若林映子 | ヤマダ・マサミ ART&WORK 検:ヤマダマサミ

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主に仕事に関わる、特撮、怪獣がらみのブログです。
ときどき、猫が登場します。

若林映子

日本映画専門チャンネルで、東宝チャンピオンまつりの短縮版をまとめてやっていました。

画質が綺麗なのはもちろんなんですが、ダブルメインエベントが「キングコング対ゴジラ」と「シン・ゴジラ」の2本。かといって、それ以外が前座なんてトンデモナイ、ぜんぶ黄金期の作品で、家を出られなくなりましたよ。

途中で入れ替わりで猫が抱っこを所望してきて、気に入ったところ数カ所だけ下りてもらって画面撮りしました。画質はかなり落ちます。

 

思えば子供の時にもっとも多く見たのは「三大怪獣地球最大の決戦」(64年)でした。まず公開時に連れて行ってもらって、パンフがしばらく残っていました。

どこで観たのか、内容も実はそんなに覚えてません。

自分の映画の最古の記憶は品川公会堂(大井町)で観た「ガリバーの宇宙旅行」「わんわん忠臣蔵」で公会堂の風景をよく覚えています。それがどちらも65年なので、記憶がはっきりするのは4歳ぐらいからなのかもしれません。

「地球最大の決戦」はそれからテレビで何度か、チャンピオンまつりでも観ています。

71年、日清のホットケーキの応募に当たって、母と妹と3人で行った日劇の舞台「ムーミンまつり」にこの映画がかかりました(ムーミンの方はスティンキーが出る話でした)。

日劇のフロアに東宝怪獣の縫いぐるみがところせましと飾ってあって「ゴジラ対ヘドラ」のキャンペーンをかねたようです。ぼくが付いていったのは怪獣映画が観られるからです。

いきなりのオープニングのキングドラの鱗に目を奪われる。あれ、すごいインパクトです。それなのに、キングギドラはなかなか出て来ません。

幼少時、ゴジラは怖い存在でした。息子が出来るまで怖かったですよ。

ただ、母に連れられて観に行っている事の安堵と、ザ・ピーナッツ演じる小美人が怖さを中和させる。

大人になってプレスシートを見れば<モスラ MOTHRA>には<母 MOTER>がアナルグラムにされているとあり、インファント島はそのまま<幼児 INFANT>の島であると解説がありました。

だから、モスラは幼虫でも成虫でも母子の物語なんです。

怪獣の依り代・巫女である小美人は、モスラの代弁者でした。

今度の映画に出てくる、怪獣語のデータ集積器オルカは、見た目からも小美人を運ぶ箱と重なります。

初代「モスラ」(61年)で、助けを呼ぶ小美人の声は最初、電子音でした。それを、まるで歌っているようだ、と台詞の注釈が入り、日本へ連れられてきた小美人たちは、歌声として、モスラへの助けを求めます。

ドハティ版で、目覚めた幼虫モスラの声を「歌声のようだ」のところで、モスラ好きな人は嬉しくなりますよね。

 

ゴジラ物を久しぶりに何本かまとめて見ました。

若林映子(あきこ)の美しさが目を見張ります。奧さんにするなら浜さんの方です。2人、本当に素敵。

若林さんは、お姫様の毅然とした態度を見せたかと思えば、続けて見た「キングコング対ゴジラ」ではヒロイン浜さんの友人で控えめな出演ながら、こっちは団地族で、そのギャップが楽しい。

本多監督の演出は人間賛歌です。若者も年寄りも生き生きしています。リアリティの中にユーモアがあって、飽きさせません。

例えば、すっかり地球に馴染んでしまって葉巻加えながら赤外線かなんか充てているX星人。

レディガードの不協和音に舌をぺろぺろ出して、殺人音波だ!って、あんたら大量殺人しに来てるだろうに! いきなり矮小化する。どんどん憎めなくなっていくんです。

オルカが怪獣の声を再生してギドラが焦ってオルカを捜しに来る場面、完全にX星人でした。

話を戻すと怪獣映画につきものなのはヒロインですね。ちょっと母性を感じさせると圧倒的になります。水野久美のフランケンシュタイン物は最高でした。

そうやって本多作品を何本か見ると怪獣は子供へ、ヒロインは大人へ向けた楽しみになっている事が分かります。怪獣ファンは老いてどちらも楽しめる(笑)。

「地球最大の決戦」の見せ場はなんといっても、「ローマの休日」のラストを思わす別れの場面ですよ。

決してパロディになっていない所が本多監督の力量でしょう。別離は哀しい。あそこで、現実に戻される。壮大な夢、見終わって。あー、たっぷり! な感じです。

ところで4匹出てくるのになぜタイトルが「三大怪獣」なのか、本多監督に聞いた事がありました。

「それはね、映画的表現だから。東宝は<3>と言う数字が好きなんだよ」。

たしかに、三人娘、スリーチャッピーズもありますね。

もちろん、ゴジラ・ラドン・モスラ 地球三大怪獣 対 宇宙超怪獣キングギドラ と言う意味ではあるんですが、では怪獣の名前がタイトルに並ぶと外されるラドンの立場は?

 

 

 

・若林映子さんの美貌が際立つ「三大怪獣地球最大の決戦」(64年)から、サルノ王女。

 

 

・自称金星人。塚本研究所にてキングギドラの襲来を告げる。

・志村喬さん、このとき59歳。

 

 

・DVDの時のコメンタリー(2001年)の時のサインだそうです。

 

 

・「007は二度死ぬ」(67年)の時の若林さんと浜美枝さん。

 

 

・アメリカで大人気になった「キングコング対ゴジラ」(61年)から若林さんと佐原健二さん。

・いかにも団地に住んでいるふつうのお嬢さんの顔。

 

 

 

・おまけ。キングギドラの白目、赤いんですよ。