香害・化学物質過敏症の周知・啓発について |  みどり色の地球

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岩崎さゆり議員の傍聴に行ってきました。今回3つの課題を取り上げています。

①有機農業の推進について
②学校給食の地産地消について
③香害及び化学物質過敏症に関する周知・啓発について


今回は③香害・化学物質過敏症について私の見解をまとめます。

吉川市の学校では香害や化学物質過敏症についての相談は一件もないと、私が質問した時と同様の対応でした。それはそれでいいことではありますが、「相談がない」から「問題がない」と本当に言えるのかと疑義を申し上げたいです。


実際、給食着の臭いについての保護者の苦情は少なくありません。

健康被害というところまで来ていないのかもしれません。しかし、ひょっとしたら、お子様の頭痛やだるさ等、それが原因とわかっていないだけなのかもしれません。そのことを吸い上げるためにも、そのような病気があるんだということを知らせるためにも、アンケート等を実施する必要があると思っています。

 

北海道東川町ではタブレットを使って以下のようなアンケートを市内の小中学校で行っています。

 Q1.お子さんは、これまでに人工的な香料(化学物質)によって不快を感じたことがありま すか?【単一回答】

Q2.お子さんは、これまでに人工的な香料(化学物質)によって体調不良を起こしたこ とがありますか?【単一回答】

Q3.ご家庭で日常的に使用している香料付き製品はありますか?【複数回答可】 

Q4.あなたは「香害」をご存知でしたか?【単一回答】

 

Q1の回答が約3割(小29%、中34%)、Q2の回答が約1割(小9%、中12%)います。10人に1人が体調不良を起こしているんです。どちらも中学校の方が数パーセント割合が高くなっています。

 

また、周知・啓発に努めている教育委員会も多いです。

EX.仙台市教育委員会の啓発ページ

https://www.city.sendai.jp/kenkosesaku-zoshin/kurashi/anzen/kanri/sekatsu/higai/documents/kabinsyo.pdf

 

吉川市では、一部の学校の保健だよりで啓発しているそうです。これまでの答弁でも「保健だより等で知らせることはできる」と言っていたので、全校の保健だよりを資料請求していたのですが、目に留まっていませんでした💦。

関小学校のほけんだよりに掲載されていました!

もっと全校で取り組みができるように、教育委員会のリードが必要だと思います。

これまでの数々の相談で私なりに思うのは、発症者が一番困っていることは、周りの人の無理解です。例えば、学校や保育園
の改修を機にお子様が化学物質過敏症になり、登校・登園できなくなってしまったご家族に対し、担任の先生や学校・園が親身になってくれないどころか、変わった保護者、むしろモンスターペアレンツ扱いになるなんてことがあります。

しかし先生が変わって、化学物質過敏症に感度の高い先生に助けられ、しっかりと対応をはかってもらえたなんてことがあります。目の前にたまたまいる人の理解度で対応が変わるわけです。

突然の発症で戸惑う本人や保護者。突然の相談に拒絶反応を示す先生や学校。突然やってくる時のために特に教育に関わる方々の意識啓発は必要だと思います。

 

「いない」から「問題はない」ではなく、保護者・教員の周知につなげるためにも、教育委員会としてアンケートを取ることが大切なんですね。アレルギーに関するアンケートが今では当たり前にあるように、化学物質過敏症も同様に取り組む必要があると思います。

困りごとにしっかり対応できるように、寄り添う姿勢があることで一番の辛さである「無理解」を回避することができるでしょう。

日本消費者連盟HPより

5省庁で作ったポスター

 

2年前、5省庁で香害のポスターを作成しています。経済産業省が名を連ねることで、表現が日本消費者連盟のような文言までは入れられずここどまりでしたが、それでも大きな成果です。

また、埼玉県でも少し前にもご紹介しましたが、2023 年3月議会で埼玉県市民ネットワーク・辻浩司議員の一般質問での追及で、埼玉県のポスターがリニューアルしました。

「その香り、苦手な人がいるかも⁉」

       ↓

「その香り、困っている人がいます!」

と、嗜好の問題ではなく、被害の実態に即した表現になりました。

国や県では少しずつですが、前進しています。