大人のアトピー性皮膚炎が難治性といわれるのは、幼児期のアトピー性皮膚炎とは違い、さまざまな原因が複雑に絡み合い、一つ、二つ、解決したところで完治できないところにあります。
その原因の一つが、今回ご紹介する「甲状腺機能低下症」。
はじめて聞く人も多いのではないでしょうか
実は、私も妊婦検診の際に特殊な血液検査をして診断されるまで、全く知りませんでした💦
この病気は、首の真ん中あたりにある、甲状腺の機能が低下し、そこで作られるはずの甲状腺ホルモンの量が低下することで、心と身体にさまざまな影響がでます。
甲状腺の病気には、逆に甲状腺ホルモンが出すぎてしまう「バセドウ病」というものもあって、歌手の絢香さんが公表されているので、こちらの方を知っている人の方が多いかもしれません。
この甲状腺機能低下症は、最初、「なんかだるいな」「なんかやる気がでないな」といった、よくある疲れ気味のような症状なので、それで病院に行こうという人は少なく、気づいていない人も多いです。
ですが、進行するにつれ、朝起き上がれなくなったり、顔がむくんだり、食事量は変わっていないのに太ってきたり。
さらには、
肌が乾燥し、きめが粗くなってきます
そうなんです。アトピー性皮膚炎のような症状が出てくるんです💦
甲状腺ホルモンは、代謝にも大きくかかわるホルモンなので、低下すると代謝が落ち、細胞が生まれ変わる周期も長くなります。
肌荒れが治りにくくなるということ。
中には、肌荒れに悩んでアトピーだと思っていたら甲状腺機能低下症だったという人もいますし、また、併発している場合は、ステロイドをはじめ外用薬だけの標準治療では、治りにくくなります。
でも通常、アトピー性皮膚炎と診断され行う治療は、外用薬が基本です。
通常の皮膚科医は、まず甲状腺機能低下症を疑ってはくれません
もし、アトピー性皮膚炎と診断されていて、標準治療ではなかなか治らず、さらに上記のような甲状腺機能低下症の症状があるなら、簡単な血液検査で分かるため、検査をおすすめします
甲状腺機能低下症はどうしてなるの?
甲状腺機能低下症の原因はさまざまですが、実はその一つがアトピー性皮膚炎とも大きなかかわりがあるストレスだといわれています。
甲状腺ホルモンが正常に分泌されるためには、副腎から分泌されるコルチゾールとよばれるストレスホルモンが適量でなければなりません。
多くても、少なくても、甲状腺は影響を受けホルモン量が狂ってしまうのだそうです。
はい、色々アトピー性皮膚炎のお勉強をされている人は、もうお分かりですね!
本来、人は多少の炎症があっても、副腎からこの炎症を抑える天然のステロイド「コルチゾール」を分泌し、抑えてしまいます。
しかし、ストレス過多になり、ストレスホルモンでもあるコルチゾールがやっきになってストレス退治にかかりきりになってしまうと、炎症を抑える要員が足りなくなり、自力では炎症を抑えることができず、外用薬としてステロイド(コルチゾール)を塗って補うことになってしまう、、、
という悪循環がアトピー性皮膚炎の原因でもあり、なかなか治らない理由の一つでもあることが分かっています。
そのため、本来アトピー性皮膚炎の治療には、ストレスコントロールが重要にもかかわらず、それを教えてくれる皮膚科医はほとんどいません
で、話を戻します。甲状腺ホルモンが正常に分泌されるためには、コルチゾールの分泌も適量でなければならないのでしたよね
でも、アトピーさんは、そもそもストレス過多でコルチゾールが急性期であればめちゃくちゃ増えてますし、疲弊期であれば極端に減っています💦
適量ではないですよね
そうなんです。アトピーさんは、もれなく甲状腺機能低下症に陥っている可能性が高いんです。
甲状腺機能低下症と診断され、数値がかなり低い場合はホルモン剤を飲みます。
自分が出せない分を薬で補うため、症状は一旦和らぎます。でも、薬をやめれば元の木阿弥。
なぜかって根本原因である、ストレスコントロールができていないからです
お分かりいただけましたでしょうか?
大人のアトピー性皮膚炎の原因の多くが、ストレスだともいわれています。
ストレスは副腎から分泌されるコルチゾールの量を増やします。短期的なストレスは、一時的なコルチゾールの増加で治まりますが、長期的なストレスはやがてコルチゾールを枯渇させ、体の炎症を抑えられなくなります。
と同時に、実は、甲状腺もこの影響を受けて機能が低下し、さらに肌から潤いとキメを奪っていきます。
ちなみに、甲状腺は体の代謝やエネルギーに深く関係する部分です。
そのため、甲状腺ホルモンが低下すると、エネルギーをつくることができなくなり、心も無気力になっていきます。ある意味、鬱のような状態。
顔からは表情が無くなり、出かけるのも、お風呂に入るのも、ご飯をつくることも食べることも億劫になります。
アトピーさんは、ただでさえアトピーという苦しみの中で一生懸命に生きています。そこに甲状腺機能低下症まで加わったら。。。
かつての私がそうでした。子どもを送り出してから帰ってくるまで泥のようにソファで動けなくなり寝ていました
そして、帰ってきたらほんの僅かなエネルギーを振り絞り家事や育児をこなす日々。
そんな、エネルギーのない自分を毎日責めてばかりでした
エネルギーが欲しい、とにかくエネルギーをくれと、整体や針や怪しい水にも手をつけました
でも、エネルギーは全くといっていいほど、蘇りません。
なぜなら、ストレスはぜんぜん減ってねーーーーー!!!からです
だからこそ、アトピーさんに大きな声で言いたい!!
ストレスコントロールをしましょう!!って
何も、山にハイキングにいけとか、趣味をみつけて楽しめとかそんなことばかりではないんです。
「何食べたい?何したい?」って、コンビニでおやつ買ってあげたり、大好きな漫画を課金して読んだり、子どもや旦那さんを優先して残り物食べてた自分に、一番美味しそうなところをあげたり、
自分を一番大事に扱ってみるところから、ぜひはじめてみてください
あと、ストレスが溜まりすぎているときには、思いっきり泣くのが一番!!
嗚咽するくらい泣いてあげると、張り詰めていた交感神経から、一気に副交感神経支配になって、カチンカチンに固まっていた脳も柔らかくなりますよ
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