▼『低温焙煎』を解説する!no,7
『保有熱という概念 no,1』
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『焙煎は火力だけでしているのではなく「保有熱」という焙煎機と焙煎機周囲の環境に含まれているトータルの熱量で豆を煎っている』と言うのが41年の焙煎経験から導き出された私の結論です。
「低温でコーヒー豆を焙煎すると独特の甘味のあるコーヒーになる」と言うことは、経験的に早くから判っていましたが、低温で豆を煎るということは「そんな単純明快な話ではない」のです。
何の準備もなく『ただ低温で焙煎をすると』熱量不足から必ず『何となく頼りない味のコーヒー』が出来上がるからです。
更に『季節の外気温の変動』は豆の煎り上がり方に大変大きな影響を与えます。
『保有熱という概念』に気づくまでは、季節によって生じる『焙煎のブレ』が大きな悩みでした。
焙煎データを蓄積しながら「消去法」のようにいろいろな煎り方を試した結果、ようやくたどり着いたのが『保有熱』という概念です。
『保有熱』とは・・
フライパンで炒め物をする時の事を想像してください。
「フライパンをキチッと温めずに冷たい状態の時も、逆に加熱しすぎて熱すぎる状態の時も、炒め物が上手くできなかった」という経験はないでしょうか?
お湯を沸かす時に、夏と冬とではお湯の沸くスピードが違います。
『水温と外気温が夏と冬とでは全く違う』からです。
それが『保有熱の違い』と言うことです。
焙煎を取り巻く環境も、四季によって全く違います。
季節によって外気温(室温)が違います。
焙煎機自体の冷め方も、季節によって違います。
生豆自体の温度も季節によって違いが生じています
「1年365日」同じような火力・同じような煎り方のタイミングで焙煎をするにはあまりにも、焙煎を取り巻く環境が違うことに気づいたのが『保有熱という概念』の始まりです。
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