
今月2日の夕方、都営地下鉄の駅で、お母さんが抱いた赤ちゃんの足がドアが開いた際に戸袋に引き込まれ、騒ぎで気がついてドアを外側から力で閉め赤ちゃんを救った50代の男性が、反動で開いたドアにより戸袋に手を引き込まれ指を1本切断する事故がありました。
今回は、こういった事故をどう防ぐか、発生した場合の対処法を探ります。

電車のドアには色々な種類があり、ドアの表面とガラスの部分に段差が生じたりします。
写真は昭和後期から最近までよく使われた押さえ金でガラスを固定するもので、段差がかなりあります。鉄道会社によって、中側から固定するもの、外側からのものがあります。このドアが一番危険なタイプです。

こちらは長らく使われたゴムによりガラスを固定していたものを、ゴムの老朽化対策でアルミの枠に交換したものです。ゴムのまま残るものもありますが、どちらも段差はそれほどありません。

最近多いのは、ガラスを二層式にして中側も外側もドアとガラスの段差をほとんどなくしたものです。一番安全なタイプですが、それでも戸袋に手などが引き込まれる場合があります。

ドアには手動に切り換えられる「ドアコック」と呼ばれるものがあります。これを操作するとドアの力が抜け、今回のような際には有効です。近くに標識があります。

これが「ドアコック」ですが、使用したら運転士に報告する義務があり、下手に扱うと戻した際にドアが勢いよく動きます。一番良いのは駅員がいれば大声で呼ぶか、車内の非常ボタンで乗務員に知らせます。
JR東海では、車掌が「ドアから手を離してお待ち下さい」と駅に着く前にアナウンスをしたりしますが、開くドアには触れない、もし引き込まれたら鉄道員に任せる。逆の駆け込み乗車も大変危険です。悪くすると命に関わりますので、十分ご注意下さい。