生活クラブってやっぱり凄い✨ |  みどり色の地球

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先日、生活クラブの支部研修に参加し「活動ハンドブック2023」を一緒に読み合わせしました。以前、理事をしていたことがあるので、ハンドブックの読み合わせが研修だと聞いて、新しい人にはいいけど、正直おもしろくないなぁと足を運びました(すみません)。
しかし改めて読むと、その理念と実践はすばらしく、生活クラブって凄いなと改めて思いました。世界的評価や様々な受賞結果の意味もかみしめ、改めてご紹介したいとおもいました(受賞内容は最後)。

今日は生活クラブのこと、協同組合のことを、最近読んだ『公共善エコノミー』と絡めてご紹介したいと思います。

 

【市民ネットワークとの関係】

が所属する「市民ネットワーク」という政治団体は、生活クラブ運動から始まっています。生活クラブはリユース瓶の推進をするグリーンシステムを作ったり、遺伝子組み換え反対運動など様々な社会運動をしてきた中で、政治と立向かわなくてはならないことがでてきました。「生活は政治である」しかし「生協の中で政治活動はできない」ことから、別組織として拡がっていったのが「全国市民政治ネットワーク」です。

 

【生活クラブ生活協同組合(生協)とは】

「生活クラブ生協」と聞くと、みなさんわかったような顔をして「生協ね!」という反応をしますが、多くの皆さんは「コープみらい」や「パルシステム」など別の生協さんをイメージしている場合が多いです。どれも同じように見えるかもしれませんが、「生協」というのは、「株式会社」「NPO」等と同じ組織形態です。「株式会社」の中に様々な事業体があるのと同じように、「生協」の中にも多くの事業体があり、「生活クラブ」はそのうちの一つなのです。一番大きい「コープみらい」さんと比べると、10分の1位の規模だと思います。しかし、食の安全へのこだわりが非常に高い生協だとお勧めしています。

「遺伝子組み換え」への配慮、また合成洗剤を取り扱わないことなど消費材(商品)の他に、「エネルギー政策」「福祉政策」にも取り組んでいます。「FOOD(食べ物)、ENERGY(エネルギー)、CARE(福祉)」の頭文字をとり「FEC自給圏」をつくることを目指しています。

 

【これからの時代は「協同組合」】

これからの時代の再構築には「協同組合」に可能性が残されているとも再認識しました。

ちょうど今、『公共善エコノミー』という本を読んでいます。私は二宮金次郎の「道徳なき経済は犯罪、経済のない道徳は寝言」という格言が好きですが、実は2300年前にアリストテレスが似たようなことを述べていました。

2つの異なる経済形態「オイコノミア(公共善が目的)」と「クレマティケ(お金と資本が目的)」を示し、後者にならぬようにと助言をしているのです。この二つの目的が大きく違う経済は、明らかに違う単語として存在していて、昔から経済が金儲けが目的(クレマティケ)になってはいけないと警笛は鳴らされていたのです。

著書の中で、経済活動によって利益・エゴ・欲望が優先しないようにするために

・労働者や顧客の人間としての尊厳が保たれているか

・エコロジカルな持続可能性があるか

・民主的に決定されているか

・公平かどうか等

「公共善」が企業の決算に生かされる「経営評価ツール」が提唱されていますが、このツールを用いなくてもそれに近い運営をしているのが協同組合なのです。

実際、協同組合は社会的にも見直されていて、SDGs達成にも大切なステークホルダーとみなされ、昨年から「SDGs推進円卓会議」の構成員にもなっているのです。

 

【2016年ユネスコ無形文化遺産に登録】

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は、ドイツ政府からの提案に基づき、「協同組合において共通の利益を形にするという思想と実践」を「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録しました。決定にあたってユネスコは、協同組合を「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」としています。全世界で展開されている協同組合の思想と実践が、人類の大切な財産であり、これを受け継ぎ発展させていることが評価されたのです。

 

【公共善は憲法にも謳われている】

実は「経済は公共善のためのもの」と謳われている憲法が多いということも著書の中でしりました。日本の憲法には経済のことまで書かれてはいませんが、第13条の「個人の尊厳」の部分になるのかもしれません。

いずれにしても、私たちの求めていることがすごく先を見据えているのは確かで、SDGsなど時代が私たちに追いついてきたなと思うところです。

これからも、この社会において希望と勇気を与え、幸せな未来のために実践を重ねる存在でいたいと思います!

 

【生活クラブ 受賞の数々】

●1989年「ライトライブリフッド賞」受賞。

「もう一つのノーベル賞」と言われています。社会と環境を考えた活動、民主的な経営参加、たすけあいの仕組みづくりが評価。

●1995年「われら人間:50のコミュニティ賞」受賞 

環境保護と持続可能な発展の部門に関連した活動において成功したことが評価。消費者が家庭の中からの行動を通して、自然と調和した社会の創造を開始することができることを実証している。

●2009年「FOOD ACTION NIPPONアワード」受賞

2010,2013,2014年も食料自給率向上へ寄与したことで入賞

●2018年「厚生労働大臣賞」受賞

組合員と生産者との積極的な交流、組合員の参画、環境を守る活動、福祉において法の理念にのっとり健全な事業運営を行い、他の規範と認められることが評価。

●2022年「環境省グッドライフアワード 第10回環境大臣賞優秀賞」受賞

生活クラブと山形県庄内地域のローカルSDGsプロジェクトが優秀賞受賞。

第6回も地球生態系のためのごみ減量の仕組み「グリーンシステム」が評価され「環境大臣賞」受賞。