3歳秋のチャンピオンシップ JBC協会協賛

HITスタリオンシリーズ テレビ岩手杯

第53回 不来方賞(M1) (ストロングリターン賞)

〔ダービーグランプリ指定競走〕

盛岡競馬場3歳オープン・ダート2000m 

9月5日(日) 18:15発走

 

不来方賞の創設は1969年。岩鷲賞と並び、岩手競馬で最も古い歴史を誇るが、一貫して同じ条件(サラ3歳)で行われているのは不来方賞のみ。長きにわたって元祖・岩手版ダービーとして親しまれてきた。また不来方賞は岩手クラシック三冠目であり、3歳秋のチャンピオンシップ2020総決算・ダービーグランプリへの道。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。

 

【注目馬情報】

★リュウノシンゲン

昨年12月、寒菊賞から重賞5連勝中と破竹の進撃。ダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)と完勝して二冠を達成。ぶっつけで不来方賞へ臨みますが、岩手三冠は通過点。全国交流・ダービーグランプリ制覇を目指し、満を持して登場。ロックハンドスター以来の三冠馬に王手をかけました。

 

★ゴールデンヒーラー

牝馬重賞・あやめ賞を完勝後、牡馬クラシックへ名乗り。ダイヤモンドカップ2着、東北優駿4着に敗れましたが、やまびこ賞、ひまわり賞(オークス)を連勝。得意の盛岡で打倒リュウノシンゲンに燃えています。

 

★マツリダスティール

昨年、盛岡芝4戦4勝で2歳馬にして最優秀ターフホースの座を獲得。今シーズンはなかなか軌道に乗れませんでしたが、古馬交流・せきれい賞3着からイーハトーブマイルを圧勝。ダートも問題ないことを証明しました。

 

★サンエイマジック

岩手二冠・ダイヤモンドカップ、東北優駿で3着。前走案外でしたが、2000m延長で反撃に転じます。

 

★トーセンダーウィン

南関東未勝利ながら2着2回3着5回。1800m3着2回に加え、羽田盃へ挑戦した経験が不気味。

 

文 松尾 康司 

 

 

創設は1997年。第1回から第3回まで水沢2000mで実施され、第2回は地元の雄メイセイオペラが圧勝。その後、南部杯、フェブラリーS、帝王賞とGⅠレース3勝する礎を築きました。第4回以降は舞台が盛岡ダート2000mへ移り、現在に至っています。昨年はマスターフェンサーが優勝。続いて白山大賞典、名古屋グランプリとグレード3連勝を飾りました。

 

 

 

【注目馬情報】

★マスターフェンサー 牡5歳 角田晃一きゅう舎(栗東)

中央ダート2勝からダートの最高峰アメリカ・クラシックへ連続挑戦。ケンタッキーダービー6着、ベルモントステークス5着に善戦しました。帰国後も2勝マークしてオープン入り。ブリリアントS、スレイプニルS2着からマーキュリーカップへ参戦し、豪快なまくりを決めて完勝。待望の重賞制覇を果たすと、以降も白山大賞典(JpnⅢ)、名古屋グランプリ(JpnⅡ)とダートグレード3連勝。今シーズンはダイオライト記念から始動して4着、平安ステークス11着。精彩を欠いている印象がありますが、ゲンのいい盛岡ダート2000mで主役を奪回。復活を果たし、秋のビッグレースに向けて弾みをつけたいところでしょう。

 

★ヒストリーメイカー 牡7歳 新谷功一きゅう舎(栗東)

中央2戦0勝から金沢で秘めた素質が開花。10勝をマークして中央へ再転入。オープンまで出世しました。昨年は平安S4着からマーキュリーC4着。優勝マスターフェンサーから1秒1差と水を開けられましたが、みやこS2着で覚醒。東京大賞典(JpnⅠ)で4着ながら0秒1差まで肉薄し、今季もマーチS2着。続くアンタレスSは後の帝王賞馬テーオーケインズの2着。奥手が初重賞を手にする絶好のチャンスを迎えました。

 

★バンクオブクラウズ 牡4歳 石坂公一きゅう舎(栗東)

デビュー3戦目に初勝利をあげ、以降も敗戦を糧に着実に成長。今年2月に3勝クラスを卒業直後、名古屋大賞典へ挑戦。クリンチャーの2着を確保しました。ここ2戦は2着でしたが、前走は出遅れながらも直線半ばで先頭。収穫ある一戦となりました。盛岡ダート2000mと東京ダート2100mは連動性が高いことで定評がありますが、同条件で4戦2勝2着2回と連対パーフェクト。昨年の覇者マスターフェンサーと同じ道のりを歩んでいます。

 

★デルマルーヴル 牡5歳 戸田博文きゅう舎(美浦)

2歳時に兵庫ジュニアグランプリを制し、全日本2歳優駿(JpnⅠ)2着。翌年はUAEダービー(ドバイ)へ遠征して4着。帰国後はジャパンダートダービー、レパードステークス、白山大賞典と3戦連続で2着。勝ち切れないレースが続きましたが、名古屋グランプリで待望の重賞2勝目。昨年はフェブラリーSからマーキュリーCへ臨んで2着、続く日本テレビ盃でも2着を確保しましたが、以降は着外の連続。ここを復活の舞台に選びました。

 

★ラストマン 牡4歳 戸田博文きゅう舎(美浦)

父はダート界の大種牡馬に君臨したゴールドアリュール。デビューから一貫してダート1600m以上を使われて4勝2着2回。同族にクリソベリル、アロンダイトなどダートの頂点を極めた強豪がずらり。地方ダート未経験だが、血統背景は文句なし。マーキュリーカップをきっかけに大きく羽ばたくか。

 

★クインズサターン 牡8歳 安田武広きゅう舎(北海道)

マーチステークス、武蔵野ステークス2着。アンタレスステークス、平安ステークス、根岸ステークス3着。JBCクラシック(浦和)4着。グレード制覇は果たせませんでしたが、上位を確保。昨年8月、南関東を経て北海道入り。圧巻の4連勝で道営記念も制しました。今季もコスモバルク記念優勝で健在を誇示しています。

 

★エンパイアペガサス 牡8歳 佐藤祐司きゅう舎(水沢)

前走、一條記念みちのく大賞典を制し、メイセイオペラ(3連覇)以来の3度目制覇の偉業を達成。自身の持つ岩手競馬重賞タイトル記録数を18に伸ばしました。マーキュリーカップは2018年に挑戦してミツバの7着。ほかに浦和記念6着の成績があり、5着入着へもう一伸びしたいところです。

                                        (文/松尾 康司)

 

 

 

農林水産大臣賞典

第49回 一條記念みちのく大賞典(M1)(ニューイヤーズデイ賞)

水沢競馬場3歳以上オープン・ダート2000m 

6月20日(日) 18:05発走

 

 

岩手競馬古馬の最高峰・みちのく大賞典の創設は1973年。ダート・クラシックディスタンス2000mを舞台に熱戦を繰り広げ、岩手競馬史に残る強豪がずらりと名前を連ねてきました。昨年はランガディアが重賞3連勝を飾り、JpnⅢ・マーキュリーカップでも3着健闘。4歳以上最優秀馬に選ばれました。1着馬はそのマーキュリーカップへの優先出走権を獲得します。

 

 

 

【注目馬情報】

★エンパイアペガサス

昨年、北上川大賞典、桐花賞を制して重賞17勝。岩手競馬新記録を樹立しました。今季初戦4着でしたが、シアンモア記念でクビ差2着に惜敗し、帝王健在を誇示。今回は史上2頭目の3度目制覇の期待がかかります。

★ヒガシウィルウィン

シーズン初戦・赤松杯を叩かれて動きが一変。シアンモア記念で接戦を制し、JpnⅠホースの底力を見せつけました。2000m対応が課題ですが、JDD、東京ダービーと同じ距離。問題はなさそうです。

★チャイヤプーン

南関東から里帰りして2連勝。シアンモア記念は3着に敗れましたが、トライアル・あすなろ賞1着で軌道修正に成功。水沢2000mは2戦2勝と最も得意とする舞台。シアンモア記念の雪辱に燃えています。

★ヤマショウブラック

仕切り直しの今シーズン1勝2着1回。あすなろ賞でも3着を確保して上昇ムード。距離延長は望むところ。

★パンプキンズ

連覇を狙ったあすなろ賞で強じんな粘りを発揮してアタマ差2着。今回も自分の競馬に徹するのみ。

   文 松尾 康司  

“ダービーシリーズ2021”「第29回東北優駿(岩手ダービー)」は1番人気リュウノシンゲンが完勝!

岩手3歳三冠路線の第1戦・ダイヤモンドカップに続き、見事ダービーの栄冠を獲得!!岩手3歳二冠を達成しました。

 

■ 勝利騎手コメント 坂口 裕一 騎手

「調教師さんからの作戦の指示は特に無くて、行ければハナに行こうかなとも思ったのですが、ファッベラがハナを主張してきましたし、距離も考えて2番手に控えました。ゴールデンヒーラーがすぐ後ろに付けてきましたが、見える位置でしたから自分としては気が楽でしたね。

 勝負所が迫って、逃げていた馬が下がって来たので、そこからは自然に、馬任せに先頭に立った形。直線は後ろから差を詰められたんですけれども、バテたわけではなくて遊んでいた感じ。後ろからの馬の気配を感じたらまた伸びてくれましたから、交わされるとは思っていませんでした。

 今回は勝たなければいけないと思っていましたが、馬の力を出せれば勝てるだろうとも思っていました。馬の状態も良かったですから、そんなに緊張する事無く挑む事ができました。

 2000mになると折り合いがつきにくいところも感じますが、3歳になって馬体的にも精神的にも成長している。全国区の馬との戦いになっても必ず対応してくれる馬だと思っています。次戦が遠征なのか休養なのかは分かりませんが、次のレースも応援よろしくお願いします」

 

■ 優勝調教師コメント 菅原 勲 調教師

「レースでの位置取りは特に指示は出さず、2番手でも3番手でも良いと思っていました。道中は良いのですが一頭になるとちょっととぼける様なところがある馬ですので、途中で直線に立ったところでそれが出た感じ。最後迫られても交わされるとは思っていませんでしたが、馬がちょっと遊びすぎでしたね。もっと楽に勝てる力がある馬だと思っていますからね。

 このあとも順調であれば遠征レースをしてみたいですし、そうでなければ夏休みの休養をして秋に備える。その辺は馬の状態を見ながら考えたいと思います」

 

 

 

 

【参考情報】

※リュウノシンゲン号は3歳二冠を達成

※リュウノシンゲン号は重賞7勝目

※坂口裕一騎手は東北優駿初制覇

※菅原勲調教師は東北優駿初制覇

“ダービーシリーズ2021”

日本レーシングサービス・JBC協会・社台SS協賛

第29回東北優駿(岩手ダービー)(コパノリッキー賞)(M1)

水沢競馬場3歳・ダート2000m 

6月13日(日) 18:15発走

 

 

“ダービーシリーズ2021”第5弾は水沢2000mが舞台。一昨年、岩手ダービーは東北優駿に名称変更され、昨年は岩手クラシックを再構築。一冠目・ダイヤモンドカップ、二冠目・東北優駿、三冠目・不来方賞の体系を確立しました。さらに今年は1着賞金を増額し、特に東北優駿は倍増の1000万円。名実ともに“岩手のダービー”に位置付けられました。

 

【注目馬情報】

★リュウノシンゲン

昨年9戦7勝、重賞4勝をマークした昨2歳最優秀馬。今シーズンもスプリングカップ、一冠目・ダイヤモンドカップを連勝し、地元に敵なしを誇示しています。馬体重も昨年から大幅に増加してさらにパワーアップは歴然です。順当に二冠目・東北優駿(岩手ダービー)を制し、全国制覇を目指すステップとしたいところでしょう。

★ゴールデンヒーラー

こちらは知床賞、プリンセスカップと交流重賞2勝で最優秀短距離馬に選ばれた実力牝馬。今季初戦・あやめ賞を貫禄勝ち後、牡馬クラシック・ダイヤモンドCへ挑戦。完敗2着でしたが、距離延長を味方に逆転を狙います。

★サンエイマジック

南関東2戦1勝から帰郷後は勝ち星こそありませんが、ダイヤモンドカップで3着を確保しました。多少、じり脚タイプの印象ですから2000mは望むところ。流れが合えば2頭に割って入るシーンも十分考えられます。

★グランフォロミー

昨寒菊賞、金杯でリュウノシンゲンの2着。復帰2戦は案外ですが、休み明け3戦目で今度こそエンジン全開。

                                        文 松尾 康司