松葉によるダイオキシン調査結果報告会 |  みどり色の地球

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2019年5月22日に行われた5市1町松葉によるダイオキシン調査についての報告

 

松葉によるダイオキシン調査は、1995年頃から摂南大学薬学部 宮田秀明教授の研究室においてクロマツ中ダイオキシン類の測定分析が行われ、基礎的な研究がすすめられたことから始まっている。1997年に旧環境庁が全国一斉調査の一環として各地のクロマツを測定分析したこともあるような測定分析である。

 

5市1町大気調査隊のメンバーでもある辻こうじ県議会議員のあいさつ

東埼玉資源環境組合ではダイオキシンの定点測定を年2回しているが、常時測定する必要あり、松葉が1年間吸い込んだダイオキシンを調査することは意義がのべられました。本日は採種した松葉の調査を分析をした報告をいただく会で、行政もやっていない調査であり、様々なところで活用していただきたいと話された。

 

池田こみちさんから 

報告の前に3つお話

①    ヨーロッパがアフリカに大量のプラごみを運び込んでいて、そのプラごみから、現地の人々が金属を取り出している。劣悪な状況の中で、放し飼いの鶏の卵を食べているのだが、卵から焼却炉と同じくらいのダイオキシンが検出された。バーゼル条約で廃棄物を海外に押し付けてはならないことになっている。これを遵守しなくてはならないだろう。

②    プラスティックはリサイクル。プラには様々な化学物質が入っている。リサイクルしたこどものおもちゃにに高濃度のダイオキシンが入っていた。リサイクルは中身がわからないもの出来上がる。プラのリサイクルを考え直した方がいい。

③    日本のように燃せばいいのか。燃せば閉じ込められていた汚染が、空気中にまき散らされる。焼却そのものを考え直さなくてはならない。

 

第1部 5市1町の大気状況

日本は焼却炉も多く、最もダイオキシンを排出している。

 5市1町エリアは埼玉県内でリサイクル率が最も低く、ダイオキシン濃度の最も高い場所

 

第2部 事前調査と第1回―3回事後調査結果の比較

松葉調査では、ヨーロッパでの調査対象に倣った12項目について調査分析している。

調査結果からは2018年度はダイオキシン量は下がっていると読み取れる

2017年度、風上地域が高い理由は、断定はできないが

民間の焼却炉から基準値以上のダイオキシンが出ていることが分かっている

(水銀がバグフィルターにつくと交換だけで2億円かかるそうだ)

 

第3部 東埼玉資源環境組合でのごみ処理の状況

一人当たりの排出量は減ってきているが、リサイクル率は依然として埼玉県内で最低。

(資源環境組合2019年事業概要から)

第2工場の組成割合が、今まで湿ベースだったものが乾ベースになり、データーとして継続性がなくなってしまった。

 

第4部 今後の方向性と提言

一般廃棄物処理基本計画の目標達成状況を確認しよう。

 

今のダイオキシン基準は、平成9年時に排出されていた値をはみ出ないように設定された数値のため、排出改善された今日となっては、ほとんど意味のなさない数値である。

定点で年に2回程度、数時間分を図るよりも、発生している場所の調査をしっかりするべきではないか。

 

継続調査している事例としては厚木の例がある。産廃業者のとなりの厚木基地からクレームがあり、日本で初めて2か月間連続で測定。その初の連続データーは環境省に請求してももらえず、アメリカに請求し情報を得たというおまけ話も。

 

質疑応答などから

Q.5市1町の燃やすごみが搬入されている東埼玉資源環境組合。新しい第2工場はすでにいっぱい。15年後に改築・もしくは改修される予定の第1工場の今後。廃止は現実的でない。どうしていくのがいいと思うか。

 

A.    ゼロウエストにするにはどうするかということを市民が考える。現状認識を市民共にして、一緒にできる目標を立てる。見える化しないとだめ、その努力をするべき。横浜市長、中田さんはごみ焼却炉を減らすためにはごみを30%減らす努力をするために、市役所が200回以上の説明をしている。市民にいかに協力していただけるかをデーターでしめし、理解をしてもらうことで、2炉減らした。

また、名古屋もそうだった。ラムサール条約の場所だった焼却炉建設予定地を保全するため、住民に知らせ、生ごみの堆肥化を導入した。

資源を有効にすることで、1炉でも2炉でも減らせたらよいのではないだろうか。

 

・白色トレーは販売者責任として改修するが、きれいなトレーになったとたんに自治体での焼却ごみになる。おかしい。

 

・デポジット110円。上乗せの10円のうち5円を返す。残り5円は、回収のために使われる。回収場を提供している方などに。デポジット制度を確立すると税金の負担も少なくて、回収率も高まる。メーカーが商品が高くなるのは困ると裁判したが、結果として、つくった方が責任を負うのはもっともだとなった。

 

・広域化が主流になっているが、盛岡では100キロ範囲でごみを持ってくる。これはおかしい。

 

・第2工場ができる時に、現地の大気調査をした。結構汚れていて、そんなに厳しいものにしなくてもいいのではないかという意見まででたらしい。

 

・ヨーロッパの法律ではダイオキシンを年2回計測すればよいのだが、市民がカセットを入れて2週間後と測れる装置を設置している。法律にはないが、いつでもだれでも図れるものを置いていて、情報提供してる。それを市民が望んでいる。