がんフーフー日記 -3ページ目

「ヨメハゲフェス2011」リーフレット原稿 その5~秦 基博さんについて

続いては、秦 基博さんについて。

胴上げの際にはお世話になりました!



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■秦 基博

 「若いのにしっかりしていらっしゃる人」




今回の出演者の中で、秦くんは一番年下になる。


まあ、年下といっても30なので、

世間的に見ればそれほど若いというわけではない。


それでも3人兄弟の末っ子という弟キャラのせいか、

彼にはどうも年若いイメージがあって、

もっというならば「若いのにしっかりしていらっしゃる」。

そんなガッシリ者、いや、しっかり者の

シンガーソングライターというのが彼の第一印象である。




秦くんと仕事をさせてもらうようになったのは、ここ数年のことである。

お互い手の内をさらしていくのはまだこれからという気はするが、

そんな彼の存在に私がひどく救われたのは、

特にここ1年、彼と一緒にすごす時間が多かったからだ。


ヨメの死後のどうしていいかわからない時期に、ヨメの死後のどうしていいかわからない時期に、

私は何度となく彼のライヴレポートを書き、

インタビューする機会をいただいた。


どうやらスタッフの方々は私の置かれた状況を知った上で、

あえて仕事を振ってくれたところがあるようだった。

おそらく秦くんも私の状況は知っていたと思う。

そんな中で私は仕事を引き受け、現場に臨んだ。


現場で秦くんは何も言わず、普通に接してくれた。

いつも通りのマイペースを崩さなかった。

そして私も普通に取材を行った。


あたりまえの現場が、ありがたかった。




彼のライヴを観るために横浜、静岡、宮崎といろんな街にもおもむいた。

私はコンサート会場の片隅で、じっと彼の歌と、

彼の歌を待っている人たちの熱を感じていた。


秦くんのコンサートは、はっきり言ってとてもあたたかい。

まっすぐに届けられる誠意に、まっすぐ返ってくる誠意。

すれすれにスレてしまったおっさんにとって、

それは最初あまりに縁遠いもののように思われたが、

しかし次第に心は変わっていった。


「こういうのって、いいかもな」――愚直なまでの誠意があって、

それを貫こうとするささやかなサークルがあるのなら、

そのあたたかな火を守りたい、などと年甲斐もなく思ってしまったのは、

ひとえに秦くんの音楽に対するひたむきさと、

わが子・ぺ~さんの誕生による父性本能の発現による

ところが大きいと思うが、それって一体どうなのだろう?




私は彼と関わることで“心を整え”ていたのだと思う。


きっと秦くんは「僕は何もしてませんよ」と言うだろうが、

それでも整えられてしまったものは仕方がない。



「若いのにしっかりしていらっしゃる」


ちょっとした悔し紛れのニュアンスを汲み取っていただければ幸いである。



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はた・もとひろ/1980年、宮崎県生まれ横浜育ち。

06年、全国FMのパワープレイ新記録を樹立した

シングル「シンクロ」でデビュー。

以降3枚のアルバムを発表する。デビュー5周年を迎える今年は

10~11月に日本武道館などで記念ライヴを予定。

毎年恒例の「Augusta Camp 2011」は7月30日、

浜赤レンガ特設野外ステージで開催される。

流行りの言葉で言えば、この1年、