26-05-03 ソフビ雑談
ボークス主催のホビーラウンドへ、サルジルシ卓の手伝いに行って来ました。いつも会場で会える人たちと再会の喜びとともに商品も30分で完売して大満足。帰りに現行作業の打ち合わせして仮眠。
心地好く疲れたので仕事はせず、しんこを抱っこして(しろちゃんは触る事が出来ないのでなんども声がけして)そのままぼんやりテレビやネットを見て休息しました。日が明けて作業再開。これから追い込みになります。
台湾のLiaoさんにモンキ(ザ・ウルトラマン)をいただいきました。
よく毎回来るねぇと訊いたら、高円寺に越して来たそうです。応援よろしくお願いします。ピグとザザーンのソフビを出しています。よく日本の玩具の特徴をとらえています。幼少時に遊んだそうで、なるほどと感心します。
あちこちのテーブルで、作者やメーカーが対応、あの手この手が陳列してあって刺激をもらえます。みなさん日がな部屋作業ですから素晴らしい檜舞台の光景でした。お客さんたちもありがとうございました。次は夏のワンフェスで会いましょう。
以下、蛇足で長いので長文苦手な人は飛ばして下さい。
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イベントでよくお客さんから言われるのは、マーミットのデスゴジをやっと手に入れましたとか、画像を見せてヤマダさんのデスゴジ風の商品が増えましたねとか、知らせてくれます。実際、海外の人気は高くフェイスブックでよく見かけます。カスタムペイントはすごくて、20年前の仕事ですから成長した息子と再会する気持ちになります。
ただ絶版のため、内外共にけっこうな値段ですね。メディコムトイが復刻したのはソフビを原型に使った増し型のようで一回り小さい。
面白い事に、昔からその一回りの違いって敏感です。マルサンの最初のウルトラQ怪獣は一回り大きくて、びっくりする。知らなければ気になりませんが。いまやっている企画でも、頭部を2サイズ揃えたら1ミリの違いなのに、大きい方がいいね、とみな口を揃えました。
そのデスゴジ、金型や原型がないのか壊したのか改造したのか、ぼくには不明です。亡くなった新井さんがぼくのデスゴジを大いに気に入ってくれていて、メディコムトイで彼の企画したソフビに、デスゴジテイストを使わせてもらったとなんども話を伺いました。
そんな内訳から3年前に40センチ越えのデスゴジを頼まれた事があります。少数生産の高額商品で市場に滅多に出ません(100万越え!)。出来れば、そう高くせずたくさんの手に渡る商品が望ましいです。
サルジルシのデスゴジは、マーミット版と似せないように口を開けて細身にしましたが、どっしりしている方が人気がありますね。
現在のイベントでは、20年前の生産の5分の1ぐらいの数しかはけないのであの価格になります。安くはありませんから買ってくれた方に感謝です。それが転売されても買ってもらえる現実は同じでどの方へも1人1個。ヤフオクやメルカリの出品に苦笑いしても会場へ来られなかった方には大事なツールなんです。
ところでデスゴジとヘドラは薩摩さんが入っています。デスゴジは本人へ渡す事が出来て、とても喜ばれました。
ぼくは幼少時に日劇の興行でヘドラの実物と対面した事があります。ゴジラもラドンもマンダもカマキラスも展示されていたのに新作のヘドラしか目に入りません。天上に頭がぶつかるサイズ。子供ですからどれくらいの重さなんだろうと抱きついてみるものの微動だにせず。その印象が残りました。
デスゴジの撮影現場は一般誌が報道規制で通えず、発表会へ行ったおり、スタジオの隅に撮影が終わった縫いぐるみと対面出来ました。発光装置と樹脂の皮膚がつけられ見るからに重厚です。どれくらいの重さなんだろうと手を回すとこれも微動だにしません。
あとで薩摩さんに、ヘドラとデスゴジとどっちが重たかったですかと尋ねると、う~んと唸って、答えは出ません。どっちも重たかったと。
その重量級の縫いぐるみを着込んだ薩摩さんがよっこらしょと、踏んばった感じをマーミットのデスゴジへ投影しています(ヘドラも同様に)。
デスゴジには先に理由があって、スタンダードサイズが23センチなのに少し大きくなってしまって、苦肉の策で頭を前に屈めた。その流れのままS字曲線を入れて、全体のリズムにした。アレンジと言えばアレンジですが、そこは縫いぐるみへの想いを逸脱しない範囲で。中の人の覇気が出ればといつも思います。
もともとマルサンの原型師・河本武さんはキューピー人形を作っていた方で、銀行の貯金箱や怪獣を経て、モンチッチが大ヒット商品になりました。
キューピー人形は、見事なS字曲線で構成され、赤ちゃん座りをする腰と脚の付け根の角度がミソでした。そして五月人形のような愛らしくハンサムな表情。
この3つがウルトラQ怪獣に受け継がれ、ブルマァクではさらにリアルになっています。アーストロンやキングザウルス、マグマ大使やゴア、未発売になった超獣やタロウの大怪獣。オレンジやアークの原型もそうです。
自分は、それを規範に、依頼者からのレトロテイストとリアルテイストの比率を組み合わせて原型をやって来ました。
最初に意識したのはマルサンの補填でM1号が出したラゴン、リトラ、ガラモン小などで、実際のマルサンのソフビを分解して角度を見たり嵌着(かんちゃく)の仕組みを考えたものでした。
マーミットでやった10年の間、年に10体以上作っています。たぶん軽く100点以上の原型をやり、後半、怪獣軒、トイグラフの初期のものを引き受けましたが、マーミットが怪獣ソフビから撤退するので、2010年から5年ぐらいあちこちの仕事を引き受けました。
この10年で、山吉屋、サルジルシ、メディコムトイ、スパイラルトイと、毎月やっていますからマーミットと同じくらいの数。
いままでの原型は合わせて200体を越えると思います。
ですが、ぜんぶの商品を持っているわけでなく、メーカーからもらってないものもたくさんあるし、完成品を見てない事も多いんです。
ビンさんがサイン会で、ファンが持ち込むウルトラマンの写真集を見て「これもらってないんだ」と言うと、出版も玩具も尻を拭かない人ばかりだなと思うんです。
画像
・6枚目は、Liaoさんのザザーンとピグのソフビ。
・7枚目は、2年前に取材を受けた時のヤマダソフビの流れ。ルーツはもちろんマルサンにあり。
・マルサンのソフビと同じバランスがキューピー人形にあります。指の隙間まで同じです。赤ちゃん座りがヒットの秘訣でしょう。







