金木犀 ~黄金の香りに隠された秘密~
ここ武蔵野でも
一昨日
金木犀の蕾を覆っていた
固い鎧が一斉に解き放たれ、
金色の花と
そして得も言われぬ黄金の香りが
辺り一面に漂い出しました。
我が家の
1本の木も例外ではありません。
金木犀は非常に成長が早いので、
放置すると
たちまち背の届かない大きさになり、
樹の形が乱れてしまいます。
だから、
私は毎年短く刈り込み、
この形と高さを保っています。
木にはびっしりと黄金色の花。
これが本当の 純金 だったらな~、と
毎年思うのは
貧乏人根性でしょうか。
染み付いて離れないが、
その分、
何となくこの季節
金持ちになった気がする。
ネッ?どこから見ても純金製の造り物みたいでしょう?
開き始めは、
花もふっくらぽっちゃりしていて
実に奇麗。
やっぱり 純金製 だ。
金木犀の香りは、
なぜか虫たちだけでなく、
人をも寄せ付けるすごい力がある。
そのため、
この木を
県の花にしている静岡県をはじめ、
市町村の花にしているところは
北は茨城県から
南は大分県まで
分かっているだけで
実に27市町村に及ぶ。
しかし
金木犀にとって、
人を寄せ付けても何も得はない。
たまたま人が
その香りを好きなだけなのだが、
この香りに
隠された秘密 があるのをご存知ですか。
秘密とは、
隠されたことを言うのだから、
隠された 秘密 という言葉づかいは
隠された、という言葉を重複させる
間違った使い方 であることは充分承知で、
敢えて使わせていただいているほど、
隠されたことなのである。
実は、
こんなに素晴らしい香りを放つこの木には、
でも、
虫と言えば
一部のハナアブしか訪れません。
そして、
この時期に活動している
モンシロチョウは、
決してこの木には寄ってきません。
花の香りの主成分
γ-デカラクトンが
蝶に対して強い忌避作用を示し、
モンシロチョウを寄せ付けないからです。
普通、
花の香りは、
花粉を運んでくれる昆虫を
誘引する目的で生産されていますが、
金木犀だけは
このような特殊な物質を生産して、
来訪者を選択しているようなのです。
蝶が嫌いで
ハナアブならよろしいという理由は不明ですが、
蝶は
寄ってきたら
必ずそれを餌にする生活を営むし、
桜の木のように
虫だらけになるのが
金木犀は
いやなのかもしれない。
もしそうだとしたら、
なんとも気品のある木で、
いよいよ好きになりそう。
金木犀の
隠された秘密でした。
作品紹介 13 ~版画・獅子の重ね刷り~
版画のことなど何も知らずに、
年賀はがき用にやり始めた版画だから、
テクニックはまるでない。
だから、
同じ絵柄で
背景の重ね刷りに挑戦した時も、
同じ絵を描いて、
片方は盛り上がらせ、
片方は掘り下げれば
重ね刷りができるはず、
ただそれだけで彫り始めた。
「獅子」
女性画みたいに繊細な線など必要でなく、むしろ野太く彫った方が迫力がでる。
これで完成品だったらこれでよかったろう。しかし、名前は別の版に入れてしまった。
だから二枚組み合わせなければ完成品とはならない。
この獅子の、着色されたところを、別の版では掘り下げればいいだけだ。
むしろ、残すより掘り下げる方が簡単だ。
そう思って取りかかったのだが、
出来上がってから不都合に気付いた時には、
もう手の打ちようがなかった。
絵柄の歪みと、
そして刷る時のズレ。
重ね刷りの難しさを
いやというほど味わった。
素人の版画だから、
この程度は
笑って見ていただけるだろうと、
しぶしぶ納得はしても、
己の本心は
それでは承知しない。
あの女性画の繊細さを追求したのは何だったのだ。
この程度を
ピタッと重ねられなくてどうする!
でも、
押し迫っての作品だっただけに
背景をやり直す元気はなかった。
できるだけ
ズレを少なくして、
何とか刷りあげ、
投函はしたが、
はっきり言って悔いが残った。
だから、
途中から
版画に名前のない
一枚目だけで刷りあげ、
そこに挨拶の言葉を入れて投函したものもたくさんあったが、
むしろその方が見栄えが良かったのは皮肉である。
「名前は入れ忘れた!」
問われたらそう答えようと思っていたが、
幸い
誰からも問い合わせはなかったように思う。
でも、
これに懲りて
この後、
重ね刷りには挑戦していない。
素人はやはり素人であった。
この程度のことができない。
きっと、
キチッと重ねる原画の書き方など
何らかのテクニックがあるのだろうが、
このことに関しては
挑戦をやめてしまったので、
いまだに知らない。
しかし、
いつかはきっと
極めてやろうと
密かに思っている。
パソコン解体 ~無料回収・燃えないゴミへ~
随分長く使い、
インターネットは見られるが、
ウィルスバスターの最新版をインストールすると
バタッと機能が止まってしまうパソコン。
解体されるソニーのバイオ。
妻が
家計簿専用に使ってきたパソコンだが、
別のパソコンが来たので
いよいよ廃棄の運命になった。
必要なものは
すべて新しいパソコンに移し替えて
そのまま回収に出すと、
それでも
ん千円取られるらしい。
私は、
我が家の電化製品の
修理屋兼解体屋。
今まで
40インチのブラウン管型テレビや、
一漕式洗濯機など、
すべてこの手で
修理したり解体してきた。
一番の得意は
もちろん解体。
有料ゴミの無料化と、
データ流出防止のため、
解体に取り掛かる。
解体しながら、
中の構造を見るのが好きで、
なるほどこうして作ってあるのか、と
これを設計した人の頭脳に妙に感心しながら、
ネジを一つずつ外していく。
そうすると
最後にはこうなる。
金属部分ばかりを集めたもの。箱型のものは叩き潰して延ばしてある。
テレビは、
大きなガラスのブラウン管を除けば
プラスチックとIC基盤ばかりで、
中身はほとんど空に等しいが、
パソコンは
金属部分が非常に多い。
そして
基盤を含むプラスチック部分。
このような部品は
基盤のどこかの配線が傷ついても、
ハンダで直すという訳にはいかず、
基盤全部を変えなければいけないので、
やむなく新品を、と言うことになる。
現在の電化製品は、
機能がハイレベルになり、
構造が一体化すればするほど
修理が効かない物になるから、
本当にエコなのかどうかは疑わしい。
人でいえば、
胃が悪いだけなのに、
もう駄目だと見殺しにするようなものである。
この解体で、
一番難しかったのは、
まず、どこから取りかかれば
枠を外し
中身を裸にすることができるのか、であった。
すべて解体して、
使ってあるネジを外したら、
たったこれだけ。
あの部品の数からして
この数では少なすぎると
皆さんもお気づきと思う。
それ程
外箱にも中にも
パチッとはめ込むはめ込み式が多用され、
分解のとっかかりがつかめない。
外には
ネジなど一つも見えないのである。
解体に使用した道具。ポンチと小さなドライバーは、テレビでは普通要らない。
テレビなどは、
だいたいドライバー一本あれば大丈夫だが、
パソコンには
大きなポンチと、小さな小さなドライバーが必要だった。
ポンチで、
強引に外箱を外さなければ、
どうにも分解に取り掛かれなかった。
メーカーの人は、
どこから外せば分解できるかを知っているだろうが、
第三者には全く分からない。
最初から、
利用者が修理することなど
全く考えていないのである。
糸口がつかめれば
さほど大きくない品物である。
どうといういことはない。
デスクトップの分解写真。
画面はヒラヒラと言ってもいい。
両サイドに見える細長い黒いものは
スピーカー。
小さいけれど
音楽くらいは聞ける性能を有する。
画面部分を立てると、支えてある枠の厚さでもドライバーの太さとたいして変わらない。
ブラウン管の時代からは考えられない薄さである。
こうして、
各部分に分解されたパソコンは、
金属とプラスチックの
燃えないゴミで、
市の回収車に無料で出せるようになった。
民間の回収屋。
「何でも無料で回収いたします!!」
これに釣られて、
トラックに積み込んでもらってから、
「奥さん、この古い機種は無料ではなく、ん万円頂きます!」 と言われ、
びっくりして下ろしてください、と頼むと、
「人を勝手に使っておいて虫が良すぎるんじゃないか!!」 と居直られ、
泣く泣くん万円支払わされた人もいます。
タダより高いものはない。
くれぐれも
そういう悪質な回収屋に引っかからないように
ご注意下さい。
擬態 ~驚くべき進化の妙・カマキリ ~
カマキリは、
全世界で2,000種とも4,000種とも言われているが、
日本に生息するものとして
登録されているのは
わずかに2科9種にしか過ぎない。
参考までに記すと、
生物は次のように分類される。
分類 ヒトを例にとると 日本のカマキリは
界 動物界 動物界
門 脊椎動物門 節足動物門
綱 哺乳綱 昆虫綱
目 サル目 カマキリ目
科 ヒト科 カマキリ科とヒメカマキリ科の2つ
属 Homo(ヒト)属 -
種 H.sapiens (カマキリ科に7種、ヒメカマキリ科に2種)
となる。
しかし、
カマキリは
住む環境に応じて
個体が勝手に変化するため、
たくさんいるように見えて
戸惑う。
下の写真は
前回のブログで紹介しました
南方産のジャカランタ。
良く見ると
枝の上にオオカマキリ。
ジャカランタは南方産のため、
オオカマキリが
この枝に合わせて擬態したわけではなかろうが、
自分の姿を
良く認識している証拠である。
昆虫は
一体色を何種類くらい識別しているのだろうか。
このオオカマキリは、
完全に枝や葉と同化している。
前から見ると、
もう
枝でしかない。
見ているのが人だから、
ここにカマキリが居ると分かるが、
おそらく虫だったら、
全く気付くまい。
身を守る時の
攻撃姿勢では
鎌を大きく広げるが、
餌を待ち伏せしている時は
きちんと揃えて
かわいいものである。
本当に三角形の頭だな~。
複眼なのに、瞳らしく見えるのはなぜだろう。
この黒くなったところの目で私やカメラを見て、
他の目ではそのほかを見ているのだろうか。
複眼で見たすべての景色を
それぞれ別々に認識できるとしたら、
その判断力は
人に勝ることになる。
人は、たった一つしか見ることができない。
さて、
世界に生息するカマキリの擬態は
こんな生易しいものではない。
驚くべき姿をご紹介しましょう。
下の写真は、ハナカマキリ。
蘭の花に似せた擬態である。
どこからどこまでがカマキリなのか
初めてであれば、
おそらく人でも分かるまい。
これはハナカマキリの終令の幼虫。
何も花のところに居なくても、
葉の上に居るだけで
虫は花と間違って寄ってくるのだが、
余り目立つとわが身も危ない。
だから花と同化している。
カマキリの部分だけを切り抜いてみました。
自分の判断と合っていたでしょうか。
世界は広い。
カマキリだけでもこんなに違う。
最後にもう一つ。
カマキリは昆虫ですが、
蝶やカブトムシなどと違い
卵 → 幼虫 → さなぎ → 成虫 という完全変態をしない。
卵 → 幼虫 → 成虫 と、不完全変態で成虫になる。
さなぎの姿がないのは、
卵から生まれたときに
すでに親と同じ姿をしているため、
一旦さなぎになって変態をする必要がないからである。
何といっても、
全く身動きできない
一番危険なさなぎの状態を回避しているのである。
擬態をしたり
さなぎを回避したり、
これもやはり
昆虫としては進化かもしれない。
カマキリ恐るべし、である。
いつものことながら、
一匹のカマキリでこんなに長くなりました。
お付き合いいただき
ありがとうございました。
秋立ちぬ
流石にこの時期になると
あの猛暑も影を潜め、
一気に秋の気配が濃くなってきた。
夏の間、
しばらく鳴りを潜めていた
あの華やかな薔薇達も、
生気を得て
ようやくまともに動き始めた。
みずみずしい新芽は、
夏の暑さをじっとこらえ、
今さわやかに動き始める。
四季咲きのバラの
第二幕の幕開けである。
ちょっと離れて写すと
まるで森みたいで、
一見、春。
手前から
スーパースターと
ラブアンドピース、
そして奥にまとめて咲くのは
カクテル。
いずれもちょっと
花が小さいし、
淋しい。
いかにも涼しげに
薔薇の中で直立している緑の葉っぱは
南方産のジャカランタ(ジャカランダとも)。
以前行った
モロッコなどでは
並木に植えられ、
季節には
青い花を満開にするのだが、
武蔵野では
残念ながら冬を越せない。
一番後方の
房咲きの紫の花は、
ブットレア(房フジウツギ)。
根元からたくさんの株を出し
こんもりと茂る性質があり、
その香りに蝶が良く集まることから、
バタフライブッシュと呼ばれる。
いろいろな植物の茂る森だが、
ブットレアから先は隣の植木。
我が家のものと一体になって
お互いの家が楽しんでいる。
この時期になって
ようやく動き出した自然だが、
春と違って
物事の移ろいを感じる秋の動き。
山法師の実が美しい。
この写真は2,3日前の写真だが、
今はもう
木になっている実は一つもない。
小鳥に食べられたのではない。
小鳥が食べる前に、
隣の3姉妹が
我先にとみんな
食べつくしてしまった。
食欲の秋である。
この山法師を見ると思いだす。
あの人の家の庭にも
山法師が植えてあった。
今頃
こんな奇麗な実をつけているのだろうか。
それともみんな
小鳥たちにあげてしまっただろうか。
もの思いの秋でもある。






















