不思議な往復乗車券 | 新田鉄人「久慈だョ!全員集合」

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難病と闘いながらピンの鉄道芸人、その他で活動する、元本物の鉄道の駅員と電気部、さらに保線の経験を持つ、新田鉄人のブログへようこそ!岩手県久慈市公認、北三陸久慈市ふるさと大使。潜水士の資格取得済。

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昨日のブログで、JRの当日限りの片道乗車券について採り挙げましたが、今日は往復乗車券の話題です。往復乗車券は、片道乗車券と同じ駅間を同じ経路で乗車する際に発売されるもので、有効期間は片道乗車券の2倍で、ある場合を除いて運賃もやはり2倍です。
上の写真の往復乗車券はその「ある場合」に該当するもので、発駅は八高線の越生(おごせ)で、高麗川(こまがわ)で川越線に乗り換えて大宮からは東北新幹線、新花巻で釜石・山田線に乗り換えて大槌までとなっています。ちなみに現在、東日本大震災の影響で山田線は釜石~宮古間で運休中です。
この「ある場合」に該当すると、乗車券の右下の部分に「復割」と印字されます。これがあると、片道運賃の2倍よりも安く購入できます。それでは、どうすれば「復割」になるのでしょう?
往復乗車券を利用する時、片道601km以上の場合は行きと帰りの運賃が1割引になります。つまり、片道601km以上の同じ経路の旅をするなら、片道乗車券の2倍の有効期間内に戻る場合は行きと帰りに別々に乗車券を買うのではなく、行きに往復乗車券を買ってしまったほうが安くなります。
東京~博多間にすれば、片道乗車券を別々に買うと合計26,880円、1度に往復乗車券を買えば24,180円で、2,700円もの差が出るため払い戻しの手数料を出してでも買い直したほうが得になります。

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また、601km以上乗らなくても安くできる場合がたまにあるのが往復乗車券の面白いところで、筆者の場合は上の乗車券で券面の中の川越~釜石間でしか使っていないのですが、東北新幹線経由の川越~釜石間は片道578kmで割引対象外、往復乗車券は17,440円です。
しかし乗らない区間を含め、この場合は601km以上640kmとなるようにして往復乗車券を買うと16,820円。遠くまで買って往復にしたほうが安いのです。
またこの距離の乗車券は、東京都区内~大阪市内などという駅を1つに限定しない発売の仕方があるため、慣れていない方だと計算がややこしくなりますが、うっすら覚えておくと役に立つ時が来るかも知れません。駅の距離は時刻表で調べられますが、営業距離と運賃計算距離が違う場合があるのでご注意下さい。