『コーヒーの酸味と焙煎方法の関係』

▼『低温焙煎』を解説する!no,24

 

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コーヒー豆を買われるお客様から『酸味の少ない珈琲豆はどれですか?』と言う質問をよく受けますが『コーヒーの味は、基本的には果実の持つ酸味がベース』なので、いつもどのようにお答えをしたらよいのか迷ってしまいます。

 

また、コーヒーの酸味と言うのは、銘柄によっても違いますが『同じ銘柄のコーヒー豆でも、焙煎の良し悪しによっても大きな違い』を生じてくるからです。

 

酸味と言うものについて、果物のパイナップルを例にして少しお話します。

同じパイナップルでも、熟しかたの足りない未熟なパイナップルの酸味は『酸っぱすぎて美味しい酸味』とは感じられませんが、よく熟した完熟パイナップルの酸味は『芳醇で甘酸っぱい美味しい酸味』と感じます。

 

コーヒー豆の酸味もこれと同じです。

豆の芯からシッカリと火の入っていない生焼けの未熟なコーヒー豆の酸味は『刺々しい角があるきつい酸味』となりますが、豆の芯からシッカリと煎られた完熟焙煎されたコーヒー豆の酸味は『まったりとした芳醇な美味しい酸味』に感じられます。

 

つまり、確かにコーヒー豆の銘柄によって酸味の強弱はありますが、一番大きな要因は『豆の芯からシッカリ煎られた、完熟焙煎のコーヒー豆であるかどうか』と言う事が一番大事なのです。

それと、もう一つ付け加えますと比較的『低い温度で焙煎された豆は、味の糖度が高いのでより甘く感じる』と言うことです。

 

毎日、同じように焙煎をしていますが『焙煎窯の冷却が少し強いか弱いか』と言うことでも、煎りあがったコーヒー豆の酸味には微妙な違いを生じてきます。

 

『火力が比較的強く高温短時間の焙煎の時は、酸味は少しきつくなりますがキレのある味わい』に『火力が比較的弱く低温長時間の焙煎の時は、酸味はマイルドになりコクのある味わい』になる傾向があります。

 

同じ素材の生豆でも、焙煎時の火の入り方が少し違うだけで、その味わいに大きな違いが出てくるところが、焙煎の妙味と言うか難しい所でもあります。

焙煎時の火力と言うのは、41年焙煎に携わってきても、いまだによく判らない不思議な代物だと思う時が多々あります。

 

 

 

 

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