「CS憩いの仲間」~化学物質過敏症本人とその家族のための情報交換会~へ参加してきました |  みどり色の地球

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「CS憩いの仲間」という集いは、草加市の(株)サン勇建設の住宅展示場「もみの家」にて月1回行われています。埼玉県内だけでなく神奈川、東京、千葉からCS(化学物質過敏症)患者が集まって来ています。と言っても、電車でここまで移動できる軽症、もしくはある程度回復されている方しか来ることはできません。

この集いでは、お味噌など手作りしている時もあれば、様々な外気流入防止などテクニック実習をされていたり、毎回テーマを決めて徴集しているようです。

 

衣類への対応(新品、保存後、外で染みついてもの等)

今日は新しい衣類への対処、1年しまっていた衣類への対処、外気の農薬成分が染みついた衣類への対処など、それぞれの洗濯の方法や、洗剤の種類、衣類のしまい方など、アドバイスがありました。とにかく、洗濯機が汚染されること自体を避けるため、洗濯前の処理に気を使わなくてはなりません。これを怠ると後々大変になるのはご自身なので、いくら大変でも「やらなくてはならないこと」なのです。

季節の衣類を入れ替える時は、圧縮袋に入れるといいそうですが、中を拭きとってから使用するといいとアドバイスされていました。また、アイロンをかけると、熱で揮発した物質で自分が暴露するので注意するようにとも。至る所に最新の注意を払いながら生活するご苦労が、衣類に関してだけでもうかがい知ることができました。

「化学物質過敏症になると新しい物が買えない」と聞くが、一番買えなくなったものはどんなものなのかという質問には「本」との答えが返ってきました。インクの有機溶剤が受け付けないとのこと。また、図書館では定期的に殺虫剤・殺菌剤がまかれるのが困ると、せめて、いつやるかの表示があれば、直前に行くことができると言うことでした。最近では紫外線による殺菌方法もあるそうです。

公共施設・公共交通

また、公共施設・公共交通においても定期的に殺虫措置をするので、対応の掲示が欲しいということです。乗り物では、空調が最もしっかりしている飛行機が一番楽だというお話もありました。電磁波障害の方もいらっしゃって、電車の乗り場所についても共有されました。車両の入り口に「さは(車両のみ)」「もは(駆動車)」「くは(運転席あり)」という表示があり、「さは」が楽で、皆さん選んで乗っていらっしゃるようです。「○○線は〇両目」だと熟知されていました。

化学物質過敏症と認定されるまで

最後に質問させていただいたのは、化学物質過敏症と認定されるまでにどのくらいの期間が必要だったかということ。診断を出してもらった医者に掛かり始めてから2年程度がほとんどで、体調が悪くなってからカウントしたら、20年という方もおられました。「多種化学物質過敏症(MCS)に関する同意事項:1999」として発表された6つの診断基準
 1) 化学物質への曝露を繰り返した場合、症状が再現性をもって現われること
 2) 健康障害が慢性的であること
 3) 過去に経験した曝露や、一般的には耐えられる曝露よりも低い濃度の曝露に対して反応を示すこと
 4) 原因物質を除去することによって、症状が改善または治癒すること
 5) 関連性のない多種類の化学物質に対して反応が生じること
 6) 症状が多種類の器官にわたること

を満たすことで、化学物質過敏症と診断をされますが、診断のできる病院が限られています。化学物質過敏症の検査をする機械のある、白金の北里研究所病院と、宮田先生の荻窪のそよ風クリニックの2か所に加え、盛岡病院、福岡病院、高知病院などの名前が挙がっていました。2か所しかない機械にもかかわらず、2019年12月にはその内の1つ、北里研究所病院アレルギー科が閉鎖してしまうそうです。化学物質過敏症が認知されつつあるものの、理解が進まないことも含め、まだまだ逆風は吹き続きそうです。

 

次回の「CS憩いの仲間」は6月に予定していましたが、もみの家のメンテナンスが入るために6月は中止です。7月9日or10日に臨時に開催するそうです。もし、ご参加されたい方は、とりあえず私に連絡ください(gankyon7123f@yahoo.co.jp)。代表の方にお繋ぎいたします。ちなみに今年の予定は、9月10日、10月8日、11月12日、12月10日となっています。

 

3月にDVD「香害110番」も完成しています。http://nishoren.net/new-information/11091ぜひご覧ください。