「ああ俺は思うけど本当はいつも痛いんだ


痛くないときだってただ忘れているだけなんだ、


痛いってこと忘れているだけさ。


俺のお腹におできができてるってそのせいじゃないよ、 


誰だっていつも痛いのさ。


だからきりきり痛みだすと何だか安心するね、


自分に戻った感じでつらいけど、安心するんだ俺は。


生まれた時からずっと腹が痛かったからなぁ。」





村上龍


「人は、できるだけたくさんのことを言うべきなのよ。


言葉を発することとは思考するということよ。


頭の中だけで感じたり考えたりするだけではやっぱりダメなの。


そして、言葉って使っていないとどんどん使えなくなるものなのよ。」



大学の先生





自分や物事についてきちんと述べるということは、

自分やその物事とそしてその相手と

きちんと向き合うってことなんだなぁって思う。

謝罪や感謝は行動で示すべきだけど、

その前にまず言葉で伝えなくちゃいけないなぁって思う。

ああ、人と会うことって大切だなぁ。。。涙

「風船が一つ一つとはじけゆき

  やがてたのしくこの世は終わる」


 田辺聖子 

「いやな人間とはたてつづけに会うのに、

 会いたい人にはずうっと会えず、

 それでいて、明日にでも会えるような気がしつつ、

 年を重ねていく。」



田辺聖子


ユナイテッド93
☆☆☆☆


2001年9月11日――
4機の旅客機がハイジャックされた。
3機はターゲットに到達。

これは、その4機目の物語である。



Review:


一人で映画館に行くとなると、ついこうゆう作品を選んでしまうなぁ。

人間の極限状態を描いていて、

心が、丸裸にされてしまうようなやつ。



あの9.11について。

わたしは今まで社会的?歴史的?文脈の中で考えることしかなかった。

ともすると「アメリカだって悪いとこあるのにー」みたいな。

募金をするにもアメリカとイラクへ両方同じ額にしようとこだわったり。


この映画はテロ以前のこと、またそれ以後のことには触れない。

ただあの出来事だけを切り取りドキュメンタリータッチで描いている。

犯人も、乗客の誰も、特別クローズアップされることはない。

名前も分からない。職業も年齢も、どんな家族がいるかも分からない。

そんな彼らが混乱し、泣き叫んだり、祈ったり、犯人の目を盗み家族へ愛の言葉や別れの言葉を残したり・・・


「愛している。息子をよろしく」と電話口にささやくビジネスマン風の男。

あぁ、彼には妻と息子がいるのだと知る。


「母さん、もしも助かることができたらこの仕事もう辞めるわ・・・」混乱の中一番気丈に行動していた客室乗務員が泣きながら話している。



彼らは電話を通して得た少ない情報をもとに自らの運命を悟り、そして立ち上がることを決意する。


「自分達で止めるしかない。こちらは40人だ、何とかなる!」

「武器になるものと体格の良い男を前へ集めろ!」

「オレは柔道をやっていた」

「オレが先頭にいく!」





あの日、たくさんの命が消えたのだ。


「はかない命」とはよく言うが、

命というものは、なんて強いものだろうと思う。

一つ一つの命が最後の最後までもがいている。

最後まで生きているのだ。





真っ暗な心を抱えて劇場を後にする。


その虚無感はすぐさま怒りや悲しみには結びつかない。

「ユナイテッド93」


ユナイテッド93を観て怒りの感情がわかないのは、

衝撃が大きすぎるっていうのもあるけど一体何を怒って良いかわからないからだと思う。

わたしが怒って良いのかも分からないし。


幼稚園から小学校低学年くらいまで、毎晩「神様」にお願いしていた。

「人が人を殺す、というこがなくなりますように。戦争や殺人事件がこの世からなくなりますように」

(ちなみにこれは2番目のお願いで、1番目は「地球が爆発しませんように」)


今はそうゆうお願いしなくなった。なぜかな。



靴に恋する人魚


靴に恋する人魚 2005台湾
★★★★


Story:

生まれつき足が不自由な少女、ドド。絵本が大好きな彼女は、『人魚姫』の話に少し不安を感じる。自分も足が治ったら、声を取られてしまうのかな、と。やがて、手術を受け歩けるようになった彼女は靴を買うのが大好きな美しい女性へと成長した。ひょんなことから歯科医スマイリーと出逢い、2人は幸せな結婚生活をスタートさせるのだったが…。(all cinema)




Review:


ネタバレ


小さい頃、一番好きな童話は「人魚姫」だった。

それは22さいの今も変わらない。

人魚姫は美しい声を奪われ、
王子様に想いを伝えることもできず、
最後には泡になってしまう。
でも、可哀相なお話ではない。

だって、『失うことは、得ることだから』。



映画は、二千足も登場する靴をはじめ、

洋服や家具の彩り・形が最高に可愛くて。

まるで絵本から飛び出してきたみたいだったワンピース宝石白くつ


可愛いものを見ているだけで

どうしてあんなに胸が高鳴るんだろう。


そんな世界で暮らすドドはとてつもなく可愛くって。輝いていて。

「王子様」のスマイリーもすごくすごく素敵だった。
あんなふうに話てくれる人が本当にいるのだとしたら、
わたしも待ちたくなってしまうな(><)・・・そんな王子様を。

マッチ箱を描いてくれるシーンと帽子のシーンが好きだった。



ningyo-hat

 (帽子のシーン。ドドが目を覚まさないように

 縮んでしまったカーテンの代わりに帽子をたくさん被って

 朝日をさえぎってあげてるの。笑)



ドドが足を再び失ってしまってからは、本当に辛かった涙
ドドの顔と映画全体から輝きが消えた。
色とりどりでファンシーな小物ばかりの中、

エンジ色?の車椅子だけは現実的で重苦しく、

それは他のたくさんの色までも暗く閉じ込めてしまった。

もう、ドドは笑わない。

スマイリーは帽子を高く積み上げようとするけど

崩れてしまう。(何もしてあげられない)


すごく大切なものを失ってしまったら、

何を以ってしても埋めることはできないの?

もう何もかも、ダメになってしまうのかと思った。

でも良かった、そうじゃなかった。
人は何を失ったって、ちゃんと得られるんだ。


『本当の幸せとは、一匹の白い羊と一匹の黒い羊を手に入れること。』


白い羊を得ることだけが、「幸せ」ではない。





ningyo2

ningyo


この映画のことは事前に何も知らなくて、

急に思い立って観る事にした。

帰り道に池袋の名画座の前を通ってみたら

丁度、上映が始まる時間だったの。


だから最初の方で

台湾版アメリみたいラブラブって可愛いらしさを堪能していたら、

辛すぎる悲劇が起こってびっくりした。


テーマはありきたりかもしれないし、

終わり方がちょっと好きじゃなかったけど。

(妊娠以降~の場面、要らない気がする。。)

何も情報を入れないで観るのってやっぱり良いなぁ好

すごくすごく楽しめた。


こうやって「偶然」好きだと思える映画に出会えるととても嬉しい心





陽気なギャングが地球を回す
★★★★★

「ロマンはどこだ。」
人間嘘発見機 + 演説の達人 + 天才スリ 
 + 精確な体内時計を持つ女  ・・・犯罪ドリームチーム!!



Review:
すごいすごい大好きラブラブラブラブ
最後の強盗の場面、成瀬(大沢たかお)が机の上の紙を蹴り上げているシーンが一番好きだったな。音楽も良かったのかな?

とても格好良くて、楽しくて、何だか切なくて、泣けてしまった涙

ただ楽しくて楽しくて、でもそれはもろくて。

もうすぐ終わる予感がしてしまったから。


一人一人のキャラクター、一つ一つの場面全部好きだったな。

色使いやテンポも。

「本当は怖かったんだ・・・・傷つけるのが」 臆病な愛が胸を打つ。


小ネタ?の数々も楽しかった。

お気に入り~らぶ②

タブロイド 2005 メキシコ/エクアドル

☆☆☆☆☆


心の闇まで、TVカメラは届くのか――


Story:

マノロはマイアミに拠点を置くラテン系アメリカ人向けタブロイド番組の人気TVレポーター。彼と番組プロデューサーのマリサは、子どもばかりを狙う連続殺人鬼“モンスター”を取材するため、エクアドルへとやって来た。



Review:


怖すぎて泣いた。


人間って怖い。
「モンスター」が怖い。

メディアが怖い。

人間の集団心理が怖い。

人間のエゴが怖い。

全部が狂っているのではなく、

そこには愛や正義がちゃんと存在しているのに、

それを狂気が覆してしまうところが怖い。

愛や正義が、とても弱いものに感じる。

「汚美しい」?!エクアドルの街並やラテン音楽が良かった。


荒神

☆☆☆☆


荒神 VS  侍


Review:


緊張感と笑いのミックス。


登場人物は、たったの5人で

そのほとんどは2人だけのシーンだった。

舞台はとある寺のただ一室で、

ストーリーといえば、「2人の男が戦う」。これだけ。

また、かなりの短期間・低予算で製作されたものみたい。


それなのに、こんなに面白いキラキラキラキラ

静かで不気味なファーストシーンから

どんどん高まっていく映画の「テンション」。


映画って面白いなぁ~ハートにゃ


剣のアクションがとても格好良くて。

わたし普段アクションには興味はないけど、

このアクションシーンは

日本の「チャンバラ」に憧れる外国の映画監督に

ぜひ見せたいって思った。



織り込まれたユーモアは

逆スパイス?のようなや役割で映画の雰囲気をあいまいにし

軽妙さを出していた。

わたしのお気に入りは、ウォッカのシーンと武器を選ぶシーン。


荒神も侍もナイスキャラLOVE