遊べ遊べ | 今日もいちにち生きました

今日もいちにち生きました

2016年、直腸癌が再発。
治療の結果、一生の障害を負うことになりました。
2022年胃がん発覚。2023年咽頭がん発覚
3つの癌を抱える今。
以前の私とは生き方が変わりました。
がんと闘い、生き抜くことができた日々。
今日という日をつづります。

ふと人生を振り返る。

それなりに仕事はして来た。
見合うだけの評価と報酬も受けて来た。

もちろん大したものないだろう。
あくまで私という存在に
照らしあわせてのことだ。

けれども疑問もあった。
このままでいいのか。

人生を賭けるような
壮大な目標など持ってはいない。

そんな私がそこそこの仕事をし、
そこそこの評価を受け、
いずれ朽ち果てる。

そういう人生で満足できるのだろうか。
できるかもしれない。

何から何までそこそこだ。
いいじゃないか。

私はそうして生きた。
何を恥じる事もない。

そこそこの人生といえども
それは世界中にどこにもなかった
私だけの生き方であることに
変わりはないのだ。

ただ、私はがん患者になった。
それも再発がん患者だ。

おまけに歳もとっている。
56歳。

生き方を変えてみようと思った。
がんに罹患するのも悪いことばかりではない。

これからの人生を考えるうえで
これ程の機会もそう多くはないだろう。

ではどう生きるのか。
来し方を考えてみた。
私に最も欠けていたものは何なのか。

浮かんだ言葉は、遊び。

がん患者となって感じることがある。

これまで感じることのなかった程の
自由を手に入れたということ。

がんがん患者に対し社会はやさしい。
そのやさしさは自由に繋がる。
少なくとも私の場合はそうなのだ。

では、図らずも手に入れたこの自由、
何に使うのか。

これまでの人生で欠けていたものに使いたい。
あるいは取り戻すといってもいい。

遊び、遊び。
遊んでやろうと思う。

その果てに見えてくるものがあるような気がする。
これまで見えなかった何か。

それを見つけたい。

それを見つけて果てたい。

それが私の生き様なのだと思うのだ。