創設は1997年。第1回から第3回まで水沢2000mで実施され、第2回は地元の雄メイセイオペラが圧勝。その後、南部杯、フェブラリーS、帝王賞とGⅠレース3勝する礎を築きました。第4回以降は舞台が盛岡ダート2000mへ移り、現在に至っています。昨年はマスターフェンサーが優勝。続いて白山大賞典、名古屋グランプリとグレード3連勝を飾りました。

 

 

 

【注目馬情報】

★マスターフェンサー 牡5歳 角田晃一きゅう舎(栗東)

中央ダート2勝からダートの最高峰アメリカ・クラシックへ連続挑戦。ケンタッキーダービー6着、ベルモントステークス5着に善戦しました。帰国後も2勝マークしてオープン入り。ブリリアントS、スレイプニルS2着からマーキュリーカップへ参戦し、豪快なまくりを決めて完勝。待望の重賞制覇を果たすと、以降も白山大賞典(JpnⅢ)、名古屋グランプリ(JpnⅡ)とダートグレード3連勝。今シーズンはダイオライト記念から始動して4着、平安ステークス11着。精彩を欠いている印象がありますが、ゲンのいい盛岡ダート2000mで主役を奪回。復活を果たし、秋のビッグレースに向けて弾みをつけたいところでしょう。

 

★ヒストリーメイカー 牡7歳 新谷功一きゅう舎(栗東)

中央2戦0勝から金沢で秘めた素質が開花。10勝をマークして中央へ再転入。オープンまで出世しました。昨年は平安S4着からマーキュリーC4着。優勝マスターフェンサーから1秒1差と水を開けられましたが、みやこS2着で覚醒。東京大賞典(JpnⅠ)で4着ながら0秒1差まで肉薄し、今季もマーチS2着。続くアンタレスSは後の帝王賞馬テーオーケインズの2着。奥手が初重賞を手にする絶好のチャンスを迎えました。

 

★バンクオブクラウズ 牡4歳 石坂公一きゅう舎(栗東)

デビュー3戦目に初勝利をあげ、以降も敗戦を糧に着実に成長。今年2月に3勝クラスを卒業直後、名古屋大賞典へ挑戦。クリンチャーの2着を確保しました。ここ2戦は2着でしたが、前走は出遅れながらも直線半ばで先頭。収穫ある一戦となりました。盛岡ダート2000mと東京ダート2100mは連動性が高いことで定評がありますが、同条件で4戦2勝2着2回と連対パーフェクト。昨年の覇者マスターフェンサーと同じ道のりを歩んでいます。

 

★デルマルーヴル 牡5歳 戸田博文きゅう舎(美浦)

2歳時に兵庫ジュニアグランプリを制し、全日本2歳優駿(JpnⅠ)2着。翌年はUAEダービー(ドバイ)へ遠征して4着。帰国後はジャパンダートダービー、レパードステークス、白山大賞典と3戦連続で2着。勝ち切れないレースが続きましたが、名古屋グランプリで待望の重賞2勝目。昨年はフェブラリーSからマーキュリーCへ臨んで2着、続く日本テレビ盃でも2着を確保しましたが、以降は着外の連続。ここを復活の舞台に選びました。

 

★ラストマン 牡4歳 戸田博文きゅう舎(美浦)

父はダート界の大種牡馬に君臨したゴールドアリュール。デビューから一貫してダート1600m以上を使われて4勝2着2回。同族にクリソベリル、アロンダイトなどダートの頂点を極めた強豪がずらり。地方ダート未経験だが、血統背景は文句なし。マーキュリーカップをきっかけに大きく羽ばたくか。

 

★クインズサターン 牡8歳 安田武広きゅう舎(北海道)

マーチステークス、武蔵野ステークス2着。アンタレスステークス、平安ステークス、根岸ステークス3着。JBCクラシック(浦和)4着。グレード制覇は果たせませんでしたが、上位を確保。昨年8月、南関東を経て北海道入り。圧巻の4連勝で道営記念も制しました。今季もコスモバルク記念優勝で健在を誇示しています。

 

★エンパイアペガサス 牡8歳 佐藤祐司きゅう舎(水沢)

前走、一條記念みちのく大賞典を制し、メイセイオペラ(3連覇)以来の3度目制覇の偉業を達成。自身の持つ岩手競馬重賞タイトル記録数を18に伸ばしました。マーキュリーカップは2018年に挑戦してミツバの7着。ほかに浦和記念6着の成績があり、5着入着へもう一伸びしたいところです。

                                        (文/松尾 康司)