靴に恋する人魚 2005台湾
★★★★
Story:
生まれつき足が不自由な少女、ドド。絵本が大好きな彼女は、『人魚姫』の話に少し不安を感じる。自分も足が治ったら、声を取られてしまうのかな、と。やがて、手術を受け歩けるようになった彼女は靴を買うのが大好きな美しい女性へと成長した。ひょんなことから歯科医スマイリーと出逢い、2人は幸せな結婚生活をスタートさせるのだったが…。(all cinema)
Review:
ネタバレ
小さい頃、一番好きな童話は「人魚姫」だった。
それは22さいの今も変わらない。
人魚姫は美しい声を奪われ、
王子様に想いを伝えることもできず、
最後には泡になってしまう。
でも、可哀相なお話ではない。
だって、『失うことは、得ることだから』。
映画は、二千足も登場する靴をはじめ、
洋服や家具の彩り・形が最高に可愛くて。
まるで絵本から飛び出してきたみたいだった
可愛いものを見ているだけで
どうしてあんなに胸が高鳴るんだろう。
そんな世界で暮らすドドはとてつもなく可愛くって。輝いていて。
「王子様」のスマイリーもすごくすごく素敵だった。
あんなふうに話てくれる人が本当にいるのだとしたら、
わたしも待ちたくなってしまうな(><)・・・そんな王子様を。
マッチ箱を描いてくれるシーンと帽子のシーンが好きだった。
(帽子のシーン。ドドが目を覚まさないように
縮んでしまったカーテンの代わりに帽子をたくさん被って
朝日をさえぎってあげてるの。笑)
ドドが足を再び失ってしまってからは、本当に辛かった
ドドの顔と映画全体から輝きが消えた。
色とりどりでファンシーな小物ばかりの中、
エンジ色?の車椅子だけは現実的で重苦しく、
それは他のたくさんの色までも暗く閉じ込めてしまった。
もう、ドドは笑わない。
スマイリーは帽子を高く積み上げようとするけど
崩れてしまう。(何もしてあげられない)
すごく大切なものを失ってしまったら、
何を以ってしても埋めることはできないの?
もう何もかも、ダメになってしまうのかと思った。
でも良かった、そうじゃなかった。
人は何を失ったって、ちゃんと得られるんだ。
『本当の幸せとは、一匹の白い羊と一匹の黒い羊を手に入れること。』
白い羊を得ることだけが、「幸せ」ではない。
この映画のことは事前に何も知らなくて、
急に思い立って観る事にした。
帰り道に池袋の名画座の前を通ってみたら
丁度、上映が始まる時間だったの。
だから最初の方で
台湾版アメリみたいって可愛いらしさを堪能していたら、
辛すぎる悲劇が起こってびっくりした。
テーマはありきたりかもしれないし、
終わり方がちょっと好きじゃなかったけど。
(妊娠以降~の場面、要らない気がする。。)
何も情報を入れないで観るのってやっぱり良いなぁ
すごくすごく楽しめた。
こうやって「偶然」好きだと思える映画に出会えるととても嬉しい