運転席中央下の逆三角形の金具 | 新田鉄人「久慈だョ!全員集合」

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難病と闘いながらピンの鉄道芸人、その他で活動する、元本物の鉄道の駅員と電気部、さらに保線の経験を持つ、新田鉄人のブログへようこそ!岩手県久慈市公認、北三陸久慈市ふるさと大使。潜水士の資格取得済。

荒川夢悟「テツろぐ」-東日本185系200代.JPG
国鉄時代に登場した特急型車両の、運転席の窓の下の中央に位置する銀色に輝く逆三角形の金具…。一体これは何に使うのだろうと思われた方は、どれほどいらっしゃるでしょうか?
実はこれは道具ではなく「特急シンボルマーク」と呼ばれるもので、特急型車両のみが誇らしげに付けることのできる証なのです。ちなみに、特急「日光」や「あまぎ」で活躍し、貴賓車を除き今はもう見られない157系は、もともとは準急(のちに急行と統合)用の車両のため付いていません。
荒川夢悟「テツろぐ」-東日本183系1000番台.JPG
国鉄在来線の特急型の電車や気動車に、文字通りシンボルとして北海道から九州の車両まで掲げられ続けてきましたが、JRに変わってそれぞれの会社が登場させた新型車両には、引き継がれませんでした。中には、展望車などへの改造は仕方ないとしても、特急運用に就いていながら特急シンボルマークを取られてしまったものもあります。
現在も第一線で活躍する国鉄型の特急車両は少なくなりましたが、特急シンボルマークがないものは例え急行や快速、臨時列車としての運転だったとしても、ファンにとっては何か物足りない感があります。
一般の乗客の方は、特急シンボルマークを見ても「あれは何だろう?」と、そして撤去されても気がつかない例が多いかも知れませんが、車両からしてみれば印籠のない水戸黄門のようで、心があるならきっと寂しい思いをしているでしょう。
単なる銀色の逆三角形の金具ですが、あるとないとではファンや車両にとっては貴重なものなのです。