【孤狼の血】 角川文庫
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、
ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。
飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、
日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。
やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、
暴力団同士の抗争が勃発。
衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。
正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。
【パレートの誤算】 祥伝社文庫
念願の市役所に就職がかなった牧野聡美は、
生活保護受給者のケアを担当する事になった。
敬遠されがちなケースワーカーのという職務に不安を抱く聡美。
先輩の山川は「やりがいのある仕事だ」と励ましてくれた。
その山川が受給者たちが住むアパートで撲殺された。
受給者からの信頼も篤く、仕事熱心な先輩を誰が、なぜ?
聡美は山川の後を引き継いだが、次々に疑惑が浮上する。
山川の知られざる一面が見えてきたとき、新たな惨劇が……。
【朽ちないサクラ】 徳間文庫
米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、
慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、
新聞にスクープされた。
県警広報広聴課で働いて4年、森口泉は、
嫌な予感が頭から離れない。
親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか?
「お願い、信じて」そして、千佳は殺された――。
県警広報課事務の私に、何ができる?
大藪春彦賞作家、異色の警察小説。
【最後の証人】 宝島文庫
元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。
犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、
彼の弁護スタンスだ。
そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも
被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。
果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。
感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、
見事に融合した傑作法廷サスペンス。