久喜市GIGAスクール コロナ禍で構想→実現へ |  みどり色の地球

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地方政治改革ネットワークで久喜市のGIGAスクールの視察をしました。久喜市議会議員の猪俣議員、川辺議員には大変お世話になりました。10代を久喜で育ったので、駅前の提灯まつりのメイン通りなど懐かしくもありました。

 

久喜市では元々構想にあったGIGAスクールですが、コロナ禍で一挙に前に進みました。良く言えば平等で横並びの教育畑の中で、素早く導入できた大きな要因は、教育長の「子ども達のためにできることをやる。何もしないなんてことはありえない」という姿勢でしょう。

確かに「あそこの学校ではやっているのにうちではやらないのか」「あのクラスでやっているのに…」という声はあったそうですが、逆にそれで遅れている学校、クラスへの導入が進んだということです。

 

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①久喜市がICT教育で目指すもの

久喜市では、「久喜市教育振興基本計画(2018~2022」があり、それに基づき「ALL KUKI 教育改革プロジェクト」を今年6月に発表しています。

「ICTを使うこと」ではなく、「ICTを使って、資質能力を向上させること」と断言。

かつてはSTEM教育と言われていました。Science, Technology, Engineering and Mathematics。しかし、最近はそれを人が使うことでArtを取り入れることが大切だそうです。I phone が人気なのも、このArtの部分が他より抜き出てるからだそうです。学校の良さである集団での学びをSTEAM化と共に目指すということです。教室のICTは効率化を図るだけでなく、協働学習にも非常に役立ちます。価値ある経験、協力の大切さなど大きな学びをICTにより得ることができるといいます。

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②経緯

4月6日 各学校にマニュアルを配布し、学校長へ説明をしました。

4月13日 保護者にアンケート。オンライン回答を利用しました。

ネット環境のないご家庭が5%(400件)であることや、動画配信など好きな時に何度でも教材を見ることができるような「一方通行」のコミュニケーションを望む方が56%、クラス活動、グループトークなど心のケアも可能な双方向コミュニケーションは35%、オンラインでのコミュニケーションを希望しないご家庭が9%いう結果がみられました。

 → 200台のクロームブック、50台のモバイルルーターの貸与。ネット環境のない生徒は学校のPCルームでの受け入れ。

4月中旬にはすべての学校で「Googleフォーム」、「G suite for Edcation」、「Googleクラスルーム」など、アプリケーションを活用しオンラインを行いました。

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③オンラインで可能としたこと

休校中は △心のケア △家庭での様子の把握 △学習習慣の定着 △学びの継続・保障 のために教職員のICT活用スキルの向上に向け総力を挙げました。教育委員会で支援するのと同時に、G suite for Edcation を使って教職員のサイトをつくったので、チャットで教え合うようにもなりました。ちなみに保護者向けのサイトも作ったそうです。

 

アプリで可能になったこと

「Googleフォーム」

意見収集 本時の振り返り 感想

「Googleクラスルーム」(足跡が残ること、保護者も見れること)

教材の配布 1日の振り返り(毎日一言日記) 情報共有(個別の質問や相談) オンライン終業式 

「ドキュメント」(クラウド上なのでいつでも確認ができる)

デジタル新聞の作成 

その他、動画配信、テレビ会議など行ってきました。

やっていく中で、教員自身がオンラインの価値を知るようになってきたといいます。

不登校の子がオンラインで参加で来たり、学校再開後にオンラインが良かったという声もあったほどでした。

今でもタブレットタイムを毎日15分つくるなど、触れる機会をつくっているそうです。

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④久喜市立清久小の「未来の教室」の共同研究

清久小学校では今年から「グーグル」、「東京大学CoREF」、「ベネッセ」等民間団体と共同で、全児童に1人1台タブレットにおける「学びのあり方」を研究します。学習効果のある指導法、客観的かつ形式的に評価するためのICT活用などについて取り組みます。

 

ベネッセ  アプリ「ミライシード」

グーグル  クロムブックの提供と活用能力向上

東京大学CoREF  授業設計のサポート

フルのシステムズ  アクセスポイント設置

グレイスリンクエンタープライズ  端末保管充電庫6台の提供

リコー  ネット回線、65インチの大型定時装置の提供

エルモ  75インチ大型モニターの提供

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⑤実際にオンライン体験して

〇「秋」といえばというテーマで、写真とコメントを各自入れました。 

他の皆さんの様子が見えるので、何をすればいいか分からない子は他の子の様子をキョロキョロせずに見ることができて、納得してから自分の活動に入ることができます。早く終わった人は、他の人の活動を見て待つことができます。先生は、進んでいない子が一目瞭然で、すかさず支援に入ることができます。

 

〇算数の問題を解きました。

即座に回答がわかります。先生が放課後に丸付けたり、隣のこと交換して丸付けをするような時間が省け働き方改革に繋がります。回答率なども知ることができます。効率化が図れることは確かです。また、その子がどのようなところが苦手なのかをAIが見つけ出すことが可能になります。

 

〇読み取りの機能があります。しゃべったことを読み取る機能がより精巧になってきていて、漢字の選択なども「柿」「牡蠣」の違いなども反映できるようになっています。この機能を使うと、英語の授業で英語の発音がちゃんとできているか知ることができます。また、音読をやっているかどうかもすぐにわかるので、口パクはばれてしまします。主体的な授業への参加が促されます。

 

このように、

→1人ひとりの特性や習熟度に合った学習環境を提供できます。

→ドリル型学習の理解度などにより、必要な学習をAIが提供してくれます。

→教員はAIと子どもの間のサポート役となります。

 

私たちもZOOM会議や動画などを駆使していますが、初めての時はドキドキでしたが、やってみればすぐになれるのがIT機器だと思います。教科によっては合う合わないがあると思いますが、この技術を選択肢の一つにすることで、子ども達にも、先生たちにも良い効果をもたらすと実感できました。

久喜市教育委員会の方々には大変お世話になりました。