先日、「南部裂織(なんぶさきおり)」のトークショーのことを書きましたが、
またまた六本木のミッドタウンにある
「20_21(トゥーワントゥーワン)」に行ってきましたよ~

南部裂織の記事
http://ameblo.jp/gan-mm/entry-10964655200.html

$ねこぜの東京・青森

こちらのトークショー、
おもしろいのに無料だから、
毎日来ている方もいるとか。


できることなら
ねこぜも毎回きたかったさ…。

$ねこぜの東京・青森

おとといは
「こぎん刺し、家族を想う女性の手仕事」
出演:成田貞治(弘前こぎん研究所 代表取締役)
を聞いてきました!


成田貞治さんてこんなダンディーな方。
http://www.aomori-presents.jp/creator/narita_teiji.html





今回のトークショーの説明を引用します。

藍色の野良着にさされた細かな幾何学模様、こぎん。
人々の衣服が麻に制約されていた江戸時代、
作業のための衣服を少しでも丈夫にするために工夫したのが始まりで、
防寒にもなりました。こぎん刺しは津軽の女性たちの仕事。
長い冬を過ごす楽しみの一つでもあり、家族のための手仕事となってきたのです。

青森県から「弘前こぎん研究所」の成田貞治を迎え、
女性たちが生み出してきたこぎん刺しの実用性と美に迫ります。





このこぎん刺しは、
ゼイタク禁止令で麻しか着れなかった農民が
寒さ対策ではじめたと言われていますが…



ほんとかなー…!?



だって、貧しくて寒い状況下で、
趣味でも暇潰しでもなく、
こんなに繊細な模様が刺せる??





…ってくらい素晴らしくない?!


どこに、こんな余裕があったのかな??

女の子は五歳からこぎんを教わったというから、
慣れてれば早いのかもしれないけど。


あたたかい服が欲しいなら、
見た目はどうでもいいから
早く、効率よくつくれたほうがいいじゃないですか?


でも、そうしなかった。
津軽の女性は美意識があった。
布を大切に扱ったんでしょうね。


ぶきっちょでなまけものの
ねこぜには考えられないです。


地域の刺し方があるのは、
病気の人や、不器用な人がうまい人に物々交換で頼んだからだそう。


頼まれた人は効率よくすすめるために同じ柄にしたとか。
オレオレ!なまけもんのおかげ!(笑)


模様の種類もたくさんあってたのしいんですよ!


名前が



マメコ(豆)とか。



猫の足とか。



猫のマナグ(目)とか。


津軽こぎん刺しの歴史と模様
http://kogin.net/rekisi.html


津軽のひとは
こういう制限のあるものをやらせたら上手だったんだろうなー。


ドット絵でマリオ描いたり…(関係ない)




しかし、
麻以外も着れるようになってくると、
こぎんは一時衰退します。




そこにあらわれたのが
「民芸」の柳宗悦さんたち!



手仕事の日用品に
「用の美」として新たな価値を見出す運動をしていた人たちです。


柳さんが
「こぎん、イーじゃん!チョーアツイじゃん!」


(こんなにチャラくないですが…)

と言ってこぎんを残すことをすすめたおかげで、
弘前でこぎんの調査・収拾がはじまり、
現在の弘前こぎん研究所の形になったそう。



こちらでは現在、
伝統的なこぎん刺し製品の生産や販売、普及と伝承に努めているそうです。

しかも、建築家前川國男さんのデザインした建物の中で。
(うらやましい!)




成田さんのお話でも、
柳さんの文を紹介していました。
一部を引用します。



醜い「こぎん」はない。一枚とてない。
捜しても無理である。

(中略)

別に秘密はない。
法則に従順だからだと「こぎん」は答える。
この答えよりはっきりしたものはない。

(中略)

名も無い津軽の女達よ、よくこれほどのものを遺してくれた。
麻と木綿とは絹の使用を禁じられた土民の布であった。
だがその虐げられた禁制の中でこれほどの美しいものを産んでくれた。

それを幸な不幸といおうか、または不幸な幸と呼ぼうか。
人々は生活に即して、ものを美しくしたのである。
これこそは工芸の歩むべき道ではないか。
私達はその美しさに引かれている。数々の教えをそこから学んでいる。




(「工藝」14号 昭和7年2月発行)







うおー!!号泣!!

って感じじゃないですか??



…そんなことない??(笑)




とにかく、
以下に全文があるので
読んでみてね!!

「こぎん」の性質 柳 宗悦
http://www.komakino.jp/tugaru/kogin.html


いやー
この情熱はすごい。


…こうして今に残っているこぎんですが、
これから新しい使い方ができないか、
成田さんは海外でも意見をきいたりしているそう。


どんなものが生まれるか楽しみですねー!


いつか弘前こぎん研究所にも行ってみたいな~(*^^*)






↓今日で終了!

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http://www.2121designsight.jp/