初日の夜のこと。
父親がお風呂に入っている間に、
た~ぴんにこう謝った。
「た~ぴん、ごめんね。
お母さん、ちょっときつく怒りすぎたことがあったね。
あんな風に言わなくても良かったなぁって反省してるんだ。
た~ぴんがずっとイガイガの言葉を使うから、
優しくお話ししなくちゃと思っていたのに、
だんだんイライラしてきちゃって、
ついついお母さんまでイガイガの言葉になっちゃったよ。
ほんとにごめん。」
すると、
た~ぴんは私の肩に手を回して、
もう一方の手で私の頭を撫でながらこう言った。
「いいんだよ、お母さん。
ボクはお母さんの気持ち、よくわかるもん。
ボクもいつもイライラしてるから、
よくわかるよ。
だからいいよ、お母さん。」
心の底から癒されるような優しい声である。
乱暴なこともするし、
ここ半年くらいは、かなり乱暴な言葉遣いも目立ってきた。
でも、根っこのところでは、こんな風に優しい子なのだ。
正直言って、本当にしんどい子育てだった。
どこの親もみんなそれぞれ苦労しているとは思うので、
私だけが特別大変だということではないのはわかっているけれど。
でも、時折かけてくれるこの優しい言葉が、優しい声が、
いつも力を与えてくれてきた。
ありがとうね、た~ぴん。
た~ぴんは、私の頭を撫でながら、さらにこう言った。
「これで、お母さんもボクの気持ちよくわかったでしょ?」