舞台。ウルトラマン、すごいオーラです。

 

 

・東京国際映画祭は7年前、2013年の事でした。

 

 

・その時のスタジオ特写が右。左が1967年の2月上旬の撮影。

 

 

・その手のアップ。比較してみました。右手と左手の位置、指の具合、掌とマスクの位置、ほとんど一緒です。47年を経ても!

 

 

・2016年の「ウルトラマン」50周年記念の舞台。ぼくは涙が出ました。だって、目の前に本物のウルトラマンが居たのだから。

 

 

・アメリカの東西南北、ビンさん、端から端に呼ばれますからね。加えて南米、メキシコへも行きました。たくさんのファンに、スペシュームポーズを伝授。

他のゲストのみなさんにも、スペシューム! 世界的有名人たちの中で。中央、「ゴッサム」の若きブルース・ウエインことマズーズさん。

 

 

・少年時代から憧れだったジェームズ・ディーンのお墓参りが出来た事で、ビンさんの夢が1つかなえられたとか。もし、ビンさんがウルトラマンをやっていなかったらアメリカへ行くことはなかったかもしれないですね。ウルトラマンファンは、JDの映画も観ないといけないです。

 

 

 

 

 

 

 

20-02-19

ほとんど固定電話を使わなくなって、それでもセールスの電話が来て、留守録スイッチの音が聞こえて、なんたらの案内です・・・と録音している文言が聞こえて来て、夢から目が覚めました。そのあとすぐどこかで猫の声ががうるさいので起きる事にしてドアを開けると、外猫の銀ちゃんとくうちゃんが、来たよ、の合図でした。

君たち、昼間はご飯出せないよ。と、いつも言っているのに、しょうがないなぁと手を動かす。銀ちゃんはこの冬、まだ2回しか顔を見てなくて、奮発してチャオちゅーるの栄養価の高いやつを1本ずつ小皿にしぼって出してみると、くうちゃんはたいらげるのに、銀ちゃんはお腹すいてなくて、行ってしまった。

痩せてもなくて、どこでご飯をもらっているんだろう。

大家に叱られないようぼくは夜通しカリカリなどを出しておくわけですけど、くうちゃんさえ食べない事があって、心配はつきませんが、たしかに裏の2階に猫を餌付けているおばあちゃんがいるんです。

なんと、猫たち、木を伝わって2階へ上がる。

でもあげているのが煮干しに人間用のカニかまです。なぜ、分かるかって、道に吐瀉するので。

そういうものは、ぼくが片付けないと猫が厄介者あつかいされてしまう。それより、それは体によくないのでやめなさいと猫に言っても猫には分かりません。可愛がってくれるなら、部屋に入れて欲しいし、ちゃんとした猫用のご飯をあげて欲しいんですが。

いつか、この2匹もなんとかしてあげたいんです。ビンボは諸悪の根源ですねぇ。

 

原型を終えて、ワンフェスの売り子も終えて、次の原型進行中。そこへ修正が来る。次の原型を月内に始めないといけないです。いつか、楽な生活になれたらとつねに思っています。

週末、恒例の飲み会<モーレツ!特撮ナイト>の80回目があります。7年近く続いています。2月は「ウルトラQ」の8話「クモ男爵」の撮影と放映日が重なる月。65年の2月に撮影、66年の2月27日に放映。1年寝かせるのもすごいです。クモ男爵記念の集まりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウーの日 その1

1967年2月5日は、「ウルトラマン」第30話「まぼろしの雪山」の放映日でした。

雪ん子が可哀相で、泣きましたよ5歳の園児が。

この話はもう見たくないと言うか見たいけどつらいと言うか。

でも、いまの子供たちには見て欲しいです。

ウーは悪い事はしてないし、悪い大人やいじめっ子ばかりに腹が立って真っ白の雪の世界で正義はどこへ行ったか途方に暮れるのです。

ぼくは東京育ちなので雪の世界が珍しく、その上、吹雪なんて未体験。本当の吹雪を味わうのはこのすぐあと群馬の水上温泉へ行っていから。

幼稚園最後の冬。旅のお伴は、トッポジージョの手踊りでした。発売してすぐ買ったんでしょう(その時に親が録った8ミリがあります)。

子供用のスキーやソリで遊んでいるうちは雪山は楽しく、恐がりのぼくが怪獣も雪女も思い出しもしません。

当時の子供なら共通体験しているんですが「まぼろしの雪山」の少し前の2月2日に「悪魔くん」の18話「怪奇雪女」が放映されました。これは怖すぎた。ウーは愛嬌がありましたからそう怖くはないのに、雪女はすごい顔で怪獣なみに巨大化して迫ります。吹雪の山小屋で逃げ場がありませんでした。

現実の世界でぼくが行った先は群馬だから片道3時間で行ける距離なのに見渡す限り雪の銀世界。雪が降ってくると先が見えなくなる、都内ではありえない非現実の世界でした。ついには興奮の仕方が分からなくなって、崖にトッポジージョを投げて遊ぶ姿が8ミリに録られていました。雪の世界が楽しくて仕方がなかったんでしょう。

その道に、利根川をはさんでさほど大きくない吊り橋があって、親子3人で渡ることになりました。橋の途中で縄が切れたら?死ぬときは一緒だなどと20代最後の親たちがはしゃぐんです。

吊り橋は木製で、ところどころ穴が空いていて下が覗ける上に、風で揺れる。歩いても揺れる。ギシギシ、橋を支える縄も音を立てました。

そんな事を言うから子供がこわがりになるんです。ふと我に返ってしまった。現実の恐怖。

吊り橋は、観光用かもしれません。下は10メートルぐらいのものなんですが、子供には、これで落ちたらもう人生終わりかと思わせる迫力です。

雪山は幻を見せる。渡りきらないうちに吹雪が始まって、ぼくはもう帰る!と、両親を促します。

ホテルへ戻るともう外へ出かけるどころじゃありません。

ウーも雪女もこんなところへ出てきたらさぞや怖いんですが、もっと怖いのは親と別れる事です。吊り橋が落ちなくて良かった。ホテルに戻れて良かった。それだけです。

雪山へ行く機会はそれからありましたけど、吊り橋はそのうち忘れました。雪女もウーも雪ん子も。「ウルトラファイト」(70年)で脳天気にあばれるウーを見たせいかもしれません。

 

経済が急成長していく背景には戦争を経験した世代がしゃにむに頑張って行くからでした。もちろん、その中には、おごりや慢心もあったはずです。なんとか族のような破天荒な遊びや学生運動もありました。

映画ではクレージーキャッツが、テレビでは「てなもんや三度笠」が子供にも人気でした。たしかにテレビばかり見ているとバカになります。でもいまの番組の方がバラエティばかりでバカ製造器ですよ。

少なくても子供向けの番組はどこか志を持ってよくやったと今さらながら感じます。

たとえば子供に容赦ないところ。「タイガーマスク」(69年)は戦災孤児の話です。強く生きないと生きていけない。エンディングの「みなしごのバラード」や「ちびっこハウス」は象徴でしょう。

動物園へ行ったら「タイガーマスク」を思い出して虎舎を見ます。虎はアニメのように吠えなくて残念なんですが、上野界隈にはまだ傷痍軍人がいてアコーディオンの物悲しいメロディが鳴っていた。油断しているとどさくさの誘拐だってあったかもしれない。

社会の表から伏せられて行く不幸は現在は簡単に描けないですよね。新作の「タイガーマスク」がどれも魅力がないのはこういうところがないからですが。

近所に自分より年下の貧しい女の子がいて、日曜の朝パン屋で遭うことがありました。その子はパンの耳の袋を買います。もしかするとタダに近いものだったかもします。

あるとき、体の悪いお父さんの手をとってその子が歩いているのを見て、やっぱり大変なんだと実感します。同時に、うちは良かったと単純に思う。実際は、うちも大変でしたけど。

雪ん子のように天涯孤独な子供はさすがに近所には居ませんが、自分が世の中を知らないだけだったのかもしれません。

 

「まぼろしの雪山」は、スキー場に怪獣が現れて科特隊が調査に出かけるところから始まります。

凍死寸前の猟師がロッジに担ぎ込まれる。熊の親子を追っていた男の目前に現れたのは兎と遊ぶ雪ん子でした。獲物の足跡を消して邪魔をする雪ん子を男はこらしめようと追いつめると、雪ん子は苦し紛れにウーを呼びます。「ウー! ウーよ! 助けてーッ! ウー!」。

 

 その声にいざなわれるように、吹雪の中か

 ら、幻のように姿を表す怪物ウー。

 全身、フサフサとした長い毛に覆われ、顔

 は奇妙に窪み、その奥で細い目が爛々と光

 っている。

 吹きあれる風で、ウーの毛が総立ちになっ

 て不気味である。

 

みんなと仲良く暮らしていきたいだけなのにのけ者にされる雪ん子。落とし穴にはまって村の子供たちに虐められる。

ロッジの支配人はウーはこの地方の伝説の怪物だと科特隊に伝え、気象庁の見解から飯田山が夏も雪に覆われるのは特殊な気流のせいではないと付け加えた。

ハヤタ、アラシ、イデはの調査が始まった矢先、ハヤタが落とし穴にはまります。雪ん子は科特隊に「なんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう、恐ろしい人たちだわ」と言い放ちました。

雪ん子はもちろん人間の子で、ゆきと言い、15年前の大雪の晩この村に現れ行き倒れになった。母親はとうに事切れていたのに赤ん坊は不思議と助かって、そのことから村人から雪女の娘だと恐がれ、炭焼き小屋の老人喜助が引き取った。その喜助も2年前に亡くなって、ゆきは一人になっていました。そう話す支配人に、イデは自分も早くに母を亡くしたと答えます。

ウーが現れた。攻撃する科特隊をとめる、ゆき。

 

 ゆき、はッとウーの方をふり返る。

 ウー、よろこびの身ぶり。

 ゆき、ゲレンデを駈けのぼる。

ゆ き「ウー! 乱暴したら駄目よ! 人間に乱暴働い

    たら、仲間に入れてもらえなくなるわ、さあ、

    山へお帰り! ・・私のことは心配しなくても

    いいの・・ウー! 早く山へお帰り!」

(略)

 ウー、喉を鳴らし、肩を落として、ション

 ボリと帰って行くーー。

(略) 

 ゆき、目に涙を浮かべて見送っている。

 去って行くウー。

 

翌日、一升瓶をかかえた男が落とし穴にはまって死んでいた。村人たちは雪ん子のせいだと口々に言い、警察へつき出すと雪ん子を追いかける。

山の上空を飛ぶVTOL。イデは、ウーは15年前に死んだ雪ん子の母親の身代わりのようだと言うと、アラシは、感傷に捕らわれている場合じゃないと一喝。谷間へロケット砲を撃つ。

村人に追いつめられる雪ん子。ウーが吹雪の中から現れた。VTOLがそこへ突っ込んで攻撃。ウー、ミルク色の突風を吐いて、雪ん子を追いかけていた村人も、VTOLも吹き飛ばす。

足を捻挫してベッドから離れられなくなっていたハヤタに連絡が入り、ウルトラマンに変身。急行する。

ウルトラマンとウーの格闘があってーー。

 

39 飯田山B(昼)

ゆ き「ウー・・ウーよ・・」

 ゆき、ガックリとこと切れる。

 

40 スキー場(昼)

 ウルトラマン、スペシューム光線を発射し

 ようとする。

ゆきの声「ウー・・ウーよぅ・・」

 の声が吹雪に混って悲しく響いてくる、ウ

 ルトラマン、ハッときき耳をたてる。

 ウーもその声をきく。

 「ウ、オ、オ、オーーン」ゆきの叫びに応

 えて悲しく吠えるウー。

 と、ウーの体がみるみる影のようにうすく

 なり、スーッと消える。

 ウルトラマン、辺りを見渡す。

 が、ウーの姿は何処にもいない。

 ショワーッ!

 空の彼方に姿を消す。

 

(略)

アラシ「ハヤタ! いつの間に・・足は大丈夫か」

ハヤタ「科学特捜隊の隊員は、捻挫したくらいで休んで

    いられないからね」

 と笑う。

イ デ「それで、ウーは?」

ハヤタ「幻のように消えてしまったよ。やっぱり伝説の

    怪獣だったんだ」

イ デ「そうか・・雪ん子はどうしたんだ?」

ハヤタ「山へ帰ったそうだ」

イ デ「やっぱりそうか。誰がなんといっても俺は信じ

    るぞ。ウーは雪ン子のお袋さんだったんだ。き

    っと今ごろ、雪ン子はお袋さんの胸に抱かれて

    るぞ。飯田山の向こうで、15年ぶりでな」

ハヤタ「さぁ、帰ろう!」

 

43 雪山(昼)

 ゆき。

 その顔は、白く凍りついて、ゾッとするほ

 ど美しい。

 野うさぎが一匹、ゆきのまわりでとび廻っ

 ている。

 

 

村人やハヤタが落ちた落とし穴は、劇中で説明はありませんが、雪ん子を虐めた村の子供たちの仕業です。誰も真実を求めることなく雪ん子が悪いと決めつける。子供たちの悪意を、逆説的に、あえて説明しないんですね。

唯一、雪ん子へ心を寄せたイデの最後のセリフでさえ白々しくなり、孤独な少女が天に召されてこの話は終わる。

ウーが消えていくのは、ぼくは長く、そのとき雪ん子が死んだんだなと感じていました。シナリオを見ると合点がいきます。

今にしてみれば、炭焼きの老人も行き倒れの女の哀れさも具体的になっていきます。

山で炭焼きをしてひとり暮らすのはサンカか引退した猟師ですよね。雪女の伝説が季節労働相手の女郎であったように、母子もそういう背景があるのかもしれません。そうなると、弱者が弱者をかばう理由がハッキリします。

伝説の雪の怪物に救いを求めるのは世間と隔離した自分らの足下をしっかりさせたいためでしょう。雪の世界から出なければ怪物だって味方だと思いこむ事で後ろ盾が出来ます。ウーの迷信や存在が2人を助けたのは間違いなく哀れでなりません。

人間の生まれが善なのか悪なのか分かりません。しかし世の中にはかならず悪や悪意があります。ささいな虐めから恫喝、喧嘩、果ては陰謀、戦争まで。暴力も権力も上位の者が下位の者をいたぶります。命だって奪います。希望も奪います。

雪ん子は差別の中で望みを絶たれ、それなのに科特隊は呑気に「きよらかな魂の持ち主だった」と明るい顔で帰るのが、ぼくはとにかく、嫌でした。

大人は綺麗事に収めます。大人になればこそ、イデの気持ちが分かりもします。

でも、ここ。金城さんが、雪ん子を助けさせなかったのは、肉体は助かっても、雪ん子の心までは助けらないからでしょう。永遠に不幸と幸福の差は縮まらない。この不幸はなんだろう?

死ぬ事が雪ん子の運命だなんては思いたくないんですよ。子供だった自分も、いまの自分も、答えが見つからないまま、この話はつらいですが、よく出来ています。

 

 

 

 

【図版】

 

・伝説怪獣ウー。首の所に俳優の目線があります。実は背が高いウー。

 

 

・ウーのデザイン画決定稿。成田亨筆。

 

 

・その初稿。仙人のイメージ。

 

 

・ウーの顔のアップ。劇中から。

 

 

 

・決定稿の顔のアップ、デザイン。成田さんの執筆。

 

 

・雪ん子。富永幸子。

 

 

・新調したてのウルトラマンスーツ、雪の中で素晴らしい発色ですね。

 

 

・67年4月発行のコダマプレス「続・うたう怪獣写真カード」から。これ、マスクの耳に手を掛けているのは目とカラータイマーの電飾のスイッチを入れたところだと思うんですが。どうなんでしょう。新しいスーツで馴染んでないんでしょうね。

 

 

・スペシューム光線を撃つか、撃つまいか、ウルトラマン。指先から力がぬけて、ウルトラマンのやさしい顔。

 

 

・エキスプロで出来たてのウー。西村さんが見つけた写真で「大ウルトラマン図鑑」で使わせてもらいました。これはこれで良い顔ですねぇ。

 

 

・怪獣ショーの巡業でくたびれて来た、ウー。68年くらいですかね。飛びだした前歯が摩滅しています。掌が分かります。

 

 

・TBS東丸山スキーロッジにて。67年2月14、15日。撮影終了パーティをしたそうです。そこで子供たちのために怪獣ショーをするために呼ばれたドラコ。ウーとウルトラマンも来ているんですが、富士山にゴジラとキングコングを持っていって予告編で使っているように、カメラを廻したのは予告編のため? 特報も撮ったでしょうね。どうなんだろ!?

 

 

・講談社の「ウルトラマン大全集」に掲載された写真。でもこれ、雪積もってないんですよね。樋口監督の述懐では雪がすごかったと、このあと雪が来たんですかね。このウルトラマン、顔がCタイプですが、体はAタイプ(から改造されたニセウルトラマン)。

 

 

・そのウルトラマン、ゾフィにされますが、それからまたウルトラマンに戻されます。これは67年夏の写真で、ゾフィ改のウルトラマンです。

 

 

・伊豆シャボテン公園で開かれた怪獣ショーの記念写真。拾い写真です。

ウーの日 その2 アルカイックスマイル

TBS映画部の制作から演出に移った樋口祐三は監督の数はこなしてはいないものの、いかにもTBS好みの人間ドラマを見せませてくれました。優しさ、哀しさ、強さ、怖さ。リアリティ。童心と情景。そして幸福の反対側にいる人たち。

同じ金城脚本、樋口作品の「恐怖のルート87」のヒドラもそうでした。交通事故に遭った少年の魂がヒドラに宿ってトラックの轢き逃げ犯を襲う。

怪獣は神に近い存在だと思います。ヒドラは、天災でさえ荒神として祀る日本の風土ならではの暴れっぷり。交通事故死した少年の無念を宿したヒドラは犯人ではない似たようなトラックまで襲いました。

ラスト。ウルトラマンとヒドラの距離感。ヒドラがこれ以上戦うことをヨシとしないのはアキラくんの想いの気がしました。轢き逃げ犯はまだ捕まってませんからね、ここではアキラくんは成仏してないんですよ。

ヒドラの中にもウルトラマンの気持ちを酌んだところがあったのか。アキラくんを肩に乗せてヒドラが去った後日談に、轢き逃げ犯人が自首したとされます。

では、ウーは? ウーも、善行の怪獣です。

ウルトラマンとの決戦の中で、突如消えて行くウーは、戦いの途中で雪ん子が亡くなったことを知る。

ウーにだって人間に虐げられた恨みがあったかもしれません。でも、守るものを失ったウーに、もはや戦う理由はなくなった。

とすると、ヒドラよりも救われません。

 

面白い事に、毎回怪獣を倒し続けて来たウルトラマンこと、古谷敏さんが、そういうやさしい怪獣を望んだ。

金城さんに、ウルトラマンが怪獣を倒さないで済む話もつくって下さいよと頼んだ事がこの2つにつながりました。

 

子供だって、うすうす気づいていますよ。怪獣は悪い事はしていない。ただ大きな体で暴れるだけで人間社会が迷惑をこうむるが、地球の先住生物だった怪獣にとって環境を破壊する人間こそが悪であると。

子供や女性、弱者を庇護する位置に居ると言う意味でヒドラとウーはウルトラマンと同じ立ち位置だと感じます。

 

シナリオの初稿から削られた部分。

冒頭で遭難した猟師の仲間がもう1人いて、雪ん子が助けて小屋で焚き火に当てられていた。

そこへウーがやってくる。

 

 ウー鼻をならして、二人の方へ顔を寄せ

 て来る(親しみをこめて・・)。

 アラシ、吃驚して反射的にスーパーガンを

 発射する

 ウーの長い毛が燃える。

 ウー、雪をつかんで慌ててモミ消す。

 更に発射するアラシ。

 ウウオオーッ!

 両手を空に向かって上げ、悲痛の叫びをあげ

 る。       、、

 柴を小脇にかかえたゆきが、顔色を変えて

 走ってくる。

ゆ き「射っちゃ駄目! ウーを殺さないで!」

 柴をほおり出して、イデにとびかかる。

ゆ き「やっぱりウーを殺しに来たんじゃない! うそ

    つき! 卑怯者!」

 ウー、怒りの表情をみせ、両腕をふりまわ

 して威嚇する。

 アラシ、スーパーガンを発射する

 ウー、雪をにぎって投げつける。

ゆ き「(アラシに)やめて! ウーを怒らせないで!

    帰って! 早く山を降りて!」

イ デ「アラシ、行こう!」

 二人、山小屋へとび込むーー

 ゆき、ウーの方へ前進して、

ゆ き「ウー! ウー! 怒っちゃ駄目!」

 

山小屋から、2人が横になっていた猟師を連れ出して、スノーキャットで山を降りる。

小屋に残された猟銃を、雪ん子が届けに来ると、村人たちにきつく問い詰められ、監禁されてしまう。

翌日、ウーを捜すVTOL。

 

27 飛ぶVTOL・機内(昼)

 アラシとイデ、操縦している。

 眼下に流れる雪の連峰。

アラシ「何処に隠れているんだろう?」

イ デ「昨日、姿を消したのはあの谷間だったな」

アラシ「よし! めざましがわりに一発ぶち込んでみよ

    う」

イ デ「もう、待ってくれ! ・・僕、今度の事件はひ

    どく気が重いんだ。ウーが怪獣であるというだ

    けで、なぜ退治しなければならんのだろう」

アラシ「もう、それを言うな! ロッジのオヤジの言い

    草じゃないが、怪獣は所詮人間社会には入れて

    もらえない、悲しい存在なんだ」

イ デ「そうかな、我々が差別さえしなければ、例え怪

    獣だって猫のように大人しくなり、人間と一緒

    に暮らすことが出来るんじゃないかな」

アラシ「イデ! 雪ん子みたいなことを言うな!」

イ デ「そうなんだ。人間みんなが雪ん子のような心に

    なれば、ウーだって迫害されなくってすむんだ」

 

決定稿と同じ展開で、ラストにナレーション。

 

N  「イデ隊員は、ウーが幻の怪獣であり、雪ん子が、

    雪山の妖精だったのだと、自分の心に言いきか

    せていた」

 

やっぱり、イデとアラシの問答に、金城さんの自問自答をかぶせているように思います。でも押しつけがましくしなくて良かった。見た人が自問自答するからこそ、心に残るんです。

 

 

さて、今回から、ウルトラマンの顔と体が変わりました。

通称、Cタイプ。

30話から39話までの10本ですから、Bタイプの16本、Aタイプの13本(プラス前夜祭で14本)に比べて印象が薄いのが、当時の正直なところです。Aタイプは放映までの3ヶ月間、メディアに出ていますから、実はもっとも長い。

いや、BとCの違いなんて、子供には分からないんです。印刷物を長く見つめているとこことここが違うなんて、成長しながらです。

結果として、この話がCタイプで良かったのは理由があります。

成田さんは、宮本武蔵を引き合いに出して、本当に強い人は戦う直前に笑みを漏らすかもしれないと、美術で言うアルカイックスマイルの説明の例え話で付け加えました。

ギリシャ彫刻の表情ははうっすら笑っています。7頭身の美の黄金比、美の究極がそこにあると成田さんは言います。

また、洋の東西で美意識は重なって、東洋では、仏像たちがかすかに笑っているんですね。人間の理想はどこでも同じなんです。

よくファンは、弥勒菩薩をウルトラマンの印象に重ねられるんですが、成田さんは、弥勒菩薩を意識したことはないが、強いて言うなら、そういう部分でしょうと答えています。

彫刻家だから、成田さんは、アルカイックスマイルがシャープに決まったCタイプが好きなようです。ウルトラマンの完成型と見て良いんでしょう。

Aは、本当に、シワが寄ってたまたま口があんな感じになったもので、Bは、カッコイイ反面、どこかクールで、まったくアルカイックスマイルではありません。

ニセウルトラマンを作った際に、成田さん、正義をあざ嗤うニセ者の口元にアルカイックスマイルを見つけて、これは!と膝を叩いたに違いないです。あの口がヒントになったんでしょう。佐々木さんの造型の自己研鑽の賜です。

Cタイプは、言うまでもなく「帰ってきたウルトラマン」(71年)以降、ウルトラマンの顔に定着しました。私見では、新マンの顔の方が目が上のラインも丸みを帯びて、やさしい顔に見えます。

けれども、初代のCタイプの目の上側のキリッとした力強さは、怪獣を倒さないといけない使命感を思わせます。

 

ウルトラマンは、消えて行くウーとはもう戦わない方がいいと、少し戸惑って、すぐすべてを理解して引きます。ヒドラと同様、手から力が抜けるんです。微妙な芝居ですね。

この寛容さ、懐の深さが、アルカイックスマイルのウルトラマンに見られて、情操的に受け取れるんです。ヒドラよりも救われない今回のような時はとくに良かった。

でもこれは笑っている顔じゃないです。悲しいから、ウルトラマン、困っているんですね。ウーよ、山へ帰りなさい、暴れてはいけない。その気持ちは諭すように思えるんです。

自宅へお邪魔したとき、成田さんは、ウルトラマンのマスクを手にしてぼくにこう言いました。

この顔は時に怒っている顔に見える。時にやさしい。見る者の心を映すかのようです、と。

やさしい人が見れば、ウーと戦うウルトラマンの顔は泣き顔かもしれません。

対するウーのデザインは、成田さんは、金城さんからの注文通り仙人を描いたそうですが、細面の顔にしたら仙人そのままなので、ふっくらさせたようです。まぁ、出っ歯のガラモンですよね。

造型はエキスプロ。デザイン通り、最初は猫の目のような縦の黒目です。ちょっと怖いので、変えたんでしょう。

長い毛は、石膏などの補強で使う麻です。弾着があるため不燃処理されているはずです。

当初は高山さんに来た仕事だったものです。しかしゴルドンもウーも、これ以上にない仕上がりでした。

 

「まぼろしの雪山」は、TBS所有の東丸山スキーロッジを拠点に、内外を撮影に使っています。

67年の2月14、15日に撮影完成のパーティをやったそうで、子供のお客さんのために、ウーとウルトラマン、ドラコまでもっていきました。

もしかすると、特報や予告編などをつくったかもしれません。

その時のウルトラマンは、なんと体はニセウルトラマンの体にCタイプの顔、つまりゾフィの素体、この時出来ていたんですね。初出は講談社の「ウルトラマン大全集」です。講談社の特写なのかどうかは分かりません。関連写真も集めてみました。

ロッジ前の集合写真。何故か、特撮班の皆さんも。円谷一監督、子供たち3人連れて来ています。昌弘さんが、すぐ分かりました。

 

79年頃の「日曜スペシャル」の怪獣特集に、科特隊員に扮した毒蝮さんと二瓶さんがゲストで出演して、蝮さんは、ウーを、安達ヶ原の鬼婆みたいだと言ってました。

 

 

 

 

 

【図版】

 

 

・現代コミックス67年「ウルトラマン8月号」付録の「怪獣大パノラマ」のウー。成田さんの絵。

 

 

・67年5月発売の勁文社「怪獣大絵巻」のウー。成田さんの絵。

 

 

・その付録のカードも成田さんの絵。

 

 

・67年コダマプレス「学習世界怪獣大事典」のカラー口絵のラストがウーでした。この本の最新怪獣。

 

 

・梅田プロデュースセンターの67年12月30日発行「TBSコミックス1月増刊号」。柳柊二のウルトラマンとウー。右に、ちょこっと見えているのは「ウルトラQ」のNG企画「火星のバラ」。最初にして最後のマンガ化。

 

 

・67年朝日ソノラマ「宇宙怪獣図鑑」から、ウーとギガスの吹雪の戦い。雪ん子も困るだろうな。中西立太の絵。

 

 

・コダマプレス「続・うたう怪獣写真カード」。ウーの時間割なんて、普通じゃ発想しないなかなかの企画ですよ。

 

 

・67年講談社「ぼくら 4月号」の巻頭カラー口絵。

 

 

・67年5月キネマ旬報社「世界怪物怪獣大全集」の取材記事。大伴昌司の構成。

 

 

・ノーベル書房怪獣大全集第2巻「最新怪獣のすべて」から、ウーの内部図解。

 

 

・ミュージックグラフ、ふらんす書房を経た、エルム「ウルトラ怪獣大百科」はそれまでの画稿やページを再利用した編集でした。これは「怪獣カラー百科」の前村教綱の絵。

 

 

・80年代、成田さんがLD用に描いたウー。雪山の風景が最高にカッコイイです。

 

 

・これは良かったですね。当時物にこだわって紹介していますが、これは今世紀になっての商品。インスパイヤのウー。

 

 

・講談社「ウルトラマン大全集」の樋口監督の取材記事。

 

 

・雪山に映えるウルトラマン、出来たてのCタイプ。ピントがあってません。朝日ソノラマのファンコレ「ウルトラマン フィルムストーリーブック」の表紙に使われました。

 

20-02-13 ワンフェス土産

先日のワンフェスから、2点。

コミケットには出したそうな「ガラビアGARABEA」。今回は手渡しでいただきました。

ガラモンのソフビやフィギュアを外へ持ち出して写真を撮ってエフェクトをかけたもの。20代の加藤友樹さんの写真集。綺麗で可愛いガラモンのグラビア。幸せな気持ちになれます。

もう1つは、ご存じ「宇宙船」のメインライターだった聖咲奇さんの「怪物園Vol.1 惑星メタルナの昆虫人間」。資料満載。もちろん、文字情報も。

どちらも作者の想いの籠もった1冊です。

 

若い人は積極的に前へ出る事が良いです。ぼくも20代はたくさん恥をかいて、たくさん迷惑をかけました。そのどれもが楽しい思い出になっていて、また、恐縮もするんですが、その時の思いがそのまま現在の根底に残っています。古い友人や仲間たちは財産です。

そんな若くて無謀だったぼくに声をかけてくれた聖さんと、竹内さん、安井さんは、本当に家庭教師のように、たくさんの事を教えてくれました。

だから、聖さんが元気だと嬉しいです。

この本、もうそのまま「宇宙船」です。好きな物への気持ちが赤裸々、相変わらず、熱い!んですね。

あの大好きだった「宇宙船」、「素晴らしき特撮映像の世界」にどれだけ夢が詰まっていたのか!? 10代終わりのぼくのバイブルでした。

聖さんのブレない熱意を40年経って、あらためて感じます。

こういう企画が商業誌ならない現在の状況が残念なんですが、逆に、こんな時代だから同人誌を残さないと、好きで続けた甲斐がないです。みんな、見習わないといけないです.。