がん予防とがん治療 | 今日もいちにち生きました

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2016年、直腸癌が再発。
治療の結果、一生の障害を負うことになりました。
2022年胃がん発覚。2023年咽頭がん発覚
3つの癌を抱える今。
以前の私とは生き方が変わりました。
がんと闘い、生き抜くことができた日々。
今日という日をつづります。

食事療法関連本にに必ずと言って良いほど
出てくるデータがあります。

デザイナーズフーズ・ピラミッド


        出典:アメリカ国立癌研究所

上位にランクされている食品ほど抗がん作用が強いという表です。

でもね、何かおかしいと思いませんか。

これが発表されたのは1990年。
今から26年前のことです。

そのデータが、現在の最先端と言われる食事療法研究本に
何の更新されることもなく重要な資料として使われている。


一方、薬剤の方はどうでしょうか。

これまでの抗がん剤に対し、がんに関係する分子を標的賭するため
副作用の少なさで注目された分子標的薬。

イレッサ(肺がん)の承認は2002年。
ゼヴァリン(悪性リンパ腫)は2008年。
アービタックス(大腸がん)は2008年。
アバスチン(大腸がん・乳がんなど)は2013年

免疫療法の分野から夢の特効薬と注目を浴びた
免疫ブレーキポイント阻害剤オプジーボ。

メラノーマに承認されたのが2014年
翌15年には肺がんにも承認されました。

※以上日本における承認年度


ここに挙げた例はもちろん一部に過ぎず、さらに
承認を待つ薬剤群が厚生労働省の前で列を作っているのが現状です。


体を作るのは無論食事です。

一方、即効性を伴ってがんを治すのは薬剤です。

大雑把な言い方をすれば
がん予防は食事の習慣、
がんの治療は薬剤、
ということになります。

しかし、その研究規模の差は
比較にならないほど開いてしまっています。

それは冒頭で述べた事実にも現れています。

デザイナーズフーズ・ピラミッド
26年も前の研究が
今もなお最も信頼されるデータとして採用されている。

しかもこれには前段があります。

ジョージ・マクガばん上院議員。
1972年にニクソンと大統領戦を争った大物政治家です。

その彼がこう言っています。

「政治家になって最大の過ちを犯してしまったよ」

彼の言う過ちとは、大統領戦出馬のことではありません。
アメリカ人の食生活に警鐘を鳴らしたことです。

当時心臓疾患による死亡者数の多さに頭を痛めていたアメリカ政府は
マクガバンを中心に、
被験者3000人を調査し、
2年間かけて5000ページにわたる「レポート」を作り上げたのです。

そこには最も理想的な食事は、
日本人が元禄以前に食べていた食事であると明記されました。

そして、アメリカに蔓延する
病気の原因を肉と乳製品であると断言したのです。

これが世に言う「マクガバンレポートで」あり、
後のデザイナーズフーズの原型ともなったものです。

レポートの発表により何が起きたのか。

全米の畜産業界の強烈な怒りを買ったのです。

大統領候補にまで上り詰めたマクガバンは、
業界の圧力で政治家生命を失いました。

それが彼をして
「最大の過ちを犯してしまった」
と言わしめたわけです。

人間の健康がビジネスによって左右される。

それでもアメリカはまだいいと思います。
デザイナーズフーズの構築まで進むことができたのですから。

日本は、今もそのデータを拝借するばかり。
国レベルでの本格的な研究に取り組んだことなど一度もありません。

がん予防のための食事とはどうあるべきか。

がんに罹患してしまったらどう治すべきか。

この二つのバランスがとれてこそ本来の治療が可能になるはずです。
しかしその実態は、バランスどころか10対ゼロの比率に等しい。

もちろん巨大なビジネスが絡んでいるのが最大の理由でしょう。
だからこそ、政府の主導が必要です。

26年前、アメリカ政府が国の健康危機を打開するため行った政策。
それが今の日本に必要とされているのだと思います。

薬学ニュースは華々しく報道されます。
しかし夢の特効薬と言われた
分子標的薬も免疫ブレーキポイント阻害剤も
当初の期待に比べれば
暗礁に乗り上げているのが実情でしょう。

今注力すべきは何なのか。
がん治療は総力戦です。

一つの手法だけで治癒など望めないことは
昔から分かっていたことです。
だからこそバランスのとれた治療法を必要なのです。

そのためにはどうすべきか。
ビジネス主導であったがために
混乱の域に入ってしまった研究システム。

これを見直すことです。
その意味ではがん対策基本法に多いに期待しています。
これを、あと一歩、二歩、いや三歩進めれば
現代日本版のデザイナーズフーズが構築できるはずです。

現在の薬剤開発にかける費用と設備を使えば
26年前のアメリカなどより遥かに制度が高く
効力がある物が。

エビデンスがないに等しい、仮説岳に頼った現在の栄養学では
あまりに心もとない。

さらに、巨額の費用をかけて世に出た薬剤達の
効力もこれまた心もとない。

繰り返しますが重要なのはバランスです。
がんのような複雑怪奇な病に
たった一つの薬剤だけで対抗しようとすること事態に無理がある。

専門家の先生方、政府のお偉いさん
がん撲滅は日本を救う道でもあるのですよ。

どうか本気で取り組んでいただきたい。
一がん患者の願いです。


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